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アニメーター志望におすすめのアニメ①:ほしのこえ

今回からはアニメーター志望におすすめのアニメを私見たっぷりに紹介していきます。

その第1作目は『ほしのこえ』です。

現在、日本で最も有名なアニメ監督は宮崎駿だと思いますが、その次に来るのは新海誠なのではないでしょうか。

『君の名は。』のメガヒットをきっかけに、『天気の子』や『すずめの戸締まり』では安定した興行収入を叩き出しています。今となっては、日本のアニメ映画界におけるキーパーソンになりつつあるでしょう。

そんな新海誠の原点とも言える短編アニメーション映画が『ほしのこえ』です。大学卒業後、ゲーム会社でオープニングムービーを作成していた新海誠は、仕事しながら自主制作アニメーションの制作に没頭。そのときに誕生したのが『彼女と彼女の猫』です。

そして会社員を辞めたあとに発表した『ほしのこえ』が、当時のアニメファン及びアニメ関係者に衝撃を与え、新海誠の名が一気に広がります。

『ほしのこえ』が画期的だったのは、ほとんど1人でアニメを制作した点に尽きます。当時はセルからデジタルに移行され終わってきたタイミングで、従来に比べて効率的なワークフローが可能になっていたのです。新海誠は、Power Mac1台で監督・脚本・演出・作画・美術・編集をこなし、挙げ句の果てには声も担当します。こうしてほとんど1人で制作した『ほしのこえ』は「個人でもアニメは作れる」ということを証明し、新海誠の後の活躍に続きます。

新海誠作品は、新海誠の作家性がちゃんと現れていると思いますが。それは新海誠が全業務に手を入れることができるからだと考えます。『君の名は。』がヒットしたのは、新海誠が相対的に苦手とする作画・プロデュース・音楽を田中将賀、安藤雅司、川村元気、RADWIMPSに任せたからだと思われます。

どちらにせよ、現在の新海誠の成功は、新海誠が様々な領域で創造性を発揮していることが極めて大きいでしょう。そしてその始まりが『ほしのこえ』なのです。

ちなみにストーリーも、当初の新海誠らしいネガティブなストーリーとなっていて、何とも言えない気持ちにさせられます。


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