批評やレビューではない、感想の書き方紹介【国士舘アニ研ブログ】

こんにちは。鯖主です。
定例会で「note書いてねー」と呼びかけてみると「文章の書き方が分からないよー」みたいなリアクションが時々飛んでくるので、それへのアンサーとして自分なりの感想の書き方みたいなものをまとめてみます。まとめるついでに記事にします。「私はこんな感じで感想を書いてます」ってくらいのものですが。
タイトルにも書いたように批評とかレビューとか言われるものではなく、あくまでも感想の書き方です。また、ここで言う感想はネットの海に投げるものを想定しています。

さて、感想と一口に言っても「ネタバレあり」と「ネタバレなし」では想定する読み手が結構違います。まずは「ネタバレあり」感想での私の書き方を紹介します。

・ネタバレありの感想

とりあえずは書きたいことを決めることから始めてます。決める、とは言っても私は基本的に書きたいことがあって感想を書くので順番が逆ですが。
書きたいことは結構なんでもあると思います。ここが良かった、ここが合わなかった、ここで色々考えた、ここが好き……などなど。ネガティブでもポジティブでも、その作品を消費していて自分の中で何かがあったものの中から誰かと共有したいものを拾えば良いと思います。
書きたいことが決まったら、まずは「その書きたいことをどう消費したか」について思い出し、書きたいことに混ぜます。例として「とある小説を読んでいて、感動のラストシーン的な場面に嫌悪感を覚えたこと」を書きたいとしましょう。その場面で「どのような消費をしていたか」、今回は小説なので「どんな読み方をしていたか」を書くという訳です。適当に書いてみると「親友キャラに感情移入しやすいような作りに感じ、実際そのキャラに感情移入できたので、そのまま作者公認の気分で読んでいたら、最後の最後で親友キャラに感情移入していた人の大半が持つであろう思想を否定するようなセリフで物語が完結したので、このラストシーンはとても引っかかりました。言ってしまえば不快感です。」みたいな感じでしょうか。
これだと感想ツイートくらいの文量ですが、増やそうと思えばある程度までは文量を増やすことが容易にできると思います。その際、書きたいことが特定の場面でのことなら、そのシーンを何度か見返すのも良い手ではないでしょうか。
このような部分的な感想から、全体としての感想へと繋げられる文章が綺麗な感想であるように思えます。

見ての通り、読んでの通り、私は感想に含まれる要素の半分くらいは自分語りだと思っていたりします。ネタバレありの場合は特にそうですが、感想というのは別に作品紹介ではなく、語るべきはその作品を消費自分自身(が感じたこと、思ったこと)であると考えます。批評とか評論でもないので、何かを論じるにしても、それが感想である限り自分自身を外すことはできないとも思います。まあ、必ずしもその文章が評論なのか感想なのかレビューなのか、みたいな強い定義付けをする必要はないとは思いますがね。評論20% 感想80%なグラデーションの文章があっても良いと思いますし。

・ネタバレなしの感想

閑話休題。
続いてはネタバレなしの感想についてです。これは感想と言いつつも作品紹介の色も強めですね。それでも、本記事はあくまで感想の書き方紹介なので作品紹介ではない感想の書き方の紹介になります。そして、感想としてはネタバレありの下位互換的な文章になってしまうと思っています。なんと言っても、書ける内容に制限があるのですから良い感じの文章を作るのは結構難しいと思います。個人的にはあまりオススメしませんね。こういう文章は「感想の色が強い作品紹介」みたいなのがちょうど良い気がします。
さて、まず必要なのは書きたいことを伝えるために最低限必要なあらすじでしょう。ネタバレありの感想でも振り返りの意味も含めてあらすじを書くことはあるでしょうが、書きたいことを伝えるために必要かと言われたら、基本的には省略しても大して支障は生まれないと思います。想定している感想の読み手はその作品を消費した人なのでそりゃそうなのですが。対して、ネタバレなし感想で想定している感想の読み手には、まだその作品を消費していない人も含まれるので書きたいことを伝えるために最低限必要なあらすじが必要という訳です。当然と言えば当然ですが。
ネタバレなし、とは言ったもののここでそれを気にしすぎて書きたいことが伝えられなくなっては本末転倒なので、ある程度のネタバレは気にせずにしちゃって良いと思います。
あらすじまで書ければ、あとはネタバレあり感想と同じです。その時の消費の仕方を交えながら書きたいことを書ける範囲で書くだけです。だけ、ではないか。
ちょっと補足をすると、ネタバレなし感想の読み手は、その作品を消費していない人だけでなく、その作品を消費済みの人も一定数存在します。その辺は頭の片隅にでも置いていただけると良いんじゃないかなと思います。

最後にもうちょっと補足を。
テンプレというか文章の型みたいなものは既存の感想を参考にすると良いと思います。本記事では感想の型ではなく、感想の内容の話しか書いて無いのでね。自分で読んでいて、「面白い」ではなく「読みやすい」と思った感想の型を真似するのがオススメです。もちろん面白くて読みやすいのが最強。

ということで感想の書き方紹介でした。

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