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万博予算いくら必要?

大阪万博に必要な予算を解説してみたいと思います。

この万博予算、当初思っていた以上の予算がかかって無駄なんじゃないのということが言われてきてますけれども、いろんな数字が出てきて果たしてどうなっているのかということで頭が混乱したので、一度今わかっている範囲で整理をしてみました。
よく言われるのは建設費です。
夢洲ってところに今も建設は進んでますけれども、この建設費が過去2回予定していたものよりも増えているんです。
最初に2018年の11月に大阪万博決まった時は1,250億円の建設費でした。
この建設費を国と大阪府・市と関西の財界と1対1対1、もっと正確に言うと国が3分の1、大阪府が6分の1、大阪市が6分の1、関西財界が3分の1で負担しましょうと始まったわけです。

今回急に上がったと言われているんですが、2回上がっていて、最初600億増えて(2020年12月)、今回500億増えて(2023年10月)、トータル最初の建設費から1,100億円増えています。
当初1,250億円が1,850億円になって2,350億円になってます。
国の負担も417億から617億、そして783億円になっているということなんです。

今回、物価が上がっている、資材価格が高騰している、そして人件費も高いから上がるのはしょうがないと言ってるんですが、実はこの物価の高騰で上がっているのは今回の2回目の値上げの500億円分のところなんです。
物価上昇分が527億円。
一方で工事の見直しによる削減もやっていて、削減が157億円で、予備費という工事費が2,220億円の6%に130億円を予備費で積んで、トータル約500億円を積みまして今回なっているんです。

最近木製の350億円のリングが無駄じゃないかとよく言われるんですが、私も調べてわかったんですが、この1回目の2020年12月に600億円増やした時に、そこに実は入っているんです。
ここを見てびっくりしたのは、大屋根です。
大屋根整備に雨避け日焼け機能、また来場者の主動線となる大屋根の設計変更。
これで170億円積んでるんですよ。
あと、例えば飲食とか物販事業者の参加を促進するためのレストランやフードコートの施設のために71億円。
ただ思ったのは、このレストランとかフードコートにその追加で71億かけるんじゃなくて、当初計画に入れとけよって話じゃないと思いませんか。
はっきり言って、これよくわからないです。

もう一つ面白いのは経済効果なんですけど、松井当時市長なんか今でも言ってると思いますけど、6兆円ぐらいの経済効果と言ってたんです。
6兆円というのは大屋根が無い時です。
無いというか、その設計変更前の時で6兆円あったのが、その大屋根を170億円で設計変更してやったら、なんと経済効果が1.1兆円にめちゃくちゃ減ってるという。
これわけがわからんと思いません?
今回、物価高騰と人件費高騰で増えたら今度は経済効果が2.4から2.8兆円に増えるという。
この経済効果も見てわかるんですけど、建設費も全然当たらないんだけど、経済効果もよくわからないです。
いずれにしても総建設費が2,350億円になりまして、そのうち国は少なくとも783億円を負担しなきゃいけない。
ただ大阪市の人大変ですよ。
だって3分の1の国民としての負担と、6分の1の府民としての負担と、6分の1の市民としての負担がありますから、実はこの負担のうち3分の2は大阪市民の人は負わなければいけないので、その意味では大変です。

これ以外に実は日本館の建設で360億かかります。
パビリオンで。
そして途上国支援BタイプCタイプを日本が作って提供するという、そういうことを中心に240億。
この240億というのは実は2020年12月の時点から言われていたので、それはあまり変わってないんです。
警備費が199億、約200億円かかります。
機運醸成って何かよく分かりませんが、うまく盛り上げていくので、38億円。
ということで、837億円、これは国が払わなきゃいけない。
この3分の1の建設費の783億円と837億円。
少なくとも国費としてはです約1,500億円ぐらいは払わなきゃいけませんし、総事業費で言えばこの2,350億と837億円とそしてあまり注目されてないんですが運営費っていうのが当初740億円かかると言われたのが、2020年の段階で809億円。
最新でどれくらいになっているか分かりませんが、少なくとも800億円ぐらいのお金がこれはかかるんです。
ただこれはチケット収入などで運営費を見ることになっているので、国民の負担がかからないです。
ただ来場者数が当初2,500万、今2,820万で見てますが、これ来なかったらチケット売れないので、でも運営費かかりますから、そうすると差額が出てきますので、これも事業費としては事業費でかかりますから、建設費に2,350億、そして運営費に800億かプラスアルファ、それに加えてパビリオン作って途上国支援して警備してウェブとか広告で雰囲気情勢、機運醸成ということで837億円となると、2,350足す809足す837億円で、この事業は3,996億円、少なくとも事業費としては4,000億円ぐらいはかかるということなんだと思います。

国費公費で見るもの、財界が見るもの、そして来た人にチケットで払ってもらうもの諸々の収入を入れて、少なくとも4,000億ぐらいかけます、という事業がそこで行われるってことです。
これもっと増えるんじゃないのかなと言われている中で、経済効果が2.4兆円。
ただ、気になるのは、事業の中身としてはこの2020年と変わってないんですよ。
そうすると経済効果はむしろ、(2020年12月発表の)1.1兆円に近いんじゃないかなと。
だってここは物価が上昇しただけですから、この変化は。
また4,000億かけて1.1兆円の経済効果なんで、なんていうかな。
波及効果は2倍3倍弱ぐらいの可能性が現実的かなという気がしますけど、皆さんはどう思うでしょうか。

メディアで報道されている数字だけ見てもよくわからないし、実際予算が増えたのは今回というよりも、2020年12月の時の600億の増加です。
1,250億から1,850億、でも経済効果がなぜか6兆から1兆に減るっていう検証をもっと本当はちゃんとした方がいいんじゃないのかなという気がしますし、あとはチケットが売れなかった時の800億円を超える運営費は果たして賄えるのかということもあり得ます。

私は万博はやればいいと思いますが、ただ当初言っていた経済効果とか、当初言っていたコスト、あるいは内容が大幅にずれてきていることは事実だと思いますので、やはりしっかりと検証して説明責任を果たしていく。
これは日本国民だけじゃなくて世界に対しても説明責任をきちっと果たしていくことが必要なんではないのかなというふうに思います。

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