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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2022年9月の記事一覧

Paris:写真の部屋+Anizine(無料記事)

6月に欧州ロケには行きましたが、遊びで来るのは2年半ぶり。20年の2月でした。まだ面倒なことはありつつも、ある程度は許容できる感じになってきたので来ることにしました。 久しぶりのラウンジはシステムが変わっていたり、空港内のほとんどの店が休業していたりと、まだまだ影響は大きく完全復活とは言えないようです。もちろんしばらく前から行ける国は増えてはいたんですが、ただの遊びで無謀なことをしても誰も褒めてくれませんし、現地の人に迷惑がかかります。 日程は適当に決めたのですが、PFW

無視すべき人々:写真の部屋

冗談で「才能のあるヤツは潰す」などと言うのですが、実は写真を志す人がいくら増えても我々のマーケットシェアは何も変わりません。優秀な写真家がどれほど出てこようが、俺の仕事量は変わらないと思うのです。それは写真には人の数だけ方法があるからでしょう。反対にもっと「真剣に写真を撮る人」が増えて欲しいと思います。 ある程度写真の仕事をしている人が始めたばかりの人に対して敵意剥き出しで「お前のなんか写真じゃねえ」「写真は甘いもんじゃねえんだぞ」みたいに威嚇するのを見かけますが、それって

ホメ意に介さず:写真の部屋

写真を撮っている、絵を描いている、音楽を作っている、なんでもいいんですが、創作者というのは多かれ少なかれ「他人からのホメ」を気にしているものです。というわけで本日はそういうお話を。

グルメ化:写真の部屋

俺がどこかに行って写真を撮って帰ってくると、こういう写真ばっかりです。「何これ、どこ、これ、何を撮りたかったの」と言われることもあります。でも俺が撮っているのはイタリアを表現した写真じゃなくて「俺が撮った写真」なので、渋谷とまったく同じでいいのです。風景に慣れてくると「説明すべき衝動は何もない写真」に行き着きます。 記念写真、もしくはちょっと写真を撮っている人が撮る写真は「行ったどー」の「度」が強いんですね。それが場面の説明をより強くし、写真のわかりやすさにつながってい

0+1=1:写真の部屋

毎日写真を撮っていると、癖のようなものが染みついてくることがあります。これはある意味では得意な撮り方の洗練に繋がるのですが、反対にそこから脱却できない、慣れている撮り方でしか撮れない、という悪い部分も生まれてきます。 その回避手段として、大きく環境が変わることが有効だったりするので物理的移動は重要なのです。見たことがないくらい広い草原だったり、面積が東京都の1/3くらいの白い砂漠だったり、そういうものを目の辺りにするとどういうスタンスで写真を撮るかという問題に直面し、単純で

進展のお知らせ:写真の部屋

昨日お知らせした写真集ですが、進展がありました。

写真集を作る:写真の部屋

ずっと避けてきた写真集をついに作ろうと思う。よく考えたら、「ミュージシャンですがレコードやCDはありません」みたいに受け取られるのかなと思ってきました。別に写真集を出すのが写真家の義務ではないんでしょうが、行きがかり上、面白いからやってみます。まずは気分を盛り上げるために表紙を適当にデザイン。最終的にはまったく違うものになると思いますが。 アドバイスをもらった平林監督からは、デザイン的だったりコンセプチュアルな写真は逃げなのでダメ、人間の生々しい写真を載せるべし、と言われた

物質が持つ違和感:写真の部屋

まず、この写真を見てください。 スマホの画面ではわかりにくいかもしれないのでパソコンで見て欲しいのですが、RAW現像時にひとつのパラメータだけを変化させています。この2枚に決定的な差があることがわかる人と、わからない人がいる、というお話です。