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TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」第2話 感想と解題③ ひとりは寂しいから

ちょっと戻りまして第2話の解題の続きです。初めてコメントをいただきましたので、それにしっかりとお答えする形で、仁奈が着ぐるみを事務所においてニワトリの着ぐるみを探しに行った理由、あるいはこころを解き明かしていこうと存じます。

ひとりは寂しい

ダンスレッスンの時から仁奈のセリフや行動を見ていくと、目立つことがあります。それは、仁奈がひとりになることを寂しがる、あるいは嫌がる場面が重なっていることです。

レッスン中に梨沙が「ひとりでデビューね!」と言ったのに対し、仁奈は「ひとりはさびしいでごぜーますよ」と発言して梨沙を引き留めようとします。これに対してプロデューサーも梨沙も上手く答えることができませんでした。そしてプロデューサーは電話で呼び出され、あたふたとレッスンスタジオを出て行ってしまい、ありすの好感度が下がった(ような効果音)のでした。

そして、プロデューサーが第3芸能課の事務所に戻ってきて、仁奈のニワトリの着ぐるみがどこかに行ってしまったことを知ります。そして、ありすの提案を受けて、プロデューサーはひとりでレッスンスタジオまでの道を戻って探してくること、そして担当アイドルたちには帰るように促します。

ありすはこのプロデューサーの提案を受けて「一人でですか」と念を押すように訊ねていますが、この言葉に仁奈が反応しています。そして、意を決して立ち上がり、自分も行くことを宣言するのでした。

ここで仁奈は、プロデューサーが一人で何かをしなければならない、自分の着ぐるみを一人で探しに行くという事態を前にして、プロデューサーを一人にしないためについていくことを決意している、そう読み取ることができます。

着ぐるみもひとりでは寂しかろう

そして、何故着ぐるみを脱いで事務所に置いていったのか、もう一度考えてみます。

仁奈は着ぐるみをまとめて全部持ち歩いている様子が、実はオープニング前からわかります。大きな荷物を持って事務所へ行き、レッスンスタジオにも全部持って行っており、そのせいでニワトリの着ぐるみを落としてしまったわけです。

そして、いざニワトリを迎えに行こうとしたとき、仁奈ははっとして「待っているでごぜーますよ」とひよこの着ぐるみの頭部を畳んで置いていきます。

このとき、1つ考えられるのは、これまでに言及したとおり、ニワトリの着ぐるみを探しに行くのは「仕事」ではなく自分のことでしたから、「仕事のための装備、装い」であった着ぐるみは外していく、ということです。

もうひとつは、「待っててね」と言ってひよこの着ぐるみを置いていったことから読み取れます。仁奈は、着ぐるみたちを自分の妹や弟のように扱っているのではないか、と思わせられます。そして、着ぐるみも「一人にさせない」ために、着ぐるみたちを仲間はずれにせず「みんなで待っててね」という思いを込めて、置いていっている、そう読むことが出来ます。

まあ、なかなか難しいですし、本当のところは絵コンテやシナリオを見てみなければわからないこと、謎になってしまっていますが、少なくともここまでに現れている事柄から読み取れるのは、以上のようなことです。

「ひとり」と「みんなのきもち」。このあたりが、市原仁奈を象徴しているのでしょう。

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