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サイエンスアゴラ2023出展レポート

こんばんは!

私、わたなべは、国立科学技術振興機構(JST)が主催して行われたサイエンスアゴラ2023(11月18、19日)に日本実験動物技術者協会(以下実技協)さんのブース出展のお手伝いとして参加しました。

企画から出展の様子までをレポートします!


◎それはサイエンスアゴラ2021からはじまった


実はこの企画には物語があります。私たち、どうねむはサイエンスアゴラ2021に実験動物とその従事者の心の問題をテーマとしてオンライン出展をしました。ゲストとして迎えた大沼さんのご協力もあり、想像以上に多くの実験動物に携わる方に見て頂くことができました。

反響も大きく、サイエンスアゴラ2021の話を中心にサイエンスコミュニケーションのお話をしてほしいと講演依頼を頂くこともありました。

今回のサイエンスアゴラ2023でお手伝いさせて頂いた実技協の理事長、中野洋子さんは、サイエンスアゴラ2021の後、すぐに声をかけてくれた一人でもあります。そこから実験動物業界の皆さんとの交流がはじまりました。

こんなどこから沸いたかもよくわからないお転婆なサイエンスコミュニケーターを皆様優しく迎えてくださいました。「お友達」として皆様からたくさんの想いや葛藤、悩みを聞かせて頂きました。

◎サイエンスアゴラ2023に出展しよう!


中野さんは年のはなれたお姉さんとして私のことをかわいがってくださいました。情報発信にも大変ご理解があり、サイエンスコミュニケーターに自らなろうとまでされていたとか!そんな話をしている中で、私がサイエンスアゴラへの出展をお誘いしたところ、快くOKしてくださいました。

◎日常を伝えよう!


実技協の中にサイエンスアゴラ準備チームをつくっていただき、企画の準備が始まりました。話し合いの中で「大それたことではなく、日常をつたえよう」ということになり、マウスやラットのケージ交換をワークショップ形式で疑似体験していただくプログラムを行うことにしました。本物の生きたマウスやラットは連れてこられませんが、採血の練習などで使用するマウス・ラットのシミュレーター(人形)を企業様が貸してくださいました。

他にも、実際に使用している実験動物用のエンリッチメント(おもちゃ)、餌、動物たちがエンリッチメントを使用している写真、ケージ、作業時に実際に身に着ける着衣やゴーグル、手袋、マスク、ワークに参加してくださった方への景品を提供してくださった企業様もいらっしゃいました。

物品提供をしてくださる企業の多さにこのイベントへの期待の大きさを感じ、身の引き締まる思いでした。

◎小物作製


皆様と何度も話し合いを重ね、最初の10分で実験動物とは、実験動物の飼育環境、エンリッチメントの意義を紙芝居形式でお伝えし、30分程度でケージ交換体験と解説を、10分で着衣体験を行いました。
この際の紙芝居形式の教材、更衣手順は皆様の話を何度もお伺いし確認して頂きながらわたなべが作製しました。

ブースの外面には、2016~2017年に実施した成城大学・打越先生らの科研費研究、「実験動物についての市民3096人へのアンケート」を簡単に解説したパネルも作成しました。こちらもわたなべが皆様にご協力いただきながら作製しました。

飾り付けたガーランドはゆっこが2021年のサイエンスアゴラ時に描いた実験動物のシルエット画像を使って作りました。

様々な資料を見て頂きながら来場された皆さんに実技協メンバーとお話して頂くことができたかと思います。

◎当日!


どれくらい来場者がいて、どれくらい私たちのブースに興味をもってくれるのか、ワークに参加してくれる人はいるのか心配しながら当日を迎えましたが、そんな心配は全く不要でした。ワークも満員御礼。何人もお断りをしなければなりませんでした。ブースの外でも常に説明をしているような状況で、休む間もほとんどありませんでした。

ワークに参加して下さったお子さんの親御さんからは「実験動物のブースと聞いて、一瞬参加をためらったけど、お話を聞いて実験動物の意義、大切に管理されていることがよくわかり参加してよかった」などのお声をいただきました。

ブースの外でも「これぞ、サイエンスアゴラというような、対話が必要なテーマですね。」など好意的な声を多くいただきました。他にも「こういった正しい情報がまとまったウェブサイトがあると助かります!」というお声も頂きました。

◎参加してみてどうだった?


このような形で一般の方の多くいる科学イベントに出展をするというのは業界でも初めてのことだそう。参加して下さった実技協のみなさんからは「自分たちが参加者に教えるという思いで参加したが、想像以上に実験動物の意義を理解されていて自分たちが励まされた。」「どうしたら伝わる話し方になるのか考えさせられた。また参加したい。」といった声を頂きました。

実技協の皆様にとっても、参加者の皆様にとっても有意義なイベントができたのではないかと思います。

◎ゆっこより


今回は参加者として実験動物のおうち作りと作業着を着るワークを体験させていただきました。ラットとマウスで好きなこと(習性)が違うこと、技術者が気をつけていること、作業着のことなど、知らなかったことがたくさんあり、勉強になりました。

2021年に行なった対話の場が、こういう形で広がっていく様子は、まるで海の波を見ているようで、不思議な気持ちになりました。
今回はどうねむとしてサイエンスアゴラに参加することはなかったですが、今後の活動の参考にさせていただきました。実技協のみなさん、わたなべさん、お疲れ様でした。

◎わたなべより


未熟者ながら大きな学会さんを巻き込み、1つのイベントを作り上げることができました。サイエンスアゴラ2021を実施後様々な出会いを頂き、皆様のお力を借りながら作り上げることができたイベントです。

実験動物は決して表舞台に出るような動物たちではありません。しかし、私たちが生まれてから死ぬまで、様々な形でお世話になっている動物たちなのです。実験動物について何も知らなかった頃、私も実験動物反対!と思っていました。しかし、知れば知るほど、簡単に反対できるようなものでないことが分かりました。実験動物について良くはない印象を持たれがちなのは、そもそも「知ることができる」場所が少ないことが問題ではないでしょうか。

これからも皆さんと一緒に様々な形でサイエンスコミュニケーションを作っていけたらと思います。みなさん本当にありがとうございました。

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