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質問しましょう:エジさんが来る

アメリカ人のエジさんは今日も喫茶店『ボストン』へ。マスターがカウンターの奥で英語の参考書を読んでいます。

「マスター、さっき外国人のお客さんが帰っていきましたけど、何か話せましたか」
「それが全然。やっぱり難しいね」
「何が難しいんですか」
「全部」
「全部って。つかみがないですね」
「『つかみどころ』ね。それだと漫才か何かの話になっちゃう」
「あ、そうか。でも言いたいことはわかったでしょう。それでいいんです」
「なるほど」

「英語で話すときは、こちらから先にバンバン質問するのがいいです」
「わかってるんだけどね」
「どんな食べ物が好きですか、と聞けば返ってくるのは料理の名前しかないでしょ。だいたいの想像がつきます」
「質問するときのコツってあるのかな」
「ありますよ。マスターもすでに知っているキーワードがあります」
「教えて欲しい」

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エジさんという人が、役に立たない英語を教えてくれます。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。