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アニメ制作に生成AIを組み込むことは可能なのか

そもそもアニメ制作に生成AIを組み込むことは可能なのでしょうか。

結論から言えば、法律面を無視すれば、技術的には可能です。ただし、現状として、一般的な商業アニメにはまだまだ適用できないのが現状だと思われます。

実際にアニメ制作に生成AIを組み込むとなると、いくつかの領域が挙げられます。試しにChatGPTに聞いてみました。

・キャラクターデザインのアイデアソース
・背景美術の自動生成・加工
・作画作業におけるフレーム間の補間
・カメラアングルの提案
・シナリオ生成
・音声合成
・劇伴の生成
・品質チェックの自動化
・プロモーションクリップの自動生成

以上の領域で、生成AIを活用できそうです。そして実際に、これらの領域で生成AIを活用すれば、誰もがアニメーション作品を作れるでしょう。

ただし、それが商業アニメに適用できるかどうかは別問題です。現状として、この中でもっとも現実的なのは「アイデアソース」「背景の加工」「品質チェック」ぐらいではないでしょうか。
おそらく、キャラデザやシナリオのアイデアソースとしては既に活用されていると思いますし、背景の加工も既に実験が始まっています。また、品質チェックに関しても、特に「仕上げ」で十分に活用できそうです。

一方で、生成AIの技術力が向上すれば、フレーム間の補間や音声合成などの領域で、実用的なソフトウェアが登場する可能性は極めて大きいでしょう。

そうなってくると重要になってくるのが、生成AIに適したワークフローです。現状の多重下請け構造による手描きアニメの制作では、生成AIを活用しづらいです。一方で、セルルック3DCGやFlashアニメをベースにした少人数によるワークフローであれば、生成AIを活用できる余地が生まれてくるのではないかと思います。

特に背景に関しては、これまでは美術背景の専門会社に外注する必要がありました。しかし「そこら辺の街を写真撮影→アニメ風に加工」というスタイルであれば、一気に人数を省略することが可能です。そのためには『ガルクラ』のように、「3DCGアニメでも背景だけは手描き」というような工夫が必要になると考えられます。

まとめると、現状として商業アニメに生成AIを組み込むことは難しく、そして今後も、現行の商業アニメのワークフローの中で、生成AIを導入するのは難しいということです。

一方で、もう一度ゼロからワークフローを構築するのであれば、その限りではありません。インディーズ系のアニメ映画作品を筆頭に、既に新しいワークフローの模索は始まっています。

今回のクラウドファンディングプロジェクトでは、現場でどれくらい生成AIが活用されているかどうかも取材していきます。

ぜひご支援のほど、よろしくお願いします!



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