元カノがメンブレしてるらしくマネージャーにスカウトされました 13
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カノマネ13話
菅原さんの記念すべき18歳のお誕生日を
完全にスルーしてしまった俺
菅原さんは5期生達に囲まれて
弾けるような笑顔を見せている
ここからどうやって挽回しよう……
このままでは、1ヶ月弱で築き上げてきた俺たちの信頼関係が崩れ落ちてしまうだろう。
順調に進んで来たと思っていたが、
凡ミス1つでピンチに早変わりするとは
○○:誕生日ちゃんと覚えとくんだったな……。
アルノ:おはようございます○○さん。
○○:あぁ。中西さんおはようございます
先程まで5期生の輪に加わっていたはずの
中西さんが気づいたら目の前に
アルノ:悩み事ですか?
○○:い、いえ。そういう訳では
アルノ:さては、咲月の誕生日忘れてたんでしょ?
○○:うっ。なんでそれを
アルノ:ふふっ。やっぱり
超能力でも持っているのだろうか?
たまに心を読んできている気がする
○○:なんで分かったんですか?
アルノ:いつも○○さんばっかり見てる咲月が今日は全く見向きもしてないので
○○:はぁ。やっぱり怒ってるよな〜
アルノ:それに、○○さんって女の子の誕生日とか覚えそうなタイプじゃないですもん。
○○:ぐさっ。
アルノ:女心もあんまり分かってなさそうですし
○○:そ、それぐらいで勘弁してください
アルノ:心配しなくても、ちゃんと謝ったら許してくれますよ。
○○:え?
アルノ:咲月はすごく優しい子なので。
アルノ:○○さんが心を込めて謝ったら必ず許してくれます
○○:そうですかね……?
アルノ:私が保証しますよ
アルノ:良い1日にしてあげてくださいね。
アルノ:咲月も○○さんにお祝いしてもらいたいでしょうから。
中西さんはそれだけ言い残すと
5期生の輪の中に戻って行った。
今日の収録は午前中には終わるはず。
中西さんの言葉を信じて
帰りに菅原さんを送る時、素直に謝ろう
─────────────
『今日の収録は終わりです。お疲れ様でした』
予定通り午前中で収録は終了
いろは:咲月良い1日にするんだよ!ゆっくり休んでね〜!
茉央:今度絶対お祝いさせてな〜
咲月:うんっ!2人ともありがとう!
他の5期生達は各々仕事やレッスンがあるらしく、気がついたら楽屋には菅原さんと俺の2人だけに
誕生日の菅原さんは午後からオフ
○○:じゃ、じゃあ帰りましょうか。
咲月:……はい。
駐車場に着くまで
お互い口を開くことはなかった。
・・・
車に乗り込むと
定位置の助手席に乗り込んできた菅原さん
てっきり後部座席に座ると思っていた。
中西さんの言う通り、
挽回するチャンスはありそう。
○○:菅原さんごめんなさい。
咲月:・・・
○○:せっかくの18歳のお誕生日なのに
咲月:……気にしないでください。
咲月:○○さん、入ったばかりで他に覚えないといけないことがありましたもんね。
○○:菅原さんのお誕生日も大事な事ですし……
咲月:そんな申し訳なさそうにしないでください。
咲月:素直に謝ってくれたので、もう気にしてませんよ?
○○:で、でも
咲月:じゃあ、来年の誕生日期待してますね?
○○:……はい。わかりました。
咲月:ふふっ。楽しみだな〜
なんとかいつも通りの
笑顔を取り戻してくれた菅原さん
この先どうなる事かと思ったが、心優しい子で良かった。
今後は菅原さんを傷つけるようなミスがないようにしないとな。
咲月:で、でも。○○さんにお祝いして貰うの楽しみにしてたんですからね
○○:そ、そうなんですか……。
咲月:拗ねて無視しちゃっててごめんなさい
○○:そ、それは忘れてた俺に責任が……。
咲月:もうこの話は終わりにしますね?気にしてませんから。
○○:菅原さんがそう言うなら……。
咲月:でも、誕生日らしいこと何にも出来なかったな〜。今日みんな忙しそうだったし
○○:そうだ。今からお祝いしましょう。
咲月:えっ。
○○:俺に出来ることならなんでもさせてください!せっかくのお誕生日当日なので
咲月:何でもですか?
○○:はい。なんだったら、どこか寄り道してから帰ります?
咲月:えーーっと。じゃあ……
咲月:────私のお家に来てくれませんか?
○○:えっ?
咲月:何でも言う事聞いてくれるって言いましたよね?
○○:そ、それははい。
咲月:外だと週刊誌の目も怖いので。
○○:それはそうですけど。流石に家はまずいような……。
咲月:・・・
無言の圧力
○○:わ、分かりました。
咲月:やったっ!
咲月:お部屋の掃除したいので、少し待って貰ってもいいですか?
○○:は、はい。その間にコンビニ行ってお菓子とか飲み物買ってきますね?
咲月:お願いしますっ!
○○:じゃ、じゃあまた後で
咲月:掃除終わったら連絡しますね?
……女の子の家上がるの初なんだよな。
誕生日を忘れるという最大のピンチを乗り越えたと思ったら、ある意味それ以上のピンチが待ち構えていた○○でした。
〜つづく〜
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