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ビザなしで渡航可能・インドOCIの取得方法(日本で申請) 01

2018年にインド人の夫アンキットと結婚した日本人妻はづきです。ついに…2022年6月にインドOCIの申請が完了しました!OCIカードが手元に届くまではもうしばらく時間がかかると思いますが、私も晴れてインドOCIホルダーになる予定です!

そこで、日本在住の私が実際に経験したOCIの手続き方法についてまとめていきます。私が調べてみて、海外でのOCI申請方法を紹介したブログはいくつか発見したのですが、日本での申請に関する情報はほとんど見つかりませんでした。細かいところも記載していくと長文になりそうなので、2回に分けてnoteに書く予定です。今回も全て自分たちで申請手続きを行いました。いつものことながら国際結婚すると手続きは面倒なことが多いけど、OCIは結婚手続きと比べたら全然!という感じでした笑。

▼インド人との結婚手続きについては、こちらに詳しくまとめていますのでご覧ください。


最初にお伝えしておくと、日本人(日本国籍の保有者)は誰でもOCIを取得できる訳ではありません。OCIの取得権があるのは、インド人(インド国籍の保有者)の配偶者がいる、または自分の親・祖父母・曽祖父母のいずれかがインド人であることが条件です。
日本ではOCIと聞いてもあまりピンとこない人も多いと思いますが(私も結婚前はそうだった)、取得するとメリットがたくさんある最強のカードなので、特に私たちと同じ日印夫婦の方々にはぜひ知っておいてもらいたいと思います!


※このnoteに記載している内容の無断転載や一部抜粋はご遠慮ください。


OCIとは

OCIとは、海外インド市民権【Overseas Citizen of India】の略です。OCIを取得するとOCIカードが発行されます。市民権と名前がついていますが、インド市民権(Citizenship)とは少し違います。

インド国民(市民権保有者)と違う点

・選挙権がない
・被選挙権がない
・公務員には就職できない(政府の仕事はできない)
・農地やプランテーションを購入する、投資する権利がない

主に上記の4点だけはインド国籍の人と違う点ですが、それ以外は同等の権利があります。例えば、日本からインドに行く場合もビザなしで渡航可能、そして長期で滞在することができます!他にも権利やメリットがたくさんあるので、次で詳しく紹介します。

国籍はどうなるの?

メリットがたくさんあるならOCIを取りたいけど、自分が現在もっている日本国籍はどうなるのか気になりますよね。OCIを取得するのに、国籍の変更は必要ありません。日本国籍のままでインドOCIを保有することができます。

インド人と結婚した人がOCIを申請する場合の注意点

日印夫婦でも知らない人が多いのですが、インドOCIは結婚後2年以上が経っていなければ申請できません。勘違いしている人もいますが、インドでの婚姻手続きが完了してからの期間が2年以上(正確には結婚証明書の日付から2年)です!日本の役所での婚姻手続きが完了しただけでは、OCIの申請はできませんのでご注意ください。
今まで数人の方から相談の連絡をもらったことがありますが、日本在住だと日本側の婚姻手続きしかしていないご夫婦もいらっしゃるようです。しかしインド側の婚姻手続きをしていないと、インドでは正式に婚姻が成立しておらず夫婦としては認められません。OCIを申請できないだけでなく、日本で配偶者ビザ(Spouse visa)の取得もできません。今までは就労ビザで日本にいたけれど、配偶者ビザに切り替えたいという時もできません。また、インドに滞在するときも正式な家族として認められないため、地域によっては宿泊施設で結婚証明書の提示を求められたりするケースもあるそうです。(未婚の男女の宿泊を許可していない所もある) そして、子供が産まれたら子供の国籍の問題にも影響してきます。
上記のようなことになってから気づいても遅いので、インドでの結婚手続きはできるだけ早く完了しておくことをおすすめします!私たちに相談してきた方々は、日印両国での婚姻手続きの必要性に気づいておらず、配偶者ビザを申請しようという状況になってから困ってしまったという人が多かったです。できれば結婚するときに日本とインドどちらも手続きを済ませておくのがベストだと思います。

子どももOCIを申請できる?

