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「デザイン」とは

「デザインとは何ですか?」

と聞かれたら、あなたは何と答えますか?

「センスの良い人が、カッコいい物を作る作業」
「私にはセンスが無いから、デザインのことはよく分かりません」

なんて答えるのではないでしょうか?

私も「デザイン」について深く考えたことがない時期は、上記のようなものだとずっと思っていました。


10年くらい前になりますが、会社に通勤する時に聞いていたPodcastで、ためになる色んな本を紹介してくれる番組があり、その日は「デザイン」について書いてある本の紹介をされており、その中で、

「デザインとはつなぐ作業である」

みたいな事を話されました。

聞いた瞬間「ん?」と理解が追いつかない感覚に陥りましたが、
じわーっと「そうだそうだ!」って共感したことを今でも覚えています。

私は新卒から10年ちょっとの間、印刷会社に勤めていましたが、その当時いろんな印刷物を「デザイン」してきました。それは、クライアントからもらった原稿を、上手に、センスよくまとめて紙面を作る作業かと思っていましたが、そうでは無いのです。

チラシを作る作業を考えてみよう。

作業としては、用意された原稿を、希望されたサイズの紙面に絵を作る作業なのですが、その作られた紙面は印刷物となり、掲示板に貼られたり、手渡しで配られたりして、内容に興味のある人の目に触れ、その情報が記憶に残り、イベントにお出かけしたり、商品を購入したりします。
そういった一連の行動を発生させるためのモノを作る作業なのです。

つまり、「情報を伝えたい人」がいて、「その情報を欲する人」がいて、その人たちを印刷物がつないでいるんです。
そこで、その情報がうまく伝わるように、情報を欲する人が興味をもってくれるように文字や写真の配置を考えたり、書体を検討してみたり、背景の色を考えたり、、と「いかにして両者をつなぐか?」を組み立てていく作業が「デザイン」なのです。

印刷物を作るような「グラフィックデザイン」だけでなく、「デザイン」には
・プロダクトデザイン
・ファッションデザイン
・インテリアデザイン
・地域デザイン
などなど、様々な「デザイン」がありますが、全て「つなぐ」作業なのです。

「プロダクトデザイン」は、とある製品を作る際に、それを使う人が使いやすい形状やサイズを考え、ボタンが押しやすい形状や位置になるように試行錯誤し、使うときに心地よく感じたりテンションが上がるような色や装飾を検討したりして、「製品とユーザーをつなぐ」作業。

「ファッションデザイン」は、若干アートよりな要素も含みますが、「着衣とそれを着る人をつなぐ」ために、色や形状、素材などを考えて形づくる作業。

「インテリアデザイン」は、「その空間とそこにいる人をつなぐ」ために、利用するであろう人が居心地がよい装飾や色や配置を検討し、使いやすい形状を考える作業。

「地域デザイン」は、「地域と、そこで暮らしたり働いたりする人たちをつなぐ」ために、地域を利用する人たちが住みよく働きやすいように、住宅や商業施設、役所などの配置を検討し、エネルギーや交通などのインフラを検討していく作業。

改めて、

「デザイン」は「つなぐ」作業なのである!

自分がデザインしたものが、ユーザにどうやったら伝わるかを考えて、形づくる作業は、一般的にデザインする時に必要と思われている「センス」よりも「いかにユーザを知っているか?」がとても大事だと思うし、デザインする作業はラブレターを書く作業(古いですね。。^_^;)にも通じるところがある。相手の事を想い、相手が喜ぶようなワードをチョイスし、相手が喜ぶようなデートのプランを提案し、相手が喜ぶ姿のためにいろんな要素を手紙の中に組み立てていく。

デザインは「愛」と言い換えてもいいかもですね!笑

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