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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2023年1月の記事一覧

Paris:写真の部屋

去年の10月以来のパリ。今回は一日だけこちらで仕事があり、前後10日くらいは遊びである。遊びとは言え、いつも通りずっと写真を撮っているので仕事をしている日常と同じだ。 定期購読マガジン「PDLB」では、旅先で撮った写真を購読メンバーにオーダーメイドでプレゼントする企画をしている。「こんな写真が見たい」と言われると自分では撮ろうと思わなかった街の風景が見えてくるのが面白い。10月のパリ、12月の台北、今回で3回目になる。本来ならばこれは「写真の部屋」でやるべきことなんだろうけ

白トリュフと本マグロ:写真の部屋

ここ数日、「写真を撮るとはどういうことか」という話題で人と話す機会が何度かありました。話すこと、言語化することは自分の考えを整理することでもあるので、相手に伝えようとしていることを自分自身が発見するのです。 写真を撮るときに何を考えているかを丁寧に分析してみると、ほとんどの部分が実は写真そのものとは関係がないことに気づきます。抽象的な言い方になりますが、表現というのはそもそも抽象的ですからロジックとの境界線をはっきりと線引きすることが大切です。 時折、抽象的な部分と具体的

念写以外:写真の部屋

「写真を撮るということ」の全体を整理してみようと思っている。それは自分にしか当てはまらないこともあるだろうし、普遍的な内容もあるかもしれない。写真の面白さは他のアートとは違っている。簡単に言えば、世界をコピーする、つまり多くの部分で自分の外側に依存しなければ存在できないということ。ピアノを弾く、油絵を描く、ダンスをする、という種類の表現は他者によらない表出が出来る。でも写真は念写が出来る人以外は、そこに何かがなければ写すことが出来ない。 「どうやって撮るか」を語る人はたくさ

新年に思う:写真の部屋

写真が「笑い」に似ているとするなら、 俺は立川談志や北野武のようなものが撮りたい。 到底手の届く領域ではないし、敬称略だけど、 目標として。