『風の谷のナウシカ』の俳句一覧

こんにちは。アニメ俳句部です！

先日、Twitterで『風の谷のナウシカ』の俳句を募集したところ、69句の俳句が集まりました。この記事では、その俳句の一覧を公開します。

【秋白ネリネさん作】
風死して大地の怒り人はなほ
水澄むや腐海の木々の死してなほ
子ら摘みしチコの実ずしり雷(いかづち)来

【イサクさん作】
夏風のメーヴェ腐海を遊びけり
昼寝して午後の胞子を積もらせん
片陰やたうめいな眼をあげませう
