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朝霧スオウとは何なのか【ブルアカ考察】

某所で書き連ねていた考察を整理して記事にまとめたものです。
ブルーアーカイブのメインストーリーVol.1対策委員会編第3章「夢が残した足跡」part3までのネタバレを含みます。

0.朝霧スオウに対する疑問提起

唐突にホシノに喧嘩を売ってきたスオウを返り討ちにしたシーン


私が最初に抱いた疑問も全く同じだった。
おまえなんなんだよ!!

朝霧スオウの何もかもが第3章の黒幕・地下生活者にとって都合が良すぎるのだ。
経歴も、行動も、タイミングも、知っている情報も全て。
まるで最初から地下生活者のために生まれてきて存在しているようで薄っぺらい。

Q.朝霧スオウは何なのか?

A.地下生活者の都合の良い駒だよ。それ以外なんてないよ。

そう結論付けても良いだろう。
実際この説でほとんどの人は納得できるだろう。
朝霧スオウの不自然な行動がこの全てで説明できてしまう。
あるいはこのような結論も導き出せる。

A.シナリオの都合で動いているだけだよ。

これはブルーアーカイブが創作物である時点で覆せない真実だ。
だから全ての人が納得できるはずだ。

だが私は納得ができなかった。私はひねくれ者なのだ。
そして私はブルーアーカイブのシナリオを信頼している。
対策委員会編1&2章も、時計じかけの花のパヴァーヌ編も、エデン条約編も、カルバノグの兎編も、百花繚乱編も、そして最終編もとても楽しかった。
だから対策委員会編第3章をもっと楽しめるように、私は考察をする。


白州アズサの価値観を象徴する台詞がある。

「たとえ全てが虚しいものだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない」


たとえ脚本の人そこまで考えてないと思うよと言われようとも、
蓋を開けた箱の中に期待していた中身が無かったとしても、
それは考察をしないという理由にはならない。

何より私は朝霧スオウのことをもっと好きになりたい。
見た目が好きだった。片目隠れで薄い金髪で表情が少なくておっぱいがでかくて黒コートで軍人気質でおっぱいがでかくて脱いだらすごくておっぱいがでかくて可愛いから好きなのだ。後おっぱいがでかい。

だから上記画像の小鳥遊ホシノのセリフをもう一度読んで、意味を考えた。

これはシナリオライターからの挑戦状だ。
わざわざ作中の容量を割いたのならば、そこには意味がある。
要は国語の「この時の作者の気持ちを答えよ」なのだ。

Q.作者はどういう意図でこのセリフを書いたのか

A.朝霧スオウが何なのか、考えてほしかったのだ

そして朝霧スオウの事を考えた結果、点と点が線でつながり星座になった。

1.朝霧スオウの神秘はセトである

可愛い。

こんな可愛い女の子の神秘(モチーフ)があのエジプト神話のセト?
流石にそれは朝霧スオウに対してライン越えすぎる?

大体ブルーアーカイブにはセトの憤怒という敵キャラが登場済みだ。

シュポガキにつられて初めたばかりなんで全然勝てなかった

しかしこのセトの憤怒と戦う前に登場するのが対策委員会3章の黒幕の地下生活者。

地下生活者と先生に面識があるような会話をしていることから、ここの会話の時系列は対策委員会3章後であると推測できる。

そして面識があるのは地下生活者に対してだけでなく、セトの憤怒についてもまた「先生がよくご存じ」になるような何かが起きることも推測できる。


ブルーアーカイブにはそれぞれの生徒に神秘(モチーフになるような神や概念)があると仄めかされている。
その中で具体的に名前を作中で提示されたのが小鳥遊ホシノの暁のホル…と十六夜ノノミの家のネフティス、砂狼シロコのアヌビス。

アビドス対策委員会の生徒たちについて、これだけモチーフに付いても作中で触れられているのならば。
そしてキヴォトス最高の神秘=小鳥遊ホシノと定義されているのなら、
ホルスの敵として最も相応しいセトが生徒として出てこないはずがない。

地下生活者は対策委員会編第3章をボードゲームに見立てている。
そして狙いが小鳥遊ホシノならば、駒としてセトモチーフの生徒を選ぶのは理に適う。

そのことを念頭に置いてスオウの経歴を振り返ってみると、

  • 十六夜ノノミ(ネフティス)の護衛として共にハイランダーに入学する予定だった

  • しかし十六夜ノノミが急遽進学を撤回してアビドスに入学し護衛の話はなくなった

アビドスがオシリス信仰の聖地であることは周知の事実。
上記の経歴はオシリスにネフティスを寝取られたセトの経歴と一致する。

そして十六夜ノノミがアビドスに通い始めてから砂狼シロコ(アヌビス)がアビドスで発見されることも、神話の時系列と一致する。

また、朝霧スオウはアビドスという土地を「呪われた土地」と称し、かと思えば「呪われた地とは別れを告げる」とも言う。
アビドスと朝霧スオウに少なからぬ因縁があることが見て取れる。
本人はアビドスの者ではないと一度否定していたが、アビドス出身であるならばこの言動に筋が通る。

朝霧スオウの現在の所属はハイランダー鉄道学園。
アビドス(エジプト)から見てハイランダー(スコットランド)は外国だ。
エジプト神話のセトはエジプトで生まれた神でありながら、異国の神でもある。
これはエジプト文明がナイル川を中心として栄えたことに由来しており、ナイルの恵みで湿った土地を黒、苛烈な太陽とそれによって乾いた砂漠の土地を赤とした。
砂漠を司るセトのイメージカラーも赤であり、砂漠の向こうからくる脅威の象徴ともなったためだ。

