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ノルシュテイン『話の話』を記述する(その3~ひさし)

 カメラは乳児から上方向に視点を移動する。
 母親の顔を隠すように庇が視界に入ってくる。
 母子の姿と庇とがそれぞれ違う早さで画面上を移動する。
 これはマルチプレーンカメラの効果だろうか。
 しかし庇と母子の姿の間にさほど遠近感が生まれているようには見えないから、あるいはこれは単に重ねた層(母子の層+庇の層)を密着させてずらしながらコマ撮りした効果かも知れない。
 ここで叙述を迂回して「マルチプレーン」のことを説明しておいた方がいいだろう。
 この論述はアニメに詳しくないひとにも読まれるべく開かれているのだから説明しておきたいのだ。

(その4へつづく)


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