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カエルちゃんが舟遊びをしています。 舳先に水滴が当たるたび、 楽しくてたまりません。 カエルちゃんは、潤いシーズンが大好き。 雨がたくさん降って喜んでいます。 水量が増した夏の川。 思わぬジャンプで、びっくり驚きの冒険です。 遊び疲れて寝てしまいました。 あたたかな布団でよく眠り、 冬を越しても気づきません。 外は雨の気配です。 お出かけしたい好奇心でいっぱい! 【おしまい】
・キャッチコピーウイルスに感染したお絵描き環境で、少年絵師ジンのクリエイト魂が生き延びる道はあるのか!? (44字/一文50字以内) ・あらすじ少年ジンは自室のパソコンでデジタルペイントにいそしんでいた。それをライブ配信するのがジンの趣味だ。その夜はサイバー部隊の隊長の絵を描いていた。けれど下手の横好きで、閲覧者はゼロ。そんな閑古鳥の鳴く中、事件は起こった。 突然、絵が動き出したのだ。画面上の隊長は武器が欲しいと協力を迫ってくる。慌てふためくジン。だが怪しげな黒いモヤが出
あらすじ 少年ジンは自室のパソコンでデジタルペイントにいそしんでいた。それをライブ配信するのがジンの趣味だ。その夜はサイバー部隊の隊長の絵を描いていた。だが下手の横好きで、閲覧者はゼロ。そんな閑古鳥の鳴く中、事件は起こった。 突然、隊長の絵が動き出したのだ。画面上の隊長は武器が欲しいと協力を迫ってくる。慌てふためくジン。だが怪しげな黒いモヤが出現するや、覚悟を決めて武器を描いて渡す。 隊長いわく、大事なデータを守るためには戦うしかない。ジンは下手なりに武器を描き続ける。悪戦
「よ~し生放送やるかぁ!」 音量OK、ペイントツールOK、今日もYoutubeでお絵描き配信。閲覧数はゼロだけど。ま、最近はサイバー部隊を描いてる。ネット犯罪から市民を守る隊長だ。でも武器を描くのは苦手なんだよな。手もやばい事になる。 『よう』 男前な声に続き隊長の足が動いた。 ――え? あろうことか小さな隊長は屈伸を始めた。あり得ないだろ、ハッキングされたのか。いやさすがに無理だよな、と思い直す。 「俺クスリなんてやってないぞ」 すると画面端に黒いモヤが出現。 『
<< 前半 《黒モヤ撃破ぁあああ!》 《勝利おめ~》 《隊長生きててよかった》 パソコン画面から黒いモヤが消えるとともに、チャット欄が沸いた。 やったぜ、俺の絵が脚光を浴びている! 小さなサイバー部隊長は、赤い回復薬を取り出すと一息にあおった。 《おお、くすんでた軍服がキレイになってく》 《HPは見えないのな》 『うまい。今まで受けた中で最も上質の治療だ』 「そっか? この赤色でよければ何杯でもどうぞ」 俺は空き瓶にお代わりを描き満たした。 《R229・G47・B9
「よ~し生放送やるかぁ!」 音量OK、ペイントツールOK、今日もYoutubeでお絵描き配信。閲覧数はゼロだけど。ま、最近はサイバー部隊を描いてる。ネット犯罪から市民を守る隊長だ。でも武器を描くのは苦手なんだよな。手もやばい事になる。 『よう』 男前な声に続き隊長の足が動いた。 ───え? あろうことか小さな隊長は屈伸を始めた。あり得ないだろ、ハッキングされたのか。いやさすがに無理だよな、と思い直す。 「俺クスリなんてやってないぞ」 すると画面端に黒いモヤが出現。
