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TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」第2話 感想 彼女が着ぐるみを脱いだ理由

TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ U149」の第2話の感想です。
今回もよく動いており、子どもならではの動きの魅力が感じられました。また、様々な画面構成(レイアウト)でも面白いものがありました。

画面構成で関係性を見せる

始まって1分過ぎあたり、棚の上のキャンディポットを基準として、その向こう側に見える座卓を写しているカットがありますが、時間を追っていくといくつかのギミックがあることがわかります。

画面左下を見ると、的場梨沙の頭と左のリボンが見えています。しばらくすると棚の向こう側からぴょこんと誰かの頭が出てきます。これが実は立ち上がった龍崎薫の頭のてっぺんなのです。これは次のカットへの繫ぎとして面白い効果を見せるのです。

的場梨沙の頭が見えていたことは、さらに次のカットへとつながります。梨沙の隣には結城晴が座っており、一声かけます。部屋の中で縄跳びをやろうとしている年下の子どもたちの世話をしているような様子が見て取れます。

この作品は身長149cm以下の子どもたちを集めた、言わばキッズアイドルのたまごを育てる過程を描いています。その中でも最年少組、9歳の人物が2人いるわけです(龍崎薫、市原仁奈)。

他に、11歳が2人(佐々木千枝、赤城みりあ)12歳が5人(橘ありす、櫻井桃華、的場梨沙、結城晴、古賀小春)という構成です。子どもの頃の1年は結構大きな差ですので、1つ下くらいでも年上の方の子どもたちが下の年齢の子を世話している、という様子はよく描かれていると、ここまで見ていて感じます。

橘ありす、古賀小春の位置は面白いですね。5人いる12歳(6年生)組なのですが、この場面ではありすは年下の子たちに交じって座卓で読書していますし、小春は絵を描いています。同じく雑誌を読んでいる梨沙、晴、桃華は棚の向こう側、ソファに座っています。

この位置関係が変わっていくのか、変わらないのか、あるいは別の場面では異なる組合せになるのか、そういったこともこの作品を理解する上で必要な情報なのかな、と思っています。

ヘチマの緑のカーテン、ヘチマの花

他に今回印象的だったのは、重要な場面のロケーションになる公園にあるヘチマです。ヘチマの黄色い花が咲く様子が、仁奈の魅力が咲いていく場面に象徴的に挿入されています。葉の形もしっかりとヘチマであり、花の形(雄花)と葉の形で、ヘチマがなっていなくてもその植物がヘチマであることがわかる程度には描き込みがされています。

花が咲くのは9月〜10月とのことで、この季節の場面として描いているかどうかについては保留、ですね。

画面に収まりきらない元気

物語は後半、ニワトリの着ぐるみを探しに行く場面へと遷移していくのですが、気になることが2つほどありました。1つは、仁奈の動きです。

仁奈は画面からはみ出してまでぴょんぴょん跳ね、目をキラキラと輝かせ、躍動します。それに合わせて、小柄な大人であるプロデューサーの動きも、画面からはみ出しています。

画面からはみ出すと、写している登場人物は実際以上に大きく見えるように感じます。画面に比べて登場人物が大きく見えるために、そのような印象を抱くのだろうと思います。

それだけ、この場面での仁奈やプロデューサーの存在感、実在感が大きく見える。ただの子どもではなく、一人の人間としての魅力が引き出されていきます。

仁奈が着ぐるみを控室に置いていったのは何故?

もう一つ気になっているのが、仁奈とプロデューサー、さらにありすが、無くなってしまったニワトリの着ぐるみを探しに行く場面のことです。
仁奈は立ち上がって自分も探しに行くと宣言します。
このときのカットの作り方も面白いですね。広角レンズでかなりの角度があるアオリ(見上げるカメラアングル)を使って、立ち上がる仁奈を大きく見せ、座っているありすを逆にフカン(俯瞰、見下ろすカメラアングル)を使って小さめに見せることに成功しています。

その後、仁奈は何かに気付いてはっとし、「待ってるでごぜーますよ」と言いつつ身につけていたひよこの着ぐるみを脱いで畳んでおいていきます。

ここで、彼女が何に気付いて、何故着ぐるみを脱いだのか、実はまだよくわかっていません。確かなことは、彼女は何か心に決めて、自分を守るための装いでもあったはずの着ぐるみを一切身につけずに、私服のまま探しに出かけて行くのです。

もう少し時間をかけて、「仁奈が着ぐるみを脱ぐ」ストーリー、演出などがわかりましたら、また追加します。

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