朝霧スオウという名前を考えてみよう。
朝霧草の花言葉は脚光・喝采・慕う心・光
花蘇芳の花言葉は豊かな生涯・疑惑・裏切り
セトという神は始めはラーの乗る太陽の船の護衛という立場であったが、世が下るにつれて一転して悪神としての誹りを受けることとなった。

蘇芳色は赤い色をしており、今昔物語では流れ落ちて凝固した赤黒い血の色として用いられている。
セトのイメージカラーと一致する。そしてセトは戦争の神でもあるから、流れ落ちる血液の色であることに疑問の余地はない。

朝霧スオウの性格を振り返ってみる。
彼女は事あるごとに「勝利」「最強」に固執していた。
エジプト史においてファラオがセトに求めたものは戦争に打ち勝つ強さであった。
セトの名を冠するファラオが誕生した第19王朝は古代エジプトが最も栄えた時代だと言える。
最も偉大なラムセス2世の墓にも「セト神、すばらしく力強きもの」と刻まれるほどだ。
しかし神話ではホルスに敗北するのがセトの運命(ということにされた)訳であるから、作中でホシノに劣る強さであることにも疑問の余地はない。

つまり、解答はこうだと言える。

Q.朝霧スオウは何なのか?

A.セトモチーフの生徒だよ。



2.朝霧スオウの過去を考える

考察とはモチーフを言い当てて終わりではない。

なぜならばモチーフはどこまで言っても元ネタであって、そのキャラクターそのものでは無い。

ブルーアーカイブ作中でもそう提示されている。
シロコ*テラーは死の神アヌビスだが、シロコ*テラーには固有のパーソナリティがあった。

生徒を見ずにモチーフの神としてしか見ないという行為は無名の司祭と同じ行為ではないのか?

だからキヴォトスに存在する一人の生徒・朝霧スオウの気持ちを考える。
それが生徒の味方になると決めた先生の仕事ではないだろうか。


まずは朝霧スオウが語る経歴をもう一度振り返る。

  1. 学校に所属しない流れ者

  2. カイザーの傭兵

  3. ネフティスの使いっ走り

  4. ハイランダーの異邦人

  5. 私募ファンドのスパイ

1から2の経緯については不明。
2はカイザーPMC(民間軍事会社)に所属していた事が提示された。
2と3の間についても詳細は不明。
3は護衛については直前で撤回され、以降はネフティス側は最近まで連絡を取っていなかった。
4もちょっと意味不明。ハイランダーに人が住める自治区はないため出自のことではないはず。
5以降は地下生活者が何らかの介入をした後なので今は除外。

1.学校に所属しない流れ者

朝霧スオウの気持ちになりながら、一つずつ考えていく。
朝霧スオウは己の強さにかなりの自信を持っていることが言動から伺える。

キヴォトスの学校に籍を置くことは国や自治体に籍を置くことに等しい事と言えるため、
学校に所属しない生活というのは相当険しい道のはずだ。

だが仮にアビドス出身だと仮定すると、いくつかの推測ができる。
通うはずの学校が閉校したかもしれない。そもそもアビドスで生活するお金が無かったかもしれない。
財政状況が壊滅的で借金返済の未来もない、在校生も一桁しか居ない場所に所属するメリットが薄い。
学校に所属せずフリーランスとして稼ぐほうがマシだと考えてもおかしくはない。
先の見えない借金を返済するために学校に所属するよりも、今日を凌ぐために働くほうが合理的だ。

2.カイザーの傭兵

そこで未来を開く鍵になったのは朝霧スオウ自身がもつ強さだ。
強いから仕事ができるし強いからお金が手に入る。

そうして強さを買われてカイザーPMCに雇われた。
しかし何かがあったのか、朝霧スオウはカイザーを離れ行き場を無くした。

もしこの居場所に満足していたのならば、今もカイザーPMCとして働いていたはずだ。
彼女がカイザーを自分の居場所だとは思えなかった事だけは確かである。
小鳥遊ホシノに劣るというだけで、むしろ昼間~夕暮れ周辺まで敗北しない継戦能力の高さはカイザーからみて重要な戦力だ。

だが、現実に彼女はカイザーを離れた。

3.ネフティスの護衛/使いっ走り

なぜ学校に所属しない流れ者の彼女をネフティスの幹部が目をつけたのか?大切なお嬢様の護衛にするならば身辺が明らかな者のほうが適任のはず。
考慮されるリスクを補って余りあるほどにスオウの強さが魅力的だったのだろう。

朝霧スオウにとってはこれ以上ない誘いのはずだ。
先の見えない真っ暗な生活に光明がさしたことだろう。

ハイランダー鉄道学園に正式に入学することが出来る上に未来の生徒会長とコネができる。
ハイランダーに路線以外の自治区はないが、キヴォトス中を巡る路線の実質的な支配権を持つのが十六夜ノノミ生徒会長(予定)だ。

籍を持たない人間がこれ以上の栄光を掴むことなど出来るだろうか?
護衛契約で支払われる報酬は今までの報酬とは桁がいくつも違うはずだ。
首を縦に振らない理由がない。

中学卒業時点ではハイランダーに行く予定だった
桜の蕾が膨らんだ頃にも、まだ、その予定はあったのかもしれない

今か今かとその時を待っていたはずだ。
新しい制服を見て、入学書類を読んで、これから明るい青春が待っている筈だと。
たった3年間をネフティスのご令嬢を守るために費やすだけで、得られるリターンはあまりにも大きい。

