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工業簿記2級で一番混乱する、ここの部分を5分で理解しよう。

・商業簿記では、単元が変わると、
『貸倒れ』、『減価償却』のように出てくる単語が違うため、
考え方が混じることはほとんどありません。

・工業簿記は、単元が変わっても、
材料費』『労務費』のように出てくる単語は同じ

そのため混乱しやすく、全体像をおさえ、
今ここをやっているんだと理解したうえで勉強することが大切
です。
原価計算について、3つの視点から分類、整理して解説。

このページを理解しておくことが、工業簿記満点への第一歩!

原価計算の切り口は3つ
①オーダーメイドか?大量生産か? 
➁目標金額を設定していないか?いるか?
③変動費と固定費を分けないか?分けるか?

原価計算の切り口

それぞれ簿記の用語で、
個別か?総合か?
実際か?標準か?
全部か?直接か?


①オーダーメイドか?大量生産か? 

製品の生産方式は、
・顧客から注文を受けて生産を開始する『受注生産』(オーダーメイド)
  例えば、造船業、船とか、建設業、ビル。
・同じ型のものを注文を受ける前に大量に生産する『見込生産
  例えば、衣服、家具。
に分けることができます。

大きい、小さいとかではありません。
スーツの会社でも
・注文を受けて、オーダーメイドで作る
・注文を受けなくても、大量生産で安く作る
と存在します。

前者の考え方を『個別原価計算』、
後者の考え方を『総合原価計算』といいます。

いわば、業種や製造形態による分類


②目標金額を設定していないか?いるか?

製品の生産において、目標となる原価『標準原価』を設定し、
標準原価』によって製品原価を計算する方法を『標準原価計算

目標原価を設定せず、
実際にかかった原価』を集計する方法を『実際原価計算』といいます。

実際か(設定しない)?
標準か(設定する)?

の分類は、概念的なもので感覚がつかみにくいため、
最初の内は理解できなくてOK。


③変動費と固定費を分けないか?分けるか?

原価は、
製品の生産数量によって直線的に変動する変動費
・製品の生産数量によらず一定の固定費』 (家賃など)
とに分けることができます。

原価の内訳

当月売上高 3,000、売上原価1,200、売上総利益が1,800とします。

来月の目標として、
売上高を2倍にすれば、
売上原価も2倍になり、
売上総利益も2倍になるか?

というと、単純な話ではありません。

売上高3,000、変動費分が800、固定費分が400、売上総利益が1,800。
変動費』と『固定費』とを分けて集計をしておくと、

売上高が2倍になると、
変動費分は2倍
固定費分は変化なし
売上総利益は4,000円

といった形で、目標が立てやすくなります。

変動費』と『固定費』を分けずに、計算する方法を『全部原価計算
変動費』と『固定費』を分けて集計し、計算する方法を『直接原価計算

これも、感覚的には理解が難しいので、今の時点では何となくの理解でOK。


・個別か?総合か?
・実際か?標準か?
・全部か?直接か?
理屈上、8通りの原価計算の方法があります。

✖がついているものは2級では出題されず、
①(全部実際)個別原価計算
②(全部実際)総合原価計算
直接(実際総合)原価計算
④(全部)標準(総合)原価計算
の4つが出題されます。

原価計算の分類

①個別原価計算、➁総合原価計算にはそれぞれ種類があります。

<①個別原価計算⇒2種類>
製造間接費を部門別で計算をするものを『部門別個別原価計算
まとめて計算するものを『単純個別原価計算』といいます。
(※製造間接費の話)

例えば、
・スポンジ製造部門
・、デコレーション製造部門
の様に分けることで、どこで、どれだけのコストが発生したか、
集計しやすい。といったイメージ。

上が、単純個別、下が部門別個別のイメージ

<➁総合原価計算⇒4種類>
1種類の製品のみを大量生産する形態を『単純総合原価計算
2種類以上の製品を大量生産する形態を『組別総合原価計算
同じ種類で、サイズ違いで大量生産する形態を『等級別総合原価計算

工程ごとに原価を集計し、
大量生産する形態を『工程別総合原価計算』とそれぞれ言います。

例えば、スポンジ工程、デコレーション工程といった感じ。

個別原価計算では、『部門』と呼んでいるものを、
総合原価計算では、『工程』と呼びます。



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