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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2023年11月の記事一覧

沈殿する台北・パリ:写真の部屋

今月は台北とパリへ。どちらも短かったのですが、考えることの多い滞在でした。 カメラを持ってどこかへ行き、ただただ写真を撮る。たったそれだけのことなのですが、やっていることが単純だからこそ「できなかったこと」への後悔ばかりが残っていきます。あのときはこうしたほうがよかった、こうできたはずだ、という反省ばかりです。その瞬間は全力で考えて試しているので仕方がないわけですが。 何かを作っていると、毎日自分が変化しているのがわかります。撮った瞬間より、セレクトしている瞬間、ほんの数

写真の本:写真の部屋

ゲラが出ました。まだまだ直すところはたくさんあります。

三分割構図って:写真の部屋

デザインは、0.1ミリを選択する作業です。特にデザイナーがトリミングをする場合、上下左右、どこで写真をカットするかは写真家より精度の高い判断が求められます。 写真の構図は三分割にしましょう、というアドバイスを聞くと頭がクラクラしてきます。人間を4つの血液型で分けるように、いやそれよりひとつ少ない三分割で処理できることには限界があるのはわかりきっています。 ここに載せた写真は、一番目立つ左目(画面でいうと右)をワングリッドと設定すると、画面右のアキが5、左が7です。天地のセ

松井秀喜に教える:写真の部屋(無料記事)

『写真の本』の原稿がほぼ完成し、あとは編集の今野さんからのフィードバックを待つばかりです。本の体裁としてはありがちですが、写真に興味を持った若者がおっさんから写真を学ぶという仕組みです。誰かが教えてもらっているところを隣で見ているような。これが一番伝わりやすいんですよね。 その中に若者が「あなたの写真を見せろ」という意味の台詞があります。教えてもらうのはいいが、エビデンスを見たい、と。ここですよ。教えるのは簡単ですが、あなたに教える資格はあるのか、という大事な部分。ここには

ローリングシャッター:写真の部屋

SONYのα9III が発表されましたが、世界初のグローバルシャッターを搭載し、撮影時に発生していた多くの欠点がクリアされたことになります。「ローリングシャッター歪み」はCMOSセンサーが受け取った情報を順番に読み出すことで起きていました。それがグローバルシャッターだと全画素を同時に読み込むのでまったく影響を受けません。 私はα 9 シリーズ、α1を使っていて、電子シャッターを使う場合でも高速読み出しのおかげで、ある程度の歪みは抑えられていました。しかし久しぶりにα7R5を

台北:写真の部屋

ほんの5日くらいの滞在。いつもより濃くて楽しかった。