もしかしたらとても仲良くなれるかもしれない。

そうなったら卒業後も安心だ。
ネフティスに入社して、次期社長の腹心として幹部にだってなれるかもしれない。
もう未来に怯えなくていいんだ。

そんな夢を思い描いてしまってもおかしくはない。
例えどんな夢を見ていたとしてもその夢が叶うことは無かったのだが。

ホシノもノノミも夢に囚われていた、ならばスオウだって夢に囚われていてもおかしくはない

十六夜ノノミの入学キャンセルでハイランダーとネフティスの協力関係に亀裂が入り、
ネフティス中で広がる混乱の最中で朝霧スオウの存在は忘れ去られてしまった。

朝霧スオウは一人でハイランダー鉄道学園に入学した。

4.ハイランダーの異邦人

今までは彼女の強さが未来を切り開いてきた。しかし今はどうだ。
戦いに負けたわけじゃないのに、思い描いた未来を得られなかったのだ。

護衛をしないなら何のためにここに居るのだろうか。
お金がもらえないのなら何のために入学したのだろうか。
守るべき理由がないのにどうしてここにいるのだろうか。

朝霧スオウについて考えていると青春のアーカイブが無限リピされる…
なのでみんなも青春のアーカイブを聞こう(ダイレクトCM)

閑話休題、前述の通りハイランダーの自治区は鉄道。
一応各自治区上に走る路線ごとに派閥があることは仄めかされているが、
出自や種族で入学者が差別されるとは考えにくい。

ただし朝霧スオウの入学は十六夜ノノミの入学ありきの物。
ハイランダーとネフティスの協定の結果二人は入学するはずが、いちばん重要な十六夜ノノミは入学せずに朝霧スオウだけが入学したことになる。

経歴が判明した後だと意味がわかって怖くなったシーン

居心地が悪くて当然だ。
そんな場所を私の居場所だと胸を張って言えるはずがない。


もしかしたらスオウが護衛であることは極秘だった可能性もあるのですがこれは後述
重要なのはスオウの視点・認識ではどうだったかだ。
自らをハイランダーの異邦人と称している以上、己をそこに居るはずのない異物だと認識しているのだから。

護衛契約が破断した時点で朝霧スオウがハイランダーにいる理由はない。
だが彼女はハイランダー管理室の監督官の地位にまで上り詰めて現在に至る。

本当は何者なのか、何を考えているのか。ここでも問われている

何故だろうか。
認めてほしかった?もう一度声をかけてほしかった?復讐する機会を待っていた?
忘れられたくなかった?意地だった?見返してやりたかった?

私には、ネフティスに対して愛憎が渦巻いていたように思えてならない。


番外編1:当時のネフティスの狙いについての推測

過去結ばれるはずだったハイランダーとネフティスの協力関係について考えよう。
中学生の十六夜ノノミは入学後は生徒会長にもなれる、と言っていた。

キヴォトスにおける生徒会長という肩書はその高校が管轄する自治区を支配する頂点。
ハイランダーの自治区はキヴォトス全体に巡らされた鉄道ですから、この全てをネフティスが支配できる、ように思われるが実態は異なる。

ハイランダー特有の政治事情として生徒会組織のCCCと理事会直属の監理室が敵対関係にあることが3章の初期段階で提示されている。
十六夜ノノミ生徒会長が仮にネフティスの思惑通りに動こうとしても、ハイランダーから妨害が入ってしまうことは想像に難くはない。

有り体に言ってしまえば、十六夜ノノミはネフティスが暴走しないための人質だ。
そして人質を手元に置けるからこそ、ハイランダーは安心してネフティスと”協力”関係を結べるのだ

ここからはネフティスの視点に立ってみましょう。

確かにお嬢様一人を差し出すだけで、最高でも50:50の協力関係が結べますね。
落ち目のネフティスなら協力できるだけでも計り知れない恩恵があります。

しかし、こうは思いませんか?

ハイランダーを真に支配できれば、キヴォトス全域の鉄道路線が手に入る。キヴォトスの鉄道交通機関の全ての利益がネフティスのものになる。

生徒会長となったお嬢様の最大の敵はハイランダー監理室。
でも、そこにネフティスの内通者を送り込めたらどうでしょうか?

もちろんハイランダー側も警戒していることでしょう。
絶対にバレないような人材を用意しなければなりませんね。

過去にネフティスと関わっていたような生徒は相応しくありません。
どんなに経歴を探られてもネフティスと無関係だと言えるような生徒が必要です。

そう、例えばどの学園にも所属しておらず、あまつさえネフティスと敵対関係にあるカイザーに所属していたような、ネフティスがお嬢様の護衛に選ぶとは到底思えないような素行の悪い不良生徒なんかどうでしょう?

