『社内で時間かかる』はチャームポイント

小学校の時担任の先生から言われた、「弱みは反対から見ると強みになる」。
これを、企業内起業という場面で実感するのに、実に三年かかりました。

大企業は「遅い」。
何をするにも時間がかかる。大企業同士なら「うちも遅いですよ」って笑い合えるけど、動きの速い会社さんとのやり取りだと、愛想尽かされるんじゃ無いかってヒヤヒヤします。

「スタートアップは3ヶ月で事業化出来るって話じゃないか。うちが出来ない理由は?」
ってなわけで、プロジェクト提案時には、自社では有り得ないスケジュールで提案せざるを得ない→当然地獄のスケジュールになる。

管理部門の頼りになるエキスパートがいるからこそ、後々ボロが出て困っちゃうような事なく、安心して活動出来ている*のですが、時間がかかる事自体はどうしても肯定的に捉えられなかったこの3年間でした。

(*これは本当にそうで、つい最近も、3年前の契約書を掘り返して、追加でやってみようって事になった取り組みをやってOKな契約になっていることを確認出来ました。事業部が要望しなくても、優秀な管理部門メンバーが、私達に一番有利なように契約作ってくれてたんだなって、じーんとしました。当時は「はぁ~またこんな契約書でいちいち時間かけるのか・・・」って間違いなく思ったし、そんな胸の内が顔にも出てただろうと思いますが、依頼者が大して感謝もしてなさそうなのにこんなにきちんとやってくれる専門部。本当にプロフェッショナルです。)

でも、最近みんなで気付きました。
これは長所だと。

亀のスピードで、何とかかんとか、お披露目出来るものが出来てきた私達の活動。それを見た外部の人達の反応が分かるようになりました。

分かった事は、やはり私たちにまず期待されるのは、「何となく信頼出来ること」。
スタートアップと歴史ある大企業では当然チャームポイントは違う。ビジネスの内容が、斬新さや刺激的さでは無く、安心して利用出来るかどうかがとても重要なものであれば、「誰が発信しているのか」はユーザーにとってまず最初重要な体験で、安心してカスタマージャーニーを進める事が出来る。
競合がいて、先に市場に出た会社さんが他にいたとしても、私達はそこで差別化も出来そうな気配です。
当然、歴史ある信頼は、一度裏切ってしまったら、取り返せないほど代償は大きいので、相応の準備とその為の時間が必要だけど、時間をかけてでも、ユーザーは私達の入念な準備を無意識に期待していると思いました。

これに気づく事が出来て、まだやれそうな気がしました。
私たちが事業を世に出す頃には、もう周回遅れになっているのではっていう「しょうがないよね」的な諦めが当初からあっけど、同時に、内心「私達は本物だから、遅くても、きっとちゃんと必要とされる」っていう自負をメンバーはみんなちゃんと持っているんだと思います。

もちろん、「何となく信頼できそう」の後、「やっぱり良い。さすが!」って思ってもらえなかったら、何にもなりません。ここには、専門企業の「らしさ」を存分に発揮するのみ。

さぁtoo whiteで明日からも頑張ろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?