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同じ躾(しつけ)の繰り返し

自分自身が親に対して嫌だった教育方法やしつけなどを
自分の子供に対してしてしまう理由を知っていますか?

親に怒られるたびに叩かれる厳しい時代に生まれた僕は
それが教育、それがしつけだと思っていました。
そんな人いませんか?

いくつかの心理的・社会的な要因が関係しています。
以下のような要素が、親が過去のネガティブな経験を
再現する原因となることが多いです。

1. 育った環境の影響

親は、自分がどのように育てられたかという環境が
非常に強い影響を受けます。親が子供だった頃、特定の教育方法や指導法に慣れてしまっているため、自分が嫌だと感じた方法でも「これが普通」
「これが効果的だ」
と無意識に信じ込んでいることがあります。
結果的に、親としての行動もその経験に基づくものとなりがちです。

  • 例: 厳しいしつけや高い期待を受けて育った親は、
    「自分もこれで成長したから、子供にも同じように接するべきだ」と
    考え、同じようなプレッシャーを与えてしまうことがあります。

2. 自己認識の欠如

人は、過去の経験に対する感情や影響を意識的に整理しないと、同じ行動を繰り返すことがあります。親が自分の過去の教育に対して深く考える機会がない場合、自分が受けた指導方法をそのまま再現してしまうことがあります。

  • 例: 親が「自分は我慢して育った」という特に昭和世代の無意識の思い込みを持っている場合、子供にも同じような我慢を求めてしまうことがあります。

3. ストレスやプレッシャー

子育ては非常にストレスフルな状況で、親は時に自分の感情をコントロールするのが難しくなることがあります。その結果、過去に自分がされて嫌だった方法を反射的に子供にしてしまうことがあるのです。特に親が忙しかったり、余裕がないときに、短期的な効果を期待して厳しい指導をしてしまう傾向があります。

  • 例: 親がイライラしている時、厳しい言葉や叱責が子供に向けられるのは、ストレスが反射的に現れることが原因です。

4. モデルの再現(学習理論)

心理学の観点から、子供は親の行動を見て学ぶという「モデリング」の理論があります。親もまた自分が子供の頃、親から学んだことを無意識に再現してしまうことがあります。特に親が感情的に追い詰められたときや、どう対応すればよいか分からないとき、過去に自分が受けた指導法をそのまま子供に適用してしまうことがあります。

  • 例: 自分が受けた教育方法が強く根付いている場合、他の方法を学ぶ機会がないと、そのまま子供に伝わってしまいます。

5. 効果の錯覚

厳しい指導やプレッシャーを受けた親は、「自分もそれで成功した」「耐え抜いたから今がある」と思うことがあります。そのため、自分にとって嫌だった経験が、実は「効果があった」と感じてしまい、子供にも同じ方法を取るべきだと考えることがあります。このような錯覚は、親が自分の育った環境を再評価することなく、過去のパターンを再現する原因になります。

  • 例: 親が「自分は厳しく育てられたからこそ、強くなれた」と思い込んでいると、同じ厳しい指導を子供にもしてしまいます。

6. 親の未解決の感情

親が自分の過去のネガティブな体験を完全に解決していない場合、その感情が子育てに影響を与えることがあります。過去の傷や不満が解決されていないと、それが無意識のうちに子供への指導に現れ、同じような指導法を繰り返すことがあります。

  • 例: 自分が過去に十分な愛情や理解を受けなかったと感じている親が、
    その不足感を補おうとして厳しい指導や期待を押し付けることがあります。

まとめると

親が自分が嫌だった教えられ方を子供に対してもしてしまうのは、
習慣や未解決の感情、ストレスなどが複雑に絡み合っているためです。

解決策としては、親自身が過去の経験を振り返り、それがどのように現在の行動に影響しているのかを理解し、新しい指導方法を学び、実践することが重要です。

この記事を書きながらも自分の行動にも反省するところが多々あります。
このようなことはその瞬間は改める意識を持つものの、すぐに忘れてしまうものです。
それは人間だから忘れるのは仕方がないものなのでこの記事を見るたびに
意識に染み込ませる事を心がけて下さい。

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