物語の「テーマ性」を分類してみる【国士舘アニ研ブログ】

こんにちは。鯖主です。
部誌に載せる予定の部内対談のネタのひとつに「物語作品のテーマ性について」みたいな感じのものがあるのですが、これを話す上でテーマ性というものについてある程度整理しなきゃいけない気がしたので、ついでに記事にしてみようという試みです。
テーマ性と一口に言ってもどんな種類があるんだろう?という事でテーマ性を分類します。

テーマ性を分類するとは言ったものの、テーマ性そのものを分類するのは大変そうだったので作品単位で分類することにします。
結論から言えば
・問いかけてる作品
・何か言ってる作品
・何も言ってないけどテーマ性はある作品
・何も言ってないしテーマ性もない作品
の4つに分類できると考えました。

「問いかけてる作品」は字の通り消費者へ何かしら問いかけをしている作品です。
特に多いのは社会問題を扱った作品でしょうか。法哲学然り、社会倫理然り。他にもトロッコ問題のような思考実験を用いた作品等が挙げられます。
個人的には問いかけをしたうえで、作中でその問に対するひとつの回答を出してくれるような作品が好みですね。

「何か言ってる作品」も文字通り何か言ってる作品です(え?)。
テーマ性のある作品の大半がここに分類できるでしょう。作品は自己表現の場、とか言われていたりしますが作品に作り手の思想を乗せるのであれば、その作品にその思想を言わせるのが手っ取り早いのかもしれません。
上述した「問いかけをしたうえで作中でその問に対するひとつの回答を出してくれるような作品」であれば「問いかけている作品」と「何か言ってる作品」の両方の性質を持っていますね。

「何も言ってないけどテーマ性はある作品」は作品としては何も言ってないように受け取れるものの、消費者が勝手に「こういうことを言っている作品なのではないだろうか?」と考えられるような作品です。
個人的にはジブリ作品全般がここに分類できるような印象があります。他にはセカイ系の作品も一定数分類できるイメージです。
ここに分類される作品のテーマ性にあたる部分を読み解くのは中々大変だと思います。なんと言っても何も言ってないのですから。

「何も言ってないしテーマ性もない作品」は上記の3種以外の作品です。
いわゆるエンタメ作品と呼ばれる作品の多くがここに分類できると思います。
あまりにも幅が広いので特にいう事はありません……。


薄々感じている方もいると思いますが、この分類は人によっていくらでも変わります。そのため、特に重要なのはその作品がどこに分類されるかではなく、その作品をどこに分類するような消費の仕方をしているのか、ではないでしょうか。

ということで物語の「テーマ性」を分類してみるという試みでした。

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