これは明らかにハイランダーに対する背信行為ですから、絶対にバレてはいけません。
入学はネフティスとは無関係なものとして行います。
お嬢様とは無関係な人間として入学してもらいます。
そうして中枢まで静かに潜り込ませて、影からお嬢様をサポートしていただく。

護衛というのも嘘ではありません。
ハイランダーがお嬢様を本当に人質にして要求を飲ませてくるかもしれないでしょう。
そんな事にならないように、万が一の時はハイランダーを裏切ってでもお嬢様を守ってもらいます

万が一も何も、最初から彼女はハイランダーの裏切り者なのですがね。

-ここまでが私の脳内のネフティス幹部の執事の気持ち-


そしてアビドスに護衛として朝霧スオウが来なかった理由にも説明がつく。

十六夜ノノミの入学キャンセルは直前に決まったことだ。
同じタイミングで何の関係もないスオウが入学を取りやめた場合偶然とは思われない
ハイランダーがネフティスの関与を疑うのは想像に難くはない。

事前に話を通して「お嬢様の護衛も入学させます」ならばハイランダーは二人をまとめてCCCに入れて監視すればよかった。

しかし話を通さずにネフティスが新入生を潜り込ませてきたという事実は信頼関係を一瞬で破壊させる。

ただでさえお嬢様という人質を取れなかったのにそんな裏切りまで発覚した場合ハイランダーはネフティスと組む理由が無くなるのだ。

そして護衛だけがハイランダーに入学したという奇妙な事実が残った。

当時のスオウにネフティスはどういう説明をしたのだろうか。
時が来るまで待て?それとも一方的に蜥蜴の尻尾切り?

…という推測だ。あんまり根拠がないので番外編で。

ちなみに現在は朝霧スオウとネフティスが雇用関係を結んでいることから
十六夜ノノミと朝霧スオウの間に関係性が生じているので完全にネフティスに有利な状態には持っていけない。

現在の理事会が十六夜ノノミ生徒会長プランに重きを置いていない理由としても説明できる。

3.朝霧スオウの現在を考える

ここからアビドス対策委員会編3章でのスオウについて考えていく。

最初は梔子ユメの契約書を発見したCCCが砂漠横断鉄道の工事を進めた結果、アビドス対策委員会の面々と衝突た所の仲裁役として登場した。

ここでの彼女の認識はハイランダー監理室の管理監督官。

後から読み直したら彼女の心境が伺えるシーン

その後私募ファンドと対策委員会の会合になり部外者として退席しようとしたところをネフティス幹部の執事に止められて、ネフティス代理として場に残る

一度契約を打ち切っておいてその後すっかり忘れた相手にやらせることじゃない。
しかし、この時点から彼女の認識はネフティスの代理になる。
ここから朝霧スオウはネフティス代理としてストーリーに登場する。

損害を与えた対象にスオウも含まれていると判明した今だと味わいが異なる

少し時間は飛んで十六夜ノノミが一人で執事に会いに行った問題のシーン。
ここでもネフティス幹部の代理として、通信で応答する執事の代わりに現場に居た。

身内に頭を下げさせたところで、何になるんだ。」

これは執事と十六夜ノノミの関係を指して身内と称しているのは明白だが、もしかしたら彼女自身のことも含んでいたのかもしれない。

しかしどちらにせよ、執事に
あなたの意見は求めていない」「これはネフティスの話ですので
と切り捨てられた。

そしてノノミを人質にするために気絶させ、最初に執事に尋ねたのが
ハイランダーの生徒会長になるよう言っていたのは嘘だったのか

すこし状況を整理しよう。

ネフティスとハイランダーの協力関係は過去に破綻しかけた、とあった。
つまり現在は無事に協力関係が結ばれているということだ。
そのため十六夜ノノミが入学せずとも、ハイランダー側は問題はない。

よってこのスオウの発言はハイランダーの監督官としての言葉ではない

そして、ネフティスの言葉でもない。

列車砲がネフティスのものになれば、現在協力関係を結んでいるハイランダーも利益を得ることが出来る。

執事にとって朝霧スオウはハイランダーの人間なのだから、ハイランダーが不利益を被る言動をここでするはずがない。
ハイランダーに対する裏切り行為ではないのだから、執事はスオウの裏切りに気づくことが出来なかった。

では私募ファンドとしての発言だろうか?
私募ファンドにとって十六夜ノノミが生徒会長になろうが関係はない。
それに朝霧スオウに私募ファンドに対する思い入れがあるとは読み解けない。タヌキダイスキ工業の一人娘だったとか後から開示されない限り。

カイザーPMCについても同様だ。
所属の過去を明かされたすぐ後に裏切っているのでここも彼女にとって重要じゃない。

朝霧スオウとネフティスの関係性が彼女の描写の大部分を占めている。
それならば、だ

これこそが他の誰のものでもない朝霧スオウの気持ちではないだろうか。

十六夜ノノミを生徒会長にする。
未来のないアビドスなんかで遊ばせているよりも、ネフティスに得があるのだからそうしないはずがない。
その為にネフティスに護衛として選ばれたのだ。
そしてまたネフティスに選ばれたのなら、その為に決まっている。

そう信じていたのだ。執事に尋ねるまでのその時までは。

「当然でしょう。お嬢様には生徒会長よりも相応しい役割を果たしてもらいます」

そもそもの話、ネフティスが十六夜ノノミの進路に社運をかけていたのなら
どんな手段を使ってでも、あらゆる手段を用いてでもハイランダーに進学させたはずだった。

未来も何もないアビドスに進学なんて許すはずもない。

だが、過去にネフティスはそうはしなかった。

政治の道具として使うけれど、甘いところもあるのが結局は身内というか家族というか

そして、現在もそうするつもりはない
執事は口論のなかで「お嬢様を強制的に入学させても良い」と言ったものの、
最後の方では「理事会の決定」でそうするつもりはない、とも言った。

端からハイランダー入学&生徒会長にさせるという言葉はただの脅し文句だった。


十六夜ノノミを人質として確保した後に、朝霧スオウは私募ファンドにネフティスの裏切りを通告した。
そして上記画像の後には、カイザーPMCと共にネフティスを裏切った。

上記から導き出せる朝霧スオウにとってのネフティスの裏切りとは、

十六夜ノノミをハイランダーに入学させなかったこと
また、大人に騙されたこと。
利用されてたのは他でもない自分だったこと。
そうして騙されて、守るはずの人を傷つけてしまったこと。

何がやりたかったのか。どうしてわからなくなってしまったのか。
やりたかったことに踊らされて、自分の手でそれを否定してしまったから。
夢を自分で殺してしまったから――ではないだろうか?


