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敷居の低いノベルゲームとして『ブルーアーカイブ』という作品を【国士舘アニ研ブログ】

こんにちは。鯖主です。
前回『ノベルゲーム一作目にオススメな作品5選』という記事を投稿したのですが、後々になって考えてみると『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』(以下ブルアカ)がその記事で紹介した作品以上にノベルゲーム一作目として適任な気がしてならなかったのでこんな記事を書くことになりました。
ということで本記事ではひとつのノベルゲーム作品として、またノベルゲーム一作目にオススメな作品としてブルアカを紹介していきます。

既知の方も多いでしょうが、まずはブルアカについて今一度。

『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』は、NEXON Games開発・Yostar運営によるスマートフォン向けゲームアプリ。
(中略)
プレイヤーは学園都市「キヴォトス」の先生となり、生徒たちと共に問題を解決していくというストーリーが描かれる。

Wikipedia「ブルーアーカイブ-Blue Archive-」より一部引用

要はソシャゲですが本記事ではノベルゲームとして扱っていくので、基本的に取り上げるのはシナリオパートのみとなります。

さて、まずはノベルゲーム一作目として適任だと考える理由について。
真っ先に取り上げるべきはブルアカが無料のスマホアプリ(ソシャゲ)であり、最後まで無料で物語が読めるという点にあるでしょう。それもゲームパートをやりこむ必要も無く(個人差有)物語を完走する事ができます。
大小の差はあれど未知のジャンルの大半は敷居が高いと感じられてしまうものです。しかし、スマホで遊べるソシャゲとなれば未知のジャンルと感じる人はかなり少ないでしょうし、既にソシャゲを遊んだ経験があるという人もかなり多いでしょう。
やりこむ必要が無い点や最後まで無料という点は言うまでも無いですね。時間的な制約や金銭的な制約が少ないに越したことはありません。
ノベルゲームの大半が有料かつPCでのみプレイできる作品なので、これだけでもオススメしやすいのです……

ただし、これだけならスマホアプリとしてリリースされているノベルゲーム(を含んでいる作品)全般に言える話です。そんな中でわざわざブルアカを薦める理由はノベルゲームであることを活かしたノベルゲームだからこその作品であるという点にあります。

例えば尺の長さとそれに見合う物語のボリューム。過去の記事でも散々書いてきましたがノベルゲームは物語の媒体の中では珍しく尺の制約がほとんどない媒体となっており、それ故にスケールの大きな物語もそれに見合う尺で描くことが可能なのです。これはブルアカも例外ではなくノベルゲームだからこそ描けたであろう物語が綴られています。そのうえ全体を通して読みやすく無駄が少ないため冗長に感じる事はほとんど無いでしょう。加えて独立した物語*1 が連なっている(現時点では5つ)構成になっており、それぞれ5-10時間もあれば読み切れるであろう長さなので結構手軽に読み進められるかなと思います。
シナリオに関しては後でもう少し掘り下げます。
*1 厳密に言えばそれぞれの物語は部分部分で繋がっているのですが、本記事では便宜上「独立した物語」とさせていただきます。

他にも文字表現、視覚的表現、音声表現の全てが使えることを活かしている点が挙げられるでしょう。これを特に活かしているのが演出です。具体的なことは文字だと伝えられる気がしないのですが、その片鱗が見えるモノとして下記のPVがあるので是非一度ご覧下さい。そもそもPVとしての出来が凄まじいから誰にでも観てほしい。

基本的にノベルゲームの視覚的表現は映像表現ではなく一枚絵(スチル・CG)を活かすことにあるのですが、このPVではそれがよく表れていると思います。いわゆる静止画MAD的な演出がそれにあたるでしょうか。
ブルアカは特に1枚絵の使い方が秀逸で他のノベルゲームと比較しても頭一つ抜けて素晴らしいです。

続いて肝心のシナリオはどうでしょうか。
私がブルアカのシナリオで特にすごいと思っているのが幅広い層が楽しめる作りになっているという点です。
ここで言う幅広い層というのは
・魅力的なキャラクターを求めている人
・キャラクターの関係性に魅力を感じる人
・シナリオの面白さを求めている人
・考察を楽しみたい人など
本当に色々な側面で楽しめる作りになっています。それでいてどれも中途半端になっておらず、しっかりと作り込まれているから驚きです。
また、シナリオ自体の出来もかなり評価が高く、特に第三部にあたる『エデン条約編』は本作でも屈指の完成度を誇っています。
本記事ではこの『エデン条約編』をブルアカの物語の一例として軽く紹介します。一例として、と言うのは先述したように独立した物語が複数存在する都合上、具体的な物語の紹介は独立した物語ごとに行う必要があるからです。
では、あらすじから。

ゲーム『ブルーアーカイブ』にて公開されているメインストーリーVol.3のタイトル。
現在は全4章のシナリオが公開されている。

1章から3章はエデン条約を巡るトリニティ*2、ゲヘナ*3、アリウス*4 の陰謀と争乱が補習授業部*5 の視点で描かれ、4章ではアリウスを舞台とした一夜の騒動を、アリウススクワッド*6 とミカ*7 の視点で描かれている。

4つのメインストーリーの総量の内、半分ものボリュームを占める長編で、緻密な伏線、心理描写を通して描かれる青春物語として、高く評価するユーザーが多いシナリオとなっている。

ピクシブ百科事典『エデン条約編』より

*2 *3 *4 それぞれ学園の名称
*5 トリニティのコミュニティの名称
*6 アリウスのコミュニティの名称
*7 トリニティの生徒のひとり

「エデン条約編」PVより(補修授業部)

ブルアカの舞台は学園都市であり組織は学園ごとに分けられているのですが、その中でも特に大規模な学園であるトリニティとゲヘナの長年に渡るいざこざを少しでも解決するために「エデン条約」という取り決めをしましょう、という話です。
すごく抽象的になりますが魅力的なキャラクターとそのキャラクター達の関係性のうつろい、思わず手を止めて考えてしまうセリフやテーマ性、止め時の見つからない物語、気分の良い演出、そして圧倒的読後感……
などなど書いていたらキリがないくらいの良さに溢れた物語になっています。
シナリオの良さを伝える術を持っていないのが悔やまれますが本当に良いシナリオしているので、もしブルアカを始めて頂けたならこのエデン条約編は是非とも完走してもらいたい限りです。

最後に私見を少し。
ここまでノベルゲームとしてブルアカについて書いてきましたが、そもそもブルアカはソシャゲです。そのためプレイヤーの中には普段ノベルゲームに触れないユーザーも多く存在するでしょう。だからこそノベルゲームに触れたことの無い人でも読みやすくなるような工夫が至る所に施されているのかなと思います。故にブルアカはノベルゲームの入口としてとても良い作品だと考えているのです。

ノベルゲームだからこその体験を気軽に手軽にできるブルーアーカイブ。皆様も是非プレイしてみて下さい!

ということでノベルゲーム一作目としてブルアカを薦める記事でした。


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