英語を理解する仕組み
「マスター、これから話すことをよく聞いて」
カウンターでコーヒーを飲んでいたエジさんが、いきなり早口の英語でペラペラと話し出しました。
「マスター、いま何を言っていたか、わかりましたか」
「速すぎて全然わからなかった」
「何か聞き取れた単語はありましたか」
「グッド・モーニングと、マイケル・ジャクソンしかなかった」
「うふふ」
「どうして笑っているんだよ、エジさん」
「これが、英語がわかる仕組みなんです。もう一度いきますよ」
エジさんは、今度はゆっくりと、さっきと同じ話をします。
「わかりましたか」
「まったくわからないよ」
「ですよね。つまりリスニングができないのは、速度が原因じゃないってことなんです」
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。