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ブランクーシ 本質を象る へ行こう!@アーティゾン美術館

2024年7月7日まで(会期あとわずか!)アーティゾン美術館で「ブランクーシ 本質を象る」展がアーティゾン美術館で開催中。
国内でブランクーシ作品をこんなに一気に観ることは難しいので貴重な展覧会です。

西洋美術オタクのわたくし。彫刻、結構好きなんですよね。
僭越ながら、ここ、すご〜! ここ、おもろ〜!を3つほど。


1、始まりの作品

ブランクーシ作品といえば、つるんとした金属の作品をイメージする人が多いかもしれません。

こういう作品

今回の展覧会ではブランクーシの転換になった作品が多く展示されていて、作家としての歴史がわかりやすく面白いなと思いました。

特に最初の展示が興味深くて。
左からブランクーシ(1905年)、ロダン、ブランクーシ(1907年)

ブランクーシの作品同士を比べても、彫刻の表面が滑らかでツルンとなってきていることがわかり、この2年間に何があったんだ!ブランクーシ!と思わずにはいられません。
ブランクーシとロダンを比べると、ロダンは彫刻表面がゴツゴツしていて質感が違うというか表現したいものが違うなとわかります。

こんな感じでブランクーシの契機となった作品が多く見応え十分でした。

2、美人やったんやろうな

今回の展覧会で私のイチオシ作品はこれです。

通った鼻筋。小さくキュッとした唇。左手をほおに当てた少しアンニュイなポーズ。
表情は描かれていないのに、スンっとしてるんだろうな、若い女性だろうけど若すぎはしないんだろうな、美人なんだろうなぁと想像がつきます。
目とか眉は人を表現する上で重要なパーツだと思うのですが、それがなくても何となく伝わる、これがブランクーシの「本質を象る」なのかもしれないと思いました。

3、鳥、鳥、鳥

ブランクーシの彫刻といえば「鳥」をイメージする人が多いと思います。

『空間の鳥』

胸を張り威厳に溢れた姿ですよね。
この展示の横にあった作品も結構気に入っていまして。

『鳥』

青い背景に白い三角形が浮いています。作品タイトルは『鳥』。
すごい。白い三角形が青空を飛んでいる鳥に見えてきます。
飛んでいる鳥の色々を「そぎ落としていく」と三角形になるんだ、という新しい気づきでした。

おわりに

展示自体は1時間程度で見終わる感じです。
作品のキャプションが作品近くではなく、作品リストに掲載されているのでブランクーシの作品自体をしっかり見てほしいという意図が伝わってきました。
モディリアーニの作品も展示されていて、特徴的な楕円形の頭部はブランクーシの影響を受けているとあり、「なるほど、確かに!」と。
おもしろくて、勉強になる展覧会でした!

ここまで読んでいただいてDank u wel!


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