4.朝霧スオウの動機を考える

青春3年間をかけて守り抜くはずの相手に銃口を向けた。
気を失う彼女が助けを求めたなら、彼女は自分の名前を呼ぶはずだった。
十六夜ノノミは誰かの名前を呼んだ。

その時は当然だと思っていた。
でも騙されていたんだ、と解った後に思い返したらその意味が全く変わってしまう。

そして囚われのお姫様を一人で助けに来たのが小鳥遊ホシノだった。
本来ならそれは自分がやるべきことだった。
そこに立っていたのは自分のはずだった。
たった一人で包囲網を突破して助けにいくのが強い自分の役割だった。
でも、そこに居るのは自分じゃない。

どうして自分はそこに居ないのか?
どうすれば自分はそこに行けるのか?

たくさん大人に裏切られたけれど、まだ自分を裏切らなかったものがある。
朝霧スオウは誰かに戦いで負けたからこうなったわけではない。

ならば勝利すればなにかを得られるはずだ。
誰よりも自分は強いと証明すれば自分に意味はあるのだと言えるはずだ。
そうしたら、お姫様を守る世界でただ一人の勇者になれる。

小鳥遊ホシノが居る場所こそが自分が一番欲しかったものだから。

だから戦って勝つしかない。勝たないと得られない。私は強い。強いからここまで生きてこられた。回り道を彷徨っても強いからここにたどり着いた。

勝たないとこれまで歩んできた人生に意味がなくなってしまう。
朝霧スオウの過程には何も意味がなかったことになる
私達はみんな死という敗北を迎える。大事なのは過程に何を見出すか。
全ての苦しみには意味があったのだと思わなければ、
いつか報われるときが来るのだと思わなければ、
人間は無様に生き藻掻くことなど出来ないのだ。

しかし勝てなかった。
自負していた強ささえ意味がなかった。
朝霧スオウの心を支えていたものがこれで本当になくなってしまった。

どうしてこんなに苦しまなければならないのか。
思い返せばアビドスが全ての発端だ。
こんな砂と借金だらけの地獄のようなアビドスに生まれたから不良になった。
アビドスで大きな損失を被ったネフティス社が声なんかかけてこなければ、身の程知らずな夢を見ることもなかった。
小鳥遊ホシノがアビドスに居なければこんな屈辱を味わうことはなかった
十六夜ノノミがアビドスに行かなければこんな惨めな思いはしなかった。

アビドスが列車砲なんかを作るから、またネフティスが連絡なんかをとってくるから、そうしてまた過去の夢を見てしまったから。

いつまでも過去に囚われているのはホシノ以外にも居るのかもしれない

アビドスを破壊するという凶行に走る心理を理解できるはずだ。

5.朝霧スオウの未来を考える

ネフティスの駒、ハイランダーの駒、私募ファンドの駒、カイザーの駒。そして地下生活者の駒。

地下生活者の思惑通りに動いた朝霧スオウには、彼女だけの選択は無かったのだろうか?

だって全てが地下生活者の思い通りで、全てが最悪の未来になることに都合が良くて、だからプレイヤーは朝霧スオウに自我を感じ取れない

確かにキヴォトスに生きている一人の生徒のはずなのに、
しかしプレイヤーは彼女に心があると信じることが出来ない。


第6の古則は「非有の真実は真実か」だと地下生活者は語る。
この答えを得るために地下生活者は暗躍している。
そしてこうとも言った。

これは欲望と罪悪に苛まれる過程で、心理を追求するキャンペーンだと。

だから、私の解答はこうだ。
「非実在のキャラクターが自我のある人間だと信じられるのか」

信じられなくて当然である。
ブルーアーカイブは私達にとって現実の話ではない
シナリオライターが考えた通りにキャラクターは動いているだけだ。
そして作中でもその子が誰かに操られているような描写ばかりなのだから、どうしてその子に心があって、自我があるならこんなめちゃくちゃな経歴で、何をしたいのかわからないような行動をするのに、私達と同じ人間だと思えるのだろうか

やっぱりこの子に心なんてない。
ぜんぶ地下生活者が悪いだけ。
シナリオライターの人なんにも考えてないと思うよ。

でも考えてみてほしい。

私達が断言できるのは自分の自我についてで、他人に本当に自意識があるかなんてわからない。
自分以外が高度にプログラミングされたNPCではないと、断言できる?
いや、そもそも本当に私の意思は私だけのもの?

私を操っている上位次元生活者が存在しないと断言できるのだろうか?

