昆虫絵本「クヌギ森の大運動会」 その1
昆虫絵本「クヌギ森の大運動会」
ある夏の朝、クワガタが美味しい蜜を舐めていました。 すると・・・
ドーン！カブトムシが飛んできて、 クワガタを押し飛ばしました。 「ココはワタシの蜜舐め場所なのっ！」
「ちょっと！なにすんのよっ！」 早起きして美味しい蜜を舐めていたクワガタは プンプン怒っています。
「ココはワタシのナワバリでしょっ！」 秘密のナワバリを横取りされたカブトムシも プンプン怒っています。
「ようし！力比べだー」 カブトムシとクワガタはケンカを始めました。ガシッ！
「ケンカはやめて―！」とスズメバチが飛び込んできました。 「ケンカじゃなくて、スポーツで勝負しましょうよ」「スポーツ？」
「ボーリングにしましょうよ」
「ボーリング、いいね」 「うん、いいね」 「それじゃ、みんなでやろう！」
「ボーリングやる人、よっといでー！」 と、大きな声で クヌギ森のみんなに呼びかけました。
コメツキムシとカマキリが、 ヒョイと出てきました。
ガガンボとダンゴムシ、 バッタもヒョイと顔を出しました。
「ボーリングと言えば、ボクたちだねぇ」 と、アリンコもやってきました。
たくさんの虫たちが ボーリング大会に参加しに来ました。
「それじゃさ、役割分担決めようか」 「ハイっ！ボクら、ピンを担当します！」 真っ先にアリンコ軍団が手をあげました。
「そしたら、二人一組でチームを組もうか」 「一番近くにいる人とチ～ムっ！」 と、スズメバチが言いました。
さっきまでケンカしていた カブトムシとクワガタのペアです。 二人は恥ずかしそうにモジモジしながら 「がんばろうね」と言いました。
カマキリとコメツキムシは 「初めてのペアだねー」と楽しそう。
「ボクたちは ボーリングの玉がいいな」 「うん」 ダンゴムシもやる気が満々です。
ガガンボとスズメバチは飛ぶ虫ペアです。 「がんばろー」 「うん、がんばろー」
「では、ルールの説明です」 「ペアの一人がボーリングの玉になり、 アリンコ軍団のボーリングピンを倒します」 「たくさん倒れたペアの勝ちです」
まず最初は カマキリとコメツキムシのペアです。 カマキリはコメツキムシをひっくり返しました。「がんばって！」「よーし、いくぞー」
パチン、とコメツキムシが飛び跳ね、 アリ軍団のピンを２本倒しました。
次はカブトムシとクワガタのペアです。 「あなた、玉になりなさい」 「わたし、イヤよ！」二人はまたケンカを始めました。
クワガタはカブトムシをつかんで・・・
クワガタが カブトムシを投げ出しました。大きなカブトムシが飛んできてビックリ！ アリ軍団はサッ！サッ！と避けました。 アリンコピンは1本も倒れませんでした。
次はダンゴムシペアです。 「行きまーす」ゴロゴロゴロー
ストラーイクッ！！ ダンゴムシペアは アリンコ軍団ピンを全て倒しました。
最後はスズメバチとガガンボのペア。 「ガガンボ、行きまーす」 プ～ンこの記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？