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葬送のフリーレンにおける魔族と、北海道で死んだ一頭のヒグマについて

肉の味を覚えたクマの末路

葬送のフリーレンにおける魔族の生き方と食い物についての情報を見た。まだ何かあるかもしれないが、もし、単純に「魔族」が「ヒトを捕食するためにヒトの言葉を真似て擬態する魔物」であり、ヒトの肉以外食べない習性を持っているのだとしたら、これほどに生存について危なっかしい生き物もいないと思った。

全く、「○○しか食べられない」進化という名の変容をした、袋小路にいる動物というものは悲しいものである。○○しか食べられないというのに国を作るほどに魔族が繁栄しているのだとすれば、ヒトの繁殖力と個体数に頼って生きている彼らがいるというのは、よほどヒトが強い世界に生きているのではないかと思ってしまう。

これを見ていて思いだしたのが、OSO18である。
詳細はこちら。

とあるヒグマが「怪物」になった例である。経緯はまだ謎であるが、肉食に依存し、肉に執着するようになり、結果食事にありつけなくなって弱ったところを狩られたらしい、とは推測されている。人肉にはたどりつかなかったため、「魔族」にはなり損なったようだ。

それ以前に、エゾシカの増加や天候不順などが理由で、主にクマが主食としている木の実の凶作・不足が、クマを肉食化させる要因になっているという。

最初の魔族がものかげから「タスケテ」という「撒き餌」を使ってヒトを捕食したというのは、なかなかに興味深いことだ。確かにヒトは言葉で何でも解決したがる動物だ。それが平和的だとさえ思い込んでいる。しかし、それはヒトを寄せるには絶好の「撒き餌」である。

その後魔族は擬態を「撒き餌」としての言葉だけでなく、発音や態度、表情まで似せられるようになった。こうして彼らは何らかの理由で「身を守っている。」そう、身を守っているのだ。食べなければ死ぬし、ヒトは魔族より狡猾である。魔族が言葉を使う習性を逆手に取り、大規模な罠を仕掛け、一気に大量に狩るなんぞお手の物だ。

フリーレンのような、そしてゴブリンスレイヤーのような魔族狩り(ハンター)の出現は、おそらく魔族の最期に関わってくるだろう。
あるいはルワンダの虐殺のように、普通の人間が人狩り、いや魔族狩りになるとき、彼らは生存の危機を迎えるだろう。

ヒトは弱く、それ故に狡猾であり、忘れっぽく、努力を怠らない。しぶといのである。

魔族の角や牙、肝は高く売れるように思う。狩りの時間の始まりは近いかもしれない。

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佐分利敏晴
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