そうと気づいた途端大声を上げたり手足をばたばたさせて、ほらしてやった!と思っても、それもまた誰かがレバガチャした結果だとしたら…

そんなくだらない事は置いといて要は「信じられるか否か」だと私は思う。
そして私は信じている。

朝霧スオウには確かに人格があり、意思があり、心があり、悩みがあって望みがあって苦しみがあって、悲しむこともあれば喜ぶことだってこれからあるのだと。

キヴォトスの中で彼女は確かに一人の生徒として生きているのだと。

それはシナリオの人が作った人生だけど、もしかしたら地下生活者が全部用意したキャラシートだったかもしれないけど、

それでも彼女はその人生を自分の足で歩んで、自分の心で選択したのだ


そして、朝霧スオウの選択が地下生活者の致命傷となった事を証明する。

何故こんなギリギリで負けるような状況に陥ったのか?
それは先生と対策委員会がホシノに追いついて、説得できそうだったから。

そもそも、何故先生たちは間に合ったのか?
移動するには高速鉄道が必要で、ハイランダー鉄道学園が助けてくれたから。
特に橘姉妹の複線ドリフトがなければカイザーに囲まれていた。

何故助けてくれたのか?
それはカイザーが私募ファンド勢力に攻撃する最中に、ハイランダー鉄道学園のみんなが巻き込まれていたのを先生たちが助けたからだ。

その場に橘姉妹が居てよかった。しかし何故二人はその場所にいたのか?

ネフティスの裏切りを私募ファンドに広めた直後の通信

それはスオウが何かを橘姉妹に伝えた結果、二人は現場に急行したからだ。このシーンは3章のエピソード16「反撃」にある。

その後ハイランダー鉄道学園はカイザーから攻撃を受けてしまった。

何故か朝霧スオウの具体的な言動が伏せられているが、内容は概ね推測できる。

「非常事態だ。戦いが始まるからすぐに撤収しろ」

朝霧スオウはカイザーのスパイもであり、3章Ep16「反撃」の時点でネフティスを裏切るつもりであるならば、その後の混乱を予測できても不思議ではない。
だからこの行動は何もおかしくはない。

Q.何故朝霧スオウは橘姉妹に非常事態だと伝えたのだろうか?

この行動の結果、橘姉妹が現場に急行し撤収作業の指揮を取り混乱に巻き込まれたのだ。
この行動がなければ、先生たちが間に合うことはなかった。
この行動のせいで、地下生活者はもう少しで負けていた。

ならばこの行動は地下生活者の意図とは異なる行動であった。
そう言えないだろうか。
そして理由は一つしか考えられない。

A.ハイランダー鉄道学園の生徒が騒動に巻き込まれないようにするため

先生が列車砲の元へたどり着けないように足を奪うため?
この時点で朝霧スオウはセクター35-9を知らない。
その地点まで高速鉄道が必要であることも知らない。
カイザーがヘリを用意することも知らない。
ハイランダー鉄道学園を撤退させれば己の移動手段が無くなる恐れがある。

地下生活者が最初からセクター35-9を知っていたから?
ならば十六夜ノノミのカードを得た時点で走り出したはずだ。
最初から知っているのであればハイランダー鉄道学園はもっと早い段階で撤収させるべきだ。
十六夜ノノミのカードを確保した直後に列車砲まで行き、列車砲に乗りアビドス中を破壊しながら小鳥遊ホシノのヘイローを破壊または共倒れを狙うののがスマートだ。でもそうはならなかった。
撤収を指示するタイミングは明らかに遅い。
事実、間に合わずに巻き込まれている。

この撤収指示は間違いなく朝霧スオウの意思に基づくものだ。
誰に言われるまでもなく、彼女が自分の頭で考えて選んだ選択だ。
何より、ストーリー展開の都合だとしても明らかに不自然である。

彼女の連絡が有ろうと無かろうとハイランダー鉄道学園が襲われることに変わりはない。
結果的にはただの無駄な行動だ。
その場に橘姉妹が居なかったから、ストーリーの都合上移動させるために必要だった?
ならば最初から橘姉妹が現場にいた事にすれば良い。
しかしシナリオライターはそうはしなかった。

朝霧スオウが混乱をリークし、それを聞いた橘姉妹が現場に急行した。

この事実が重要だからわざわざテキストを費やして入れたということだ。

Q.何故朝霧スオウは橘姉妹に非常事態だと伝えたのだろうか?

A.ハイランダー鉄道学園のみんなを守りたかったから

もし、彼女がどうでもいいと思っていたのなら連絡する必要はない。
でも連絡したのだから、それが事実だ。

信じられないだろうか。いや、私は信じたい。
大事な青春3年間を誰かを守るために費やしても良いと、一度は頷いた彼女が誰かを守りたいと思うことはおかしいだろうか?

そしてこの余分が彼女の凶行を思い留まらせる一因となるだろう。

先生が列車砲の元にたどり着けたおかげでアロナが解析できた情報がある。
列車砲の破壊は広範囲に被害が及ぶ。
そもそも砲撃の時点で太陽と同じ温度のプラズマが発射される。
つまりどちらも阻止しなければならない。

まずは小鳥遊ホシノを止める必要がある。
これは足止めするために空崎ヒナを呼び、あとは先生が追いついて小鳥遊ホシノに上記の事実を伝えるだけで解決する。
梔子ユメが愛していたアビドスごと吹っ飛ぶとなれば彼女に列車砲を破壊する意思はなくなるだろう。

次に朝霧スオウを止める必要がある。
朝霧スオウに列車砲のリスクを説明しても止まらない
呪われた土地と呼ぶほどに憎んでいるアビドスが消し飛ぼうとも、己の人生の無意味さを痛感しているであろう彼女自身が消し飛ぼうとも、彼女は止まらない。
彼女を言葉で巧みに攻撃して、たった一人自ら命を絶つように仕向ければアビドス校舎は守られる。だがそれは先生が成すべきことではない。

