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博士の普通の愛情

恋愛に関する、ごく普通の読み物です。
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2024年2月の記事一覧

三度目のウンチ

4年前に初めての本を出し、先月末に二冊目が出ました。出た、って言い方はどうなんですかね。小学生がウンチの話をしているくらい幼稚ですね。上梓とか出版とか刊行とかリリースとか色々な表現があるんですが、出版や刊行は出版社が主体であるような気がするので私が言うのは違います。上梓というのは、昔、梓の木で版を作っていたからだそうですが、今回の本は木版は使わず、デジタル作業がメインのはずですからしっくり来ません。 下品な言い方で恐縮ですが「考え」というのは排泄物のようなものですから、ウン

次に書く本と、鳥の子育て。

「最近、鳥の子育て動画ばかり見ている」という投稿をしているのですが、反応が極めて薄いのが残念です。皆さんちゃんと見たことがあるのだろうか、と涙ぐむ思いです。親鳥が与える餌である虫や小さなトカゲなどの見た目に拒否反応があるのかもしれませんが、それは私たちが日々食べている肉や魚も同じことです。 まず、巣の中の雛鳥はまだ目が見えていません。親が戻ってきた気配を感じて大きな口を開けてピーピー騒ぐのですが、親は雛鳥の口に割と乱暴に餌を突っ込みます。そんなに大きなものを飲み込めるのか、

シンクロニシティ:博士の普通の愛情

YouTubeを見ていると懐かしい曲がアップされていたりする。いい気分になるんだけどそれも長くは続かない。僕が若い頃に MTV やベストヒットUSA が始まった。それを毎週録画しておいて飽きもせずに毎日朝まで観ていると早起きの父親が起きてきて「まだ起きていたのか」と怒られるということがよくあった。 今でも当時の音楽ばかり聴くのは、粘土をこねて作られた自分という人形には、その頃の音楽が砂粒のような不純物としていつの間にか練り込まれているからだと思う。古い曲が流れてきたとき、カ

ありがとうございます:すべてのマガジン

『カメラは、撮る人を写しているんだ。』 発売されて、Amazonのランキングが出ました。 このカテゴリはこちらで指定することができず、Amazonで振り分けられるようです。現在は「教育」などにもカテゴライズされている模様。 写真の教則本だと思って買った人から「まったく役に立たなかった」というレビューもありますが、「文学」なので仕方ないだろうと言い訳もできます。ネットでタイトルを見て勝ってくれた人が誤解するのももっともなのですが、この本はそういった「TIPS」を勉強して

落とし物のノート:博士の普通の愛情

渋谷の仕事場近くの公園にノートが落ちていた。深夜、ベンチの上に置かれたそのノートは街灯に銀色のラメラメな表紙を照らされている。周りに誰もいないことを確認してから表紙をめくってみた。1ページ目には「メモ断片 Minox」と書かれ、次のページからは何かの脚本のアイデアのようなものが書き留められていた。罪悪感もあったが、風に吹かれたかのようにごまかしながらサッとページをめくっては周囲を見回し、Minoxという人が書いた文字を追っていった。 1:新宿の裏通りでカップルがキスをするシ