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Anizine

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。
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2024年3月の記事一覧

緊張とホームラン:Anizine

「私は人前に出るとすごく緊張してしまうんです」と言われることがあります。なぜ私に聞くのかと言えば、まるで緊張感が見えないからでしょう。その悩みにはいつも同じ答えを返しています。もしもあがり症の人がいたら以下のことを試してみてください。

誕生日にサヨナラ:Anizine

仕事をしていると多くの人に出会います。

スイカを生み出す宗教:Anizine(無料記事)

私はオカルト的なことに興味がありません。そもそも人間や動物が命を持って生きていることは科学でも解明できないオカルトそのものかもしれませんが、あえて言えばそれは宗教や哲学の領域です。真剣に一生をかけて答えが出るはずもないそれらの学問に立ち向かう人のことは尊敬していますが、まともに学ぶことなく問題の上澄みを軽々しく扱い、それを商売にさえする人々のことは心から軽蔑しています。 命が生まれて消えていく。 人が生きる、とはたったそれだけのことです。最近、雛鳥が親から餌をもらう動画ば

くだらない結論:Anizine

「今日さ、小籠包を食べに行ったんだよ」  「お前、一昨日まで台北にいただろ。まだ食うのか」 「本場に行った後に偽場で食べる醍醐味だよ」  「嫌な趣味だな」 「本場に行く、ってそれだけで娯楽だからな」  「それはわかるよ。本場めぐりのバスは走るからね」 「曲が古すぎてキョトンとしている人が多いと思う」  「いや、ここを読んでいる人はだいたいジジイだから」 「そうか。じゃあいいや」  「で、小籠包を食べてどうしたの」 「あ、そうそう。写真をインスタにグラムしようと思ったんだ」  

定期購読メンバーの皆さんへ

「たとえば一週間どこかに遊びに行ったとして、どれくらいいい写真がセレクトできますか」と聞かれることがあります。私はスマホでほとんど写真を撮らないので、遊びに行くときでも普段仕事で使っているカメラで撮ることになります。これがプレッシャーなんですよね。ちゃんとした『作品』と呼べるようなものが撮れるのではないかと淡い期待も生まれます。では、どれくらいの枚数がセレクトできるのでしょう。その答えです。

くだらない結論:Anizine

「今、台北に来てるんだけどさ、こっちで『目を洗って』いるよ」  「ああ、ずっと東京にいると目に埃が溜まるって、あれのことな」 「うん。さっき平林監督のnoteを読んでいたんだけど」  「俺もちょうど読んでたところ」 「あの感覚って、ドメスティックであることに起因してるよな」  「そうかもしれない。わかる」 「狭いジャンルの中でいいと言われているものの再確認というか」  「サロン的というか、ね」 「仲間として褒めるものが決まってるような内輪ウケを感じるんだよね」  「それを目

無意味の意味:Anizine

無意味かどうかは自分で決めない。 これが本日のテーマです。「テーマ」って英語で Theme ですけど、こんなの日本人にはまともに発音できないですよね。ですからカタカナでテーマって言ってますけど。ここは余談なので無意味です。 何かをするときに「そんなことやっても無意味だろう」と言いがちな人がガチでいますね。そういう人がちゃんと意味のあることをしているかというとはなはだ疑問なのですが。これはできればやりたくないことを回避する方便で使われていて、やらないうちから意味があるかどう

くだらない結論:Anizine

「あのさ、俺、テレビ東京の『推しを召し上がれ』ってドラマのポスターを撮影したんだよ」  「ああ、知ってるよ。乳酸菌が出てくるやつな」 「そうそう。あれを見ていて、推し、って感覚がやっとわかった気がする」  「ニワカだな。博多出身でもないのに」 「そう思ってくれても構わないんだけど、今までまったく考えたことがない、推しって意味が実感できたんだよ」  「あれは乳酸菌を擬人化したキャラクターを推しているんだよね」 「その通り。でも相手が何であろうと推しの尊さは変わらない」  「それ

くだらない結論:Anizine

「お前さ、一度も会ったことがない人が結婚するって聞いて、何を思う」  「何も思わない」 「だよな。俺もそうなんだけど、冷血人間だと思われるかな」  「卒業式で泣かないと、って斉藤由貴じみた心配ってことだな」 「うん。見知らぬ他人の結婚の話題に首を突っ込むのが温血なのか」  「個人的には違うと思うよ」 「お前は公人でも何でもないから、全部の発言が『個人的』だけどな」  「口癖なんだよ」 「くだらない口癖はやめろ。言葉に自覚的じゃないとバカだと思われる」    「いちいちうるせえ