朝霧スオウは何をやりたかったのかを提示する。
朝霧スオウがやりたかったことを応援する。
それが先生のやり方であり、そのための情報を先生は持っている。

朝霧スオウがハイランダー鉄道学園の生徒たちを逃がそうとしたことを先生は知っている。

そしてハイランダー鉄道学園の生徒たちがまだアビドスに留まっていることを朝霧スオウは知らない。

朝霧スオウの視点で考えてみれば、
撤退命令を出したのだからハイランダー鉄道学園の生徒が撤退していないはずがない。
しかし実際には監督官と連絡が取れないことを良いことに工事を再開し、アビドス対策委員会と先生をセクター35-9に送り届けたのだ。
そしておそらく、part3終了時点でもまだアビドス内に滞在しているだろう。

だからきっと先生はこのように問いかける。

Q.君はハイランダー鉄道学園の生徒たちも巻き込むつもりなの?

一度守ると決めたものを傷つけてしまった彼女が出来るだろうか?
ハイランダー鉄道学園の生徒たちを逃がして守ろうとした、という事実さえも否定できるのだろうか?

CCCに敵対的な監督官という立場である己をみて、助けてくれると信じて疑わなかった彼女たちを裏切れるのだろうか?

思えば、朝霧スオウは様々な陣営を裏切ってきた。
だけど橘姉妹の前では一度も裏切ったことがない。

言葉ではなんとでも言えるが彼女の取った行動は橘姉妹を助けるものだ。
対策委員会に橘姉妹の代わりに頭を下げたのも彼女だった。

それまで嘘にしてしまったら、裏切ってしまったら今度こそ彼女には何もなくなってしまうではないか。

先生ならきっとそのようにして、朝霧スオウという生徒の味方になってくれるのだと信じている。

それに、先生ではないプレイヤーは彼女が何者であるかを知っている。
最初から最後まで、彼女がであるか。ずっと提示されてきたのだから。

初めて登場したこの時も

制服を脱ぎ捨てた後も

アビドス生徒会の小鳥遊ホシノに敗北したこのときも

彼女の肩書はハイランダー監理室だ。
ハイランダーの異邦人だと思い込んでいるのは彼女だけで、きっとハイランダー鉄道学園の生徒たちは彼女のことを仲間だと思っているはずだ。

そして、朝霧スオウのピンチに彼女たちが駆けつけないはずがない。
戦いが始まるから撤収しろと言われて、自分たちだけ逃げずに生徒たちを避難させようと現地へ急行したような彼女たちが。
一度助けてくれた対策委員会を助けてくれるような、義理に厚い彼女たちが見捨てるはずがない。

小鳥遊ホシノを止めるための人手が必要だった。だから先生は空崎ヒナを呼んだ。
朝霧スオウを止めるためにも人手が必要だ。だから先生は橘姉妹を呼んでもおかしくはない。

これで朝霧スオウを止められる。
そして彼女の小さな選択が、地下生活者の致命傷となる。
これこそが私の解答だ。

Q.朝霧スオウは何なのか?

A.キヴォトスで生きている一人の大切な生徒だよ。


以上を持って朝霧スオウに対する考察を終了させていただきます。
ここまでの長文を読んでくださり誠にありがとうございました。



以下は蛇足です。

番外編2:セトの憤怒とは何だったのか

朝霧スオウの神秘がセトというところまではいい。
しかし朝霧スオウとセトの憤怒の関係性について、これだ!といえるような解答をみつけることができなかった。
というわけで以下に根拠と自信が薄い推測を書いておく。

1.並行世界の朝霧スオウの末路説

シロコ*テラーは名前にテラーがついているけれど崇高らしい
そもそも色彩に触れるなどすると生徒としての肉体が崩壊するらしい事がセイアの状況から見て取れる
シロコ*テラーは肉体と精神と砂狼シロコの経歴を保ち続けている状態で死の神アヌビスの権能をもつ
朝霧スオウが何らかの理由でテラー化した際に肉体が崩壊した成れの果てがセトの憤怒ではないか
朝霧スオウの持つ人格・経歴を一切継承せずアビドスを呪う怒りという指向性をもったセトがセトの憤怒ではないか

ただ地下生活者が語るには神々の星座に祀られたときから「セトの憤怒」だったらしい
ということでこの説はあんまり自信が持てない

2.朝霧スオウの親のようなもの説

ブルアカのメインストーリーには何故か生徒の親が出てこない
卒業後の生徒も出てこない
そこで考えたのが神秘の元ネタの神/概念の分け御霊が生徒
これだとAという神秘を宿した生徒Bが寿命を終えた時に、同じ神秘を宿す生徒Cが生えてきても不思議ではない
そして朝霧スオウの親がセトの憤怒で、セトの憤怒の一部分がキヴォトスで生徒化したものが朝霧スオウではないか
彼女の持つアビドスへの怒りは大本のセトの憤怒が持っていたものではないか

これは結構納得しやすい
アビドスを襲う砂嵐がセトの憤怒の仕業っぽいし
生徒はRULE BOOK(コデックス)の中の存在だから更新の影響をうけるが
セトの憤怒は学園都市の概念以前から存在するものだ
じゃあセトの憤怒がアビドス高校/アビドス帝国に怒っている理由は何?
名前がクソ気に入らねえという理由でも納得できる
おそらくセトにとってアビドスっていう名前がド級の地雷ド地雷
セトの名を冠したファラオが生まれた第19王朝でさえアビドス(オシリス信仰の聖地)にセトの名前を刻むのはちょっとね…と日和ってモンチュウ神の名に書き換えたりしている
利益だけ掠め取って名誉を与えないのだから神に対する冒涜に他ならない

