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博士の普通の愛情

恋愛に関する、ごく普通の読み物です。
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#自分

エンドロール:博士の普通の愛情

この歳になると便利な仕組みが使えるようになることを若者に教えておきたい。それが時効だ。トップギャランが「胸に棘刺すことばかり」と歌った青春時代は、あとからほのぼの思い、笑いながら味わうことができる。今日の話は、いま映画館の座席に座っているひとりの中年男性の40年前の出来事だ。 彼はイラストレーターを目指す専門学校生。当時はイラストレーターが時代の花形だった。『イラストレーション』という雑誌には公募のコーナーがあり、そこに自分の絵が掲載されることを誰もが夢見ていた。彼もそのひ

三度目のウンチ

4年前に初めての本を出し、先月末に二冊目が出ました。出た、って言い方はどうなんですかね。小学生がウンチの話をしているくらい幼稚ですね。上梓とか出版とか刊行とかリリースとか色々な表現があるんですが、出版や刊行は出版社が主体であるような気がするので私が言うのは違います。上梓というのは、昔、梓の木で版を作っていたからだそうですが、今回の本は木版は使わず、デジタル作業がメインのはずですからしっくり来ません。 下品な言い方で恐縮ですが「考え」というのは排泄物のようなものですから、ウン

次に書く本と、鳥の子育て。

「最近、鳥の子育て動画ばかり見ている」という投稿をしているのですが、反応が極めて薄いのが残念です。皆さんちゃんと見たことがあるのだろうか、と涙ぐむ思いです。親鳥が与える餌である虫や小さなトカゲなどの見た目に拒否反応があるのかもしれませんが、それは私たちが日々食べている肉や魚も同じことです。 まず、巣の中の雛鳥はまだ目が見えていません。親が戻ってきた気配を感じて大きな口を開けてピーピー騒ぐのですが、親は雛鳥の口に割と乱暴に餌を突っ込みます。そんなに大きなものを飲み込めるのか、