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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2020年7月の記事一覧

α9ll:写真の部屋

どうしようかなと迷っていたけど、やはり買うことにした。 そのときの仕事の内容に応じてカメラを選択する。今はメインでα7R4を使っていて、これは万能なのでどんな仕事にも対応できる。ただ、α9だけは置き換え不可能なカメラで、唯一、無音撮影時にローリングシャッターの歪みが出ない(連射はしないのでどうでもいい)。たったこれだけの理由で必要だし、6000万画素のα7R4ではデータが大きすぎるウェブ限定の撮影などでは2400万画素のα9がとても便利だ。 普段のスナップ用に持ち歩くこと

LeicaQ-P:写真の部屋

自分にとっては希なことだけど、カメラが撮り方を決めることがある。 たとえばこの前買ったLeicaのQ-P。知人のカメラマンがよく使っている話を聞いたし、中でもLeicaのことなら何でも教えてくれるハギニワさんが「28mmのいいレンズを買ったらカメラボディもついてきたような」と言っているのが印象に残っていた。 Qシリーズは、Q、Q-P、Q2と続き、トリミングによる画角変更もQ2で現実的になったことは知っていた。それらを見ているうちに「マットな塗装のQ-Pなら欲しい」と、なぜ

ロケ不可能:写真の部屋

この状況で、国内外のロケはほぼすべてなくなった。 見たことがない場所で撮る、というのは写真を撮るひとつの楽しみだから、移動できないことはとても辛い。今日も去年のデータを探してHDDを見ていたんだけど、どこかに行くのが不可能だからこそどうしても過去のロケの写真に目がとまる。 東京から飛行機で外国の空港へ。機内でもポケットにはSONYのRX100を持っていて、窓からこんな写真を撮る。 街に着くと、その日は簡単な現地での打ち合わせ、食事をして終わりと言うことが多い。ぶらぶらと

脱クリシェの階段:写真の部屋

どんなものでもそうだと思うんだけど、勉強していると壁にぶつかる。 能力の高い人はこの「壁の乗り越え方」を知っているから、どんどん上の方に行く。写真を撮っていて、停滞期だと感じている人はその乗り越え方のヒントを見つけて欲しい。 写真の楽しさは何より一番初めに自分が驚くことに尽きる。これはいいのが撮れたな、とシャッターを押した瞬間に気づく幸福。写真を撮り始めてから数年は、その全部に驚いている期間だから、できなかったことができていく毎日をずっと楽しめる。 でも「いつも同じよう

ジャンプ率:写真の部屋

デザインをしている人ならわかると思うけど、「ジャンプ率」という言葉がある。 この投稿記事のタイトルである「ジャンプ率:写真の部屋」という文字のウェイトとフォントサイズ設定と、この本文の差が「ジャンプ率」。この差が小さいほど上品に見え、大きいほどカジュアル(悪い言葉で言うと下世話)に見える。文字の大きさなどに加えて色もある。 高級レストランのメニューには写真がなく、質のいいマットな白い紙にグレーの文字で料理の名前が書かれているだろう。反対がファミレスのメニューだ。 写真に