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解雇規制見直しについて

自民党総裁選の争点の一つとしての解雇規制見直しについて、お話をしたいと思います。
現状の問題は何なのか、そしてそれを改善策その一つとして金銭解決制度が上げられるのではないかというお話をしたいと思います。

自民党総裁選が大変盛り上がっておりまして、解雇規制見直しが争点の一つになりつつあるのかなと思います。
これは小泉進次郎さんが、まず言われたんじゃないかなと思います。
もちろん河野太郎さんも仰っておられます。
解雇規制の緩和という方向なのかと思われますが、それに対して高市早苗さんが「日本の解雇規制は厳しくないのでそれは反対だ」ということを仰られておられました。

小泉進次郎さんがこの件に関してお話しされたのが原因かどうかわかんないですけど、ただ原因の一つだと思うんですけれど、小泉進次郎さんの支持率が少し高市さんに逆転されたという話もあります。
まだ選挙戦が長くまだありますので、今後の動きを注視したいと思います。

私の考えとしては繰り返しになっていますが、とにかく総裁選を通じて自分自身も勉強したいと思いますし、多くの方が政策についての理解を深めるいい機会だと思いますので、そうなればいいなと考えています。
もちろん誰が当選するか・誰が総裁になるか総理になるかというのは非常に重要でありますが、私の優先度としては政策理解というのが進めばいいなということです。

今回は金銭解決制度ということなんですけど、これは原英史さんであったり髙橋洋一さんもおそらくそうなんじゃないかなと思いますけど、制度・規制改革学会での提言をあげたいと思います。
髙橋洋一さんは夕刊フジの記事にもされておられましたので、そういったことをお話しできればと思います。

まずTwitterを紹介させてもらいたいと思います。

人材バンクってところが出されたんですけれど、中央大学の教授の江口匡太さんが評論を書いておられたのかな。
「日本の解雇規制は多くのヨーロッパ諸国に比べれば厳しくない」ということで、それについてお話をされておられました。

この先の話として基礎知識と言っていいのかな。
労働契約法16条というのがあります。
法律の条文だと解雇規制に関するものは、法律の条文はこれだけなのかなと思いました。
政令とか他に色々とあるのかと思いますが。
あと裁判の積み重ねによって、日本においては整理解雇4条件というのができてきたということです。
これは先ほどのツイートにもコメントリプを寄せくださった方も書いていただきました。
どうもありがとうございます。

人事バンクの江口匡太教授の書かれたところを少しだけ見ておきましょう。

客観的に見て、解雇規制が厳しいという根拠がないからです。

たとえば、解雇規制に関わる労働契約法の第16条の条文では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」となっています。

法律の条文なので堅苦しい印象があり、解雇は簡単にはできないと捉えてしまうかもしれません。しかし「社会通念上、正当な理由があれば解雇はできる」と捉えることもできます。

法律の解雇規制の条文としては、これぐらいなのかなということが、私としてはそんな感じはしました。
ただ判例の積み重ねで解雇規制の整理解雇4条件というのがあるということです。


夕刊フジの記事で髙橋洋一さんが仰られていたので、わかりやすいと思ったので今回紹介させてもらいます。
後ほど紹介する制度・規制改革学会の提言にも、日本においては解雇のルールが明確でない、そこが問題なのだと言われておりましたので、高橋さんも同じように仰っておられます。

自民党総裁選に出馬表明した河野太郎デジタル相や小泉進次郎元環境相が、解雇規制の緩和について言及した。

これまで経済界は、「解雇規制を合理化・明確化する一環としての再就職支援金」を提案していた。これに対して、安倍晋三政権では「金銭によって解決をしていく、解雇を自由化していく考えはない」という国会答弁がされている。

ここでの「解雇規制」とは、裁判例によって確立されたとする整理解雇に関する4条件(①人員整理の必要性②解雇回避努力義務の履行③被解雇者選定の合理性④手続の妥当性)である。整理解雇はこの要件にすべて適合しないと無効(不当解雇)とされている。

産業界は「本音」として、従業員の〝首切り〟を容易にしたいのだろう。「日本の雇用制度が世界と比べて厳しく国際競争力で負けてしまう」という建前で、「規制緩和」と言う。しかし、労働者側は賛成していない。

なお、経済協力開発機構(OECD)の雇用保護指標でみると、日本は、米国や英国などアングロサクソン諸国より高く、イタリア、ドイツ、フランスを含む大陸欧州諸国や北欧諸国より低い。全体の中では中位よりやや雇用保護が緩く、産業界が言うほどには厳しくないのが実情だ。

実態として、リストラという名目で事実上の解雇が進んでおり、こうした現実をみると、「解雇規制緩和」ではなく、「解雇規制の明確化」が必要であろう。

というのは、そもそも中小企業では「解雇整理」は日常茶飯事だ。大企業では、裁判になったらまずいので、解雇ではなく「自己都合退職」としてあらゆることが行われている。一時、マスコミで話題になった「追い出し部屋」といわれる部署は退職勧奨のために存在している。これは、どの企業でも似たり寄ったりだ。企業が裁判を避けるのは社会的イメージもあるが、原状復帰で復職となれば企業が対応しにくいという面もある。

筆者は官僚時代に管理職として人事を手がけたことがある。地方勤務の税務署長時代には、地元のしがらみがないという理由で積年の問題だった解雇を行ったこともある。逆に、官邸で退職するときには、身分は官邸職員のまま内閣府研究所にある、いわゆる「追い出し部屋」に入れられたこともある。官民どちらでも、自己都合退職に仕向けていくのは人事担当者にとっても、実際に退職させられる者にとっても不幸なことだ。

こうした実態を考えると、もう少し使用者と雇用者の双方にとって望ましく、不利にならないような解雇規制の明確化が必要だ。

さらに、中央銀行に「雇用の最大化」という責務を持たせないまま、解雇規制の緩和だけを進めるのは企業サイドに偏りすぎている。欧米で解雇規制が緩いといっても、実際にはそれほどでもなく、中央銀行による雇用の責務があることに言及しないのはまずい。

そして、インフレ目標の範囲内なのに「金利正常化」を主張するのは、さらに雇用を悪化させるだけだ。

最後は中央銀行の問題で、日銀は失業率などの指標は目標にはしていないと私は認識をしています。


制度・規制改革学会が自民党総裁候補・立憲民主党代表候補の公約比較票を作成しました。

https://drive.google.com/file/d/1RBjpp7FbZj7JtiyFzUj5rzmeKkD-txDF/view

また「解雇の金銭解決制度は労使双方にとっての利益」との提言を挙げておられました。

https://drive.google.com/file/d/1PFotmsltudP4jiLkym6Xti8HOlBNtnvB/view

私も立憲民主党さんの代表選はそこまで詳しく追っていないんですけれど、ただ解雇規制の云々という話であれば、立憲民主党こそ、その支持母体を考えるとリードをしていってほしいところだと思うんです。
立憲民主党の代表選の候補者の方は、このあたりの解雇規制に関する議論というのは何かあまり聞かないなという感じはします。
なぜか自民党がリードしているような感じはします。


「解雇の金銭解決制度は労使双方にとっての利益」の下線が引っ張ってあるところだけ読んでいきます。

解雇の金銭解決制度は労使双方にとっての利益

ドイツ等の欧州諸国での様々な形態の解雇の金銭解決制度を、日本にも速やかに導入すべきである。
しかし、解雇のルールが明確でないため、不公正な労働市場が生まれている。

解雇の際の補償金の水準が十分に高ければ、むしろ企業に対して解雇を抑制する効果もある。

民事裁判でも、個々の労働者の月収や勤続年数等に比例した解雇補償金額の水準を、予め公的に定めることができれば、労働者と企業の双方にとって、解雇紛争解決についての予見可能性を高め、その円滑な解決と紛争の事前防止に役立てられる。

個別解雇紛争についても、明確な金銭補償の水準が定められれば、とくにわずかの補償金しか得られない、多くの労働者にとっては大きな利益となろう。

現状は解雇のルールが明確化されていないので、その明確化する一つとして金銭解決制度の導入というのは、私は見ている限り、それなりにわかりやすいかなと思いました。


X上でも少し調べるところ、なかなか興味深い意見がありましたので、少し紹介したいと思います。

新田龍さんという方で、ご自身で「自称クビの専門家です」と仰られて、冒頭の文が面白いです。
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役ということで本当に専門家って感じです。

最後のところが興味深かったので紹介したいと思います。

解雇の金銭解決制度を導入できれば、そこで要する余計な時間と弁護士費用と肉体的&精神的エネルギーを全部省略してサッサと「解決金」に変えることができるので、実は労働者側にも企業側にもメリットのある制度なんですよね。
不当解雇裁判が減って食えなくなる一部の弁護士さんとかは大反対すると思いますけど。

ここはすごい皮肉混じってますけど、すごい面白いなと思いました。
確かに弁護士さんの方が対意見をこの方に出しておられました。

私も実情を理解しているわけではないので、皆さんからご意見などいただけたらと思います。


小泉進次郎さんは金銭解雇っていうことまでは言われてないらしいです。
だから叩かれてるか支持で下がってるんじゃないかなと思うんですけど。
それを裏付けるようなポストを見ました。

さらに元読売の新田哲史さんです。
金銭解雇を出さない進次郎さんには批判的な見解です。

現状の問題としては、ルールが明確でなくて、そうであるがゆえに、やっぱり裁判とかトラブルになりやすいというのは、なんとなく理解できたような気がします。
私なりに色々と情報を追ってみて整理をしてみました。
夕刊フジの髙橋洋一さんの記事と、あとは制度・規制改革学会の提言書を紹介させていただきました。
自分としては少し整理されたような気がしますので、今後の自民党総裁選の議論の行方、そしてもちろん立憲民主党の代表選の方でもこの話題が出るのかみたいなところは注目していきたいと思います。
皆さんからのご意見なども是非いただけたらと思います。

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