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「お母さん、ここにいたのね。」

今日とても不思議な体験をして誰かに共有したくてたまらなかったのですが、なんせ誰かに話すと気まずくなってしまいそうな話だったのでここに記しておこうと思います。

今日、夜中に妹が鼻が詰まったというので顔のマッサージをしていました。

手元灯のみをつけた薄暗い部屋の中で、目をつむった妹の顔を見ていると不意に懐かしさが込み上げてきました。

「あ、これはお母さんの顔だ。」

私たちの母親は今から7年前に亡くなっています。しかし、幸せなことにその後ご縁に恵まれて、今は新しい家族と仲良く暮らしています。

母親の写真はあまり残っておらず、わたしも今ではぼんやりとしか顔を思い出せません。しかし今日薄明かりの中で見た妹の顔を見て、お母さんの顔をはっきりと思い出したのです。

そんなことを思ったら、突然わたしが今触っている顔が誰のものなのかわからない、そんな不思議な感覚に陥りました。

そしてその感覚と共に、「あ、お母さん。ここにいたのね。」そんなことを思いました。

母親の面影をしのんで、涙が出たとか猛烈に悲しくなったとかそういうことはありません。しかし、わたしたちのそばには大好きなお母さんがいたこと、そして愛情をたっぷりと注いでくれていたことをはたと思い出しました。

私たちの中に、大切な存在は生き続ける。それを実感した夜でした。

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