ただやっぱり「砂漠の神セト」とかではなく「セトの憤怒」なのが引っかかる

3.朝霧スオウとセトの憤怒は全く関係がない説

こうであってほしい
朝霧スオウには幸せになってほしい
そもそも朝霧スオウ=セトモチーフの生徒説が間違っているかもしれない
それなら彼女が幸せになれるからオッケーである

しかし地下生活者が朝霧スオウを怒らせた結果、
「学園都市キヴォトス」というボードゲームの外に居る神の怒りを買ってくるしい…くるしい…する羽目になるのは大変芸術的
という理由でやっぱり関係があるんじゃないかなと思っている


番外編3:地下生活者を攻略する方法を妄想

地下生活者が用意した4つの攻略法が全てブーメランとして返ってくる以上の芸術は存在しないだろう

1.既に起きた出来事は変えられない

これのお陰で朝霧スオウ地下生活者がキャラシを用意した空っぽPC説を否定できる
過去に干渉できるならば地下生活者はいくらでも上手くやれちゃうからね
第3章で発生した事柄も今後変えられることはない
ということを踏まえると既に地下生活者は詰んでいる

決定的な箇所はシャーレ爆破で先生とアロナが生存したこと
プラナが居なければ両者とも行動不能になっていた
しかしプラナのみが負傷したことでアロナが即時に列車砲を解析することが出来た
「破壊すればホシノもスオウも周辺も危ない」
という情報を先生が得られた時点でホシノが列車砲を破壊する未来は閉ざされた
そして列車砲を解析中のアロナとは別に地下生活者の所在を解析したプラナのお陰で先生が大人のカードで殴り込みに行くのは時間の問題である

先生に勝負を挑み無惨に敗北した事実は未来永劫消えることはない

あるいは、朝霧スオウを駒にした事実は変えられない

2.肉体には物理的な限界がある

ホシノの無敵のように思われる肉体にも限界があることの示唆のはず
だが地下生活者に「死」という終わりがあることも示されている
殴り続けたらいつか死ぬということだ

ところでセトの憤怒に肉体はあるのだろうか
前口上によれば砂漠・嵐・雷とその力が意味する憤怒という観念らしい
本質がそれならばセトの憤怒に物理的な限界が無いということでもある

3.心は予測も制御もできない

盤上の駒の感情を煽るような形で動きを扇動しているのだろう
ホシノの心の闇が彼女を単騎突撃させる原因となっている
ネフティス幹部の執事はお嬢様が大切でもあるし、アビドスに申し訳無さもあり、列車砲でかつての栄光を取り戻したいという気持ちもあった

特に地下生活者の思惑通りに動かされているのは朝霧スオウだ
彼女の心をもっとも蔑ろにしているのが地下生活者だとも言える

ところで、彼女の心の何もかもを全て制御できているのだろうか
予測も制御もできないと言ったからにはちゃんと守ってもらいたい

4.小さな傷が致命傷となる

小さな傷多すぎないか?
これじゃあどれが致命傷になるのかわかんないよ
でもできれば朝霧スオウ関連であってほしいね
飼い犬に手を噛まれるのが一番芸術的なので

番外編4:梔子ユメと朝霧スオウ

1.梔子と蘇芳の関係性

クチナシと蘇芳をあわせて染めるのが紅緋色である
といってもこれだけじゃ関係性にはならないね

2.梔子ユメ=オシリスモチーフの生徒説

梔子ユメのヘイローとアビドス校章の形が似ている
緑色の髪であることやホシノとの関係性からオシリスがモチーフではないかと推測できる

オシリスとセトは兄弟であり、オシリスを殺害したのがセトである。
ということは…?
しかしキヴォトスに於ける殺人の重みから考えると、ブルーアーカイブの大切な商品になるであろう朝霧スオウにその罪を被せるだろうか
誰かに罪を押し付ければホシノの罪悪感は薄れるだろうが…

3.梔子ユメの間接的死因が朝霧スオウ説

この台詞について、最初は人生の比喩表現であると考えていた
だが本当に砂漠を彷徨ったことがあるとしたらどうだろう

砂漠を彷徨っている生徒がいたとして
梔子ユメが助けないはずがない
忘れずに持ってきた大事なコンパスを渡してしまうかもしれない

現時点では根拠のない推測に過ぎない

4.朝霧スオウが生徒会長手帳の存在を知る手段

これは梔子ユメのボイスメモである
梔子ユメの手帳の所在に付いて書かれたメモが存在していることになる
よって朝霧スオウが梔子ユメの生徒会長手帳について知る方法は

  • 梔子ユメから生徒会長手帳の存在を教えてもらう

  • 梔子ユメから生徒会長手帳を託される

  • 梔子ユメからメモを託される

  • 生徒会長手帳を何処かで見つけた

  • メモを何処かで見つけた

いずれかとなる
偶然見つけられそうな直近のタイミングはセクタ-35-9に到着した時だ
そもそもこの地点は列車砲の下へと行く駅でもあり
梔子ユメと小鳥遊ホシノが宝探しをした場所である
宝物を隠すにはおあつらえ向きの場所だ

番外編5:この考察が外れてたらどうすんの


私が芸術作品になるってことです


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