ドルジ星系ヘラの地表でテラフォーミングプラントが煙を吹いて停止したのは、ミゥナ女史がカフェオレを口に含んで3秒後のことだ。 「残念、また失敗」 「うまくいきそうにありませんよ」 弱音とともに助手は解析を始める。 「僕には才能がないようです」 「センスの塊の間違いでしょう。TFPは夢の宝箱。星を開発して新たなストーリーを紡ぐなんて実に冒険的だわ」 「冒険? お宝? この世界に?」 助手は疑いの目でボスを見た。 ミゥナは立ち上がり宇宙船の窓辺を歩き始める。 「あるわ。例
「お喜び申し上げます。今日から貴方様は大将軍です」 髪をピシィと整えた副官の言う通り、僕は大将軍になった。 前皇后が処刑されて、妹が皇妃になったからだ。 僕は大好きな肉屋をやっていたかったのに、どこからか人生が狂った。 「肉ばかり食えた日々が懐かしいよ」 「ご自重ください。また周囲から叩かれます」 そうなんだ。堅苦しい王宮じゃ、まず香辛料がダメだと怒られる。胡椒を効かせた肉を振る舞ったら「口が痛い! 控えよ!」と来る。鉄板焼きひとつ満足にやらせてもらえない。 「とこ
(三国志のパルプ小説です。6,800字あります) 序 その日、飛将軍呂布は曹操軍に降伏し、ほどなく首が飛んだ。 他の捕虜の処遇も定まり、あとは参謀の陳宮を残すのみである。 彼は陣幕の中で縛られ自由を奪われていた。主と仰いだ男の死に顔を、目を細めて見やる。 「ひどくお寒い幕切れじゃないか。いったい我々はどこで間違ったのか。私が味方しようとも、敵に回ろうとも、曹操め、あやつが関わると堤が切れる」 ───西暦198年末、徐州。 呂布は曹操軍に攻め入られ、連戦連敗して下邳
しんしんと降り積もる雪の静謐に包まれて、敵の侵攻は行われた。 その冬のクリスマス、偽のサンタクロース集団が大量発生したのだ。人々は老若男女を問わず、望み通りのプレゼントを手に入れた。食べ物であれ、衣服であれ、ゲームであれ。人々は新たな救世主の登場に歓喜した。それはあまりに見事な浸透戦術だった。 年が明けて新たなニュースが報じられた時、さすがに人々はフェイクだと思った。『以降クリスマスは月イチに拡張される』───その宣言通り、1月25日はクリスマスになった。地球人類は熱
「潮見ちゃん、こっちこっち」 マスク姿の検死官が、ブルーシートの合間から手を振っている。 ホトケは濡れたタブレットに突っ伏していた。最近、ネットの最中に死ぬ者が増えている。拙僧は合掌して現場検証に加わり、アスファルト上の被害者をあらためた。 「これ見て、潮見ちゃん」 検死官がホトケの下半身を指差した。 「脚のうっ血がひどいし長時間座ってたんだろうね。あと存命中に失禁」 「またか」 拙僧は死体の隣でZAZENを組んだ。 「ハラギャティボジソワカ」 念仏を唱えながら
1868年1月26日、土方歳三率いる新選組は伏見奉行所脇に布陣した。 翌日、徳川本隊八千が大坂より鳥羽街道を北上する予定だ。『君側の奸を除くべし』としたためての直訴軍。新選組は本隊の右翼として、支援前進の手はずである。 「おう斎藤、彦根藩の高台陣地は準備万端か」 「はい副長。前面の薩長軍に対し、我らと十字砲火を張る構えです」 「ならいい。今度こそ、連中の勝手にはさせねえ」 土方の気持ちが、斎藤には痛いほど分かる。 先の長州征伐、徳川の永代先鋒彦根藩は英ミニエー銃の
体が動かない。だがこれは夢だとはっきり感じる。明晰夢だ。 暗い顔をした男がヨロヨロ近づいてきて、俺の隣に横たわる。どんよりした表情。猜疑心、頭痛、SHIT、そして痙攣。多分、不眠からの薬物過剰。 目の前で繰り返される永久の別れ───金縛りの1割は霊障。 そんな話、俺に言わせれば冗談にもならない。ここじゃ毎晩、無念を抱いて死ぬ男と添い寝だ。進退きわまった憤りだけが伝わってくる。 俺にしてやれる事なんて何もない。そう言い訳するや不意に男の姿が消えた。俺は目が覚めていた。ベッド