18才未満の子どももOCIの申請をすることはできます。当初は私も1才半の娘と一緒に申請するつもりでした。しかし、OCIの申請にはパスポートNoが必要で、パスポートが更新になる度にOCIも更新しなくてはならないことを知り、今回は私だけにすることにしました。娘は日本国籍で、日本での子どものパスポート有効期限は5年間(18才未満は子ども用パスポート)です。私は10年のパスポートを持っているので更新までまだ期間がありますが、5年でまた更新手続きとなると面倒ですし、使っていない期間はもったいないので、実際にインドに行く予定が決まってから娘のパスポートとOCIを取得することにしました。あと、実は今第2子を妊娠中で今夏に出産予定なのですが、子どもが2人なら2人とも同時期に手続きをしたいなと思いました。2人バラバラの時期にOCIを取得すると更新頻度が上がるので、まとめて申請しようと考えています。大人で10年のパスポートを持っている方でもパスポート期限が迫っている場合は、まずパスポートを更新してからOCI申請をした方が良さそうです。何度もOCI更新するのは大変だと思うので…

日印夫婦が直面する子どもの国籍問題

これは余談ですが、娘が生まれた時に国籍をどうするか夫婦で話し合ったときも、日本国籍にしたのはインドはOCIが取得できるからというのが大きな理由のひとつです。日印夫婦の子どもであっても、日本で出産したら子どもは基本的には日本国籍しか取得できません。もし父親側のインド国籍を取得する場合には、手続きをすれば可能ですが日本国籍がなくなります。日印両国の国籍を取得すること(二重国籍・多重国籍)はできません。海外だと多重国籍がOKとされている国もありますが、日本とインドの場合は二重国籍は認められておらず、1カ国しか選択できないのです。昔は成人するまでは二重国籍にできて成人するときに選べたらしいのですが、念のためインド大使館に問い合わせたところ、色々な問題や悪質な事件があって?現在では二重国籍は認めていないとのこと。私たちは妊娠してから知って残念だったのですが、インドにはOCIがあってよかったです!OCIがあれば、日本国籍を変えずにインド人とほぼ変わらない権利が与えられます。私たちと一緒に子どもたちもインドに行く機会は多くなると思いますので、来年あたりには子どもたちのOCIも取得したいなと考えています。
うちは夫だけがインド国籍で、私と子どもたちは日本国籍なのですが、毎回海外に行く度に夫は「日本のパスポートはいいよなぁ」と嘆いています。実は日本のパスポートは世界最強!日本のパスポートを持っていれば、ビザ不要で渡航できる国がなんと世界一多い192カ国!ちなみにインドは83位で60カ国。(2022年の最新ランキング) インドのパスポートと比べると日本のパスポートは3倍以上もビザなしで行ける国が多いのです。日本人の中でも知らない人はいると思うのですが、実はすごく恵まれているんですよね。うちのインド人夫は毎回海外に行く度にビザ申請が必要となり、手続きに追われてボヤいています…日本のパスポートが欲しいなぁと言ってますね。でも、もしも夫が日本国籍を取得(帰化)したら私もインドOCIを失うことになるので、今のところ夫はインド国籍のままでいるつもりです。ちょっと不憫に感じることもあるけど、夫はビザマスターかというくらいにいろんな手続きやビザ申請をしてきたので、今後も大丈夫だろうと思っています。ちなみに、夫が日本国籍になった後でもインドOCIを取得すれば、私もインドOCIを取得できるようです。詳しくはOnline OCI Servicesのサイトの右下「Proceed」を押すと出てくるInstructions For Filling Application Formに書いています↓

Online OCI Servicesのサイトより


そして、またまた余談ですが、インドで暮らす日印夫婦の方と子どもの国籍について話した時に、インドでの実状を教えてもらいました。(シェア許可済)
インド在住ですがお子さんは2人とも日本国籍にされたそう。理由は、緊急事態の時に日本に帰国したいと思っても子どもたちの日本ビザをすぐに取るのは大変だと考えたから。でも、日本国籍だとインドでちょっとお高めのIBなどの学校では外国人プライスになってしまうとか。ローカルの学校に行っていれば関係ないようなのですが、日本国籍だと一長一短もあると仰っていました。その方の子どもたちはインドOCIをまだ取得しておらず、5年ビザだそうです。インドに住んでいる日本国籍の人は外国人登録が必要になるのですが、その外国人登録の手続きはものすごく面倒なんだとか。しかし、子どもたちはインド人の子どもなので外国人登録は免除されるそうです。OCIの登録料は高価だから、子供のビザが切れるタイミングでOCIにしようかなと考えていると話していました。ちなみに、インド国内に住んでいる日印夫婦の子どもでインド国籍の人も何人かいるよと仰っていました。
日本在住でもインド在住でも、日印ファミリーは子どもの国籍をどうするか色々と考えてしまいますね。子どもの進学や就職も見据えて考えるのですが、将来はどうなるのか予測不能なことが多いので難しいなと感じています。

OCI取得のメリット

インドOCIを取得したら何が良いの?どう便利になるの?と気になりますよね。私もOCIについては夫に教えてもらうまで何も知りませんでした。実はいろんな権利が与えられるので知れば知るほど欲しくなりますよ笑。

1. ビザなしでインドに渡航可能・長期滞在できる

日本人(日本国籍の保有者)がインドに行く場合は、観光や仕事などの目的は関係なく、必ずビザが必要になります。近年はオンライン申請も可能になってe-Visaも取得できるようになりましたが、毎回の手続きはやはり面倒です。私も現在5年の観光ビザ(e-Tourist Visa)を保有していますが、OCIを一度取得すればビザの取得をしなくてもインドに入国できます。そして滞在日数の期限はないので、長期滞在が可能です。ビザを取得するためには最短でも数日はかかりますが、OCIカードがあれば面倒な手続きもコストも不要ですぐにインドに渡航可能!インドに行く時にビザの準備や手続きをする手間がなくなります。
ちなみに、ビザ・オン・アライバル制度(Visa on arrival)は2022年5月12日現在停止中だそうです。※ビザに関して詳しくは外務省の案内を確認してください。
また、以前の観光ビザでは滞在期間は最長180日間でしたが、上記の外務省の案内を見ると「査証の期間:入国日から数えて滞在期間60日(付与される滞在期間内で1回の再入国が可能。期限の延長は不可)。暦年で2回の申請が可能。」と書いてあるので、現在は最長でも60日間になっていると思われます。また、年間で2回しか入国できないようです。しかし、OCIカードを持っていれば滞在期間や入国回数の制限はありません。また、長期滞在の際にもOCIがあれば外国人登録は不要になるので、格段に滞在がしやすくなります。
うちは子どもが産まれるまでは毎年インド帰省をしていましたが、ここ2年半はインドに行けていません。第2子出産後は子連れインド渡航をする予定です。まだ未定ですが、2人目が産まれて半年以上経ったらインドに行こうかなと話しているところです。その時に子どもたちもOCIを取得するか、一旦は観光ビザにするかは分かりませんが、一度OCIの取得経験があれば二度目以降は勝手が分かってスムーズに手続きができるかなと考えています。

2.インドで就労可能

OCIを取得していれば就労ビザがなくても仕事ができます。会社員やパートタイマーとして働いたり、現地で起業することもできるそうです。もちろん納税義務もありますが。インドで仕事をするというのは私にとっては未知の世界ですが、もしそういう機会があればチャレンジしてみたいと思っています。

3.インドの不動産を購入可能

上記の通りインドでの農地の購入や投資はできませんが、家や土地などの不動産を購入することができます。家を買ったら私の名義にもできます。私はまだ実際に経験したことはありませんが、インドで家を建てるのもいいねと夫と話しています。現在私たちが住んでいる東京では、ファミリータイプのマンションや一戸建てを購入するとなったら数千万円はかかりますが(場所によっては億…)、インドだったら数千万円あればかなり豪華な家を建てることができます。田舎に行けば広大な土地も手に入るはず…!
しかも、インドでは家を購入すると年々価値が上がっていくそうです。国全体で経済成長が著しいので、家を買った時より何倍も高く売れるのだとか!そのためインド人は不動産を大切な資産として考えており、資産運用の一環として家を買う人も多いそうです。日本の高度経済成長期みたいですね。今の日本では考えられませんが、これなら家を購入しても買い手が見つかるかという不安は少なくなりそうです。ちなみに、住宅ローンは日本と比べて高いので家を購入するなら現金購入が良さそうです。まだ何も決まっていませんが、そういう妄想をするのは楽しいです笑。
そういえば、私たちが結婚したばかりのときにインド人夫が日本で家を買おうよ〜と軽く言ってきたので、日本の不動産事情と厳しい現実を伝えたところ、夫は驚愕していました。インドでは住宅を購入したら値上がりするのが当たり前だから、日本の空き家問題や住宅ローン地獄なんて想像できなかったんでしょうね…日印夫婦の価値観の違いはこんなところにも現れます。苦笑

4.インドで銀行口座を開設可能

私の名義でインドの銀行口座を開設することができます。銀行のプランにもよりますが夫婦2人の共同名義にもすることもできるようです。そして日本人の常識だと驚いてしまうのですが、インドで銀行口座を開設して預金すると、なんと金利は6〜8%だとか!(銀行やプランによっても異なります)
もし100万円を銀行に預けていたら年6〜8万円増えていく計算になります。低金利の日本で預金していても金利は微々たるもの…手数料の方が高いです涙。こんなに差があるならインドで預金したくなりますよね。インドの大富豪は金利だけで暮らしている人もいるのだとか。たしかに日本も昔はそんな時代もあったみたいですが。しかも、円安が進む現在では、資産を円で保有していると価値がどんどん低くなってしまいます。今後はもしかしたら回復するかもしれませんが、その保証はありません。リスク分散のために、例えば円・インドルピー・米ドルで資産を分割して保有するのもいいのかもしれません。ただし、鵜呑みにして資産全部をインドルピーにするのはおすすめしません!なぜなら、インドは法律で自国通貨インドルピーの国外持ち出しを禁止しているからです。旅行でインドに行ったときも、出国する際に10000ルピー以上は他国に持ち出しを法律で禁止しています。日本でインドルピーを円に両替できるところもありません。なので、インドルピーを現金で持ち出すことはおろか、基本的には海外送金もできません。ということは、インドでずっと生活するなら良いかもしれないけれど、もし日本や他国で暮らしていて預金しているインドルピーを円やドルなどの通貨に換金したくなったら、かなり難しい状況になってしまいます。あとは、為替の問題もありますし、インドはいきなり法律が変わったりもしますので(2016年にはいきなり高額紙幣廃止もありました)、ずっとインドで暮らしていく訳ではないのにインドルピーを大量に保有することはリスクにもなります。
ただ、OCIを持っていると選択肢が格段に広がります。日本で預金するのもインドで預金するのも自分たちで選べるのはありがたいことです。日本の保険は利率が低いので、色々と計算をしてみて我が家は途中で解約した年金保険もありますし、子どもの学資保険も検討はしたものの契約はしませんでした。解約のときに保険会社の営業の方になぜなのか何度も聞かれて、インドの金利の話をしたらスッと相手が引いて納得していました。こんな高金利で預けられるなら、もうぐうの音も出ないですよね。今話題になっている積立Nisaなども一応知ってはいますが、数十年後に戻ってくる金額を計算してみてもやっぱり契約する気にはならず、日本の保険やプランは基本的にスルーしています。うちのインド人夫はかなり金融の知識やリテラシーが高いので、我が家の財務担当は夫です。独身時代から何もお金のことを知らなかった自分からすると、結婚してから色々と知ることができてお金に対する考え方もだいぶ変わりました。30代になって本格的に資産運用を考える時期になっているので、これから夫婦で準備をしていく予定です。

5.公営施設の使用料や入場料はインド国民と同等

国立公園・野生動物保護区・国定指定物・史跡・美術館などの入場料はインド国民と同じ値段になります。そういえば、一度インドでサファリツアーに行った時、私だけ料金がめちゃくちゃ高かったのを思い出しました。インド人夫と夫の母800ルピーだったのに対し、私と私の実父は6000ルピーでした!これは外国人料金なので高かったのですが、次もしどこかに行くときはインド人と同じ料金で入場できそうです。(タージマハルもそうみたい)これはちょっとうれしいですね。

2024年2月〜3月にインドに滞在したときは、初めてタージマハルに行きました!そのときにやっとOCIを使ったのでご報告。タージマハルの入場料は外国人だと1100ルピー。私はOCIを持参したのでインド人と同じ値段になって50ルピーでした!外国人料金はなんと22倍!高い!
OCIを持っている人はタージマハルに行くときには忘れずに持って行ってくださいね。

次回は申請方法の詳細をまとめます

やはり長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。今回はOCIとは何か、そしてOCI取得のメリットをまとめました。
次回はインドOCIの申請方法をまとめます。できるだけ分かりやすい内容にして、誰でも自分で手続きができるようにしたいと思っています。次回のnoteは無事に私の申請が通って、OCIカードが手元に届いたら記事を公開しようと考えています。万が一、通らなかったらこの方法が合っているのか自信がなくなるので…!私の出産までに申請方法を書き溜めておいて、後で一気に公開できるよう準備しておきます。数ヶ月後になると思いますが、お待ちいただけるとうれしいです。

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それではまた〜!

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