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【アニ研漫画紹介】#1 表情ひとつにも魅了される漫画『血の轍』【国士舘アニ研ブログ】

お久しぶりです。あねもねです。
私もたまにはアニ研らしいことをしてみようと思い、今回はとある漫画作品をご紹介致します。
今回ご紹介する作品は『血の轍』、作者は押見修造さん。『惡の華』で有名な作家さんですね。

もちろんネタバレをするつもりはないのですが、そうすると漫画紹介って難しい...。そこで今作の(押見先生の)巧妙な表情の描画にフォーカスして魅力を伝えていきます。

とはいえ少々人間関係にも触れるのでご注意ください。なるべくネタバレないように書きます。
第1集の前半を扱いますので続きもぜひどうぞ。


その前に今回話す上で必要な人物を書かせて頂きます。

《長部家》
・長部静一
本作の主人公。中学生。
彼と彼の心情を中心にストーリーは進む。母親に依存しているように思えるが...。

・長部静子
静一の母。静一が全てであり、度々一線を超えるような言動行動表情を見せる。静一と静子の関係を軸とした様々な人間関係が展開される。以降「ママ」とします。

・長部一郎
静一の父。静子の夫。なかなか大変な立ち位置にいる人間である。(今回の記事では出てきません)

《同級生》
・吹石由衣子
静一のクラスメイト。静一とは両思いの関係にある。
とにかく可愛い良い子。


では、各シーンのシチュエーションと表情を見ていきましょう。

静一と静一を起こすママ

血の轍 第1集 P13

静一がママに首元をくすぐられて起きるシーンです。
この驚きの表情凄くないですか。擽られた驚きだけの表情ではないと思ってしまいます。
静一は思春期真っ盛りの中学生です。
ママとはいえ異性に首を擽られるという動作にどこか性的な感覚を感じたのかもしれません。

血の轍 第1集 P14

対してママのこの表情。
在り来りな母親の表情でありながら、どこか美化されて綺麗に可愛く書かれているような感覚です。漫画だからと言えばそれまでですがね。
カメラアングル的に静一からの視点で描かれているとしたら、静一の中での母の肖像がなんとなくわかる気がします。ある意味で親子の絆と言えるでしょうか。

幼少期の記憶を回想する2人

血の轍 第1集 P41

ママが美化されているように感じ取れる場面はたくさんあります。こちらは幼い時の記憶をママに話すシーンです。
ママの驚いた表情はご覧の通り凄く綺麗でかわいいです。まぁ驚き+感動もあるとは思いますが。

支配的なママの表情

血の轍 第1集 P82
血の轍 第1集 P107

1枚目は話を言いあぐねている静一にママが言葉を促すシーン。
2枚目は通知表を見て静一を褒めるママ。
いい表情ですよね。ただただママってだけではないと思わせる表情です。特に2枚目は、言葉に乗っかる感情というものがどれだけ重要かが分かります。ただ笑顔で褒めればそれまでですが、なんというのでしょうかこの目は。明らかに作ってますよね。そしてあえて目元アップでコマを作る押見先生にも誘われてますよね。

個人的真打。とにかく可愛い吹石。

血の轍 第1集 P26

静一がふと吹石を見つめるシーン。
こちらもママと同じく静一の中での吹石がいるのでしょう。好きな人はより可愛く見えるものです。

血の轍 第1集 P30

こちらは男子と話してる吹石をからかった後に仕返しをされるシーンです。吹石も悪いやつです。
こんな表情をされたら男の子はびっくりしちゃいますよ。

血の轍 第1集 P94

吹石に家に遊びに行ってもいいかと聞かれるシーン。
とてもダメとは言えないですよね。ずるい女です。


と、あまりたくさん紹介するとネタバレに繋がりますし、著作権くんが礼状を片手に睨んでくるのでこの辺にしておきます。
今回は明るめの表情を中心に紹介しましたが、本編にはもっと暗い表情や脅迫的な表情、ギスギスしたものが沢山出てきます(むしろそっちの方が本編なので)。感情移入しやすい人にはかなり来ると思いますがその分オススメ度は高い作品です。

本作は紙媒体と電子書籍(Kindle版)で販売されておりますので、いわゆる毒親とか人間関係の悩みとかの題材が好きな人にはオススメです。

↑血の轍 Amazonリンク
↓押見修造先生Twitter


ではまたそのうちに。

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