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【最も誤診の多い内分泌疾患】犬の甲状腺機能低下症を徹底解説

  • なんだか最近体重が増えた気がするし、以前と比べて元気が無いな、老化のせい?

  • 皮膚がベタベタでところどころ脱毛してきた。これって皮膚病?

愛犬に対してこのように感じた場合、「甲状腺機能低下症」という疾患が疑われます。

高齢の犬に多く発症するホルモンの疾患で、甲状腺からの甲状腺ホルモン分泌量が低下することで、様々な症状を呈します。

診断さえできれば治療は簡単で、甲状腺ホルモンを補充するという、至ってシンプルな治療法です。

しかし、「診断が非常に難しい」のがこの疾患の特徴。
”最も誤診の多い内分泌疾患”と言われる所以を解説したいと思います。

このnoteでは、甲状腺機能低下症の病態や症状、診断方法、検査結果の解釈、治療と日常的な看護の仕方について細かく解説していこうと思います。

甲状腺機能低下症と診断を受けた犬の飼い主さん、「うちの犬、甲状腺機能低下症かも?」と疑っている飼い主さんに、参考にしていただけるかと思います。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺は、首の内側に左右1対存在する内分泌臓器(ホルモンを分泌する臓器)です。

甲状腺機能低下症とは、何らかの原因で甲状腺の機能が低下してしまい、甲状腺からの甲状腺ホルモンの分泌量が不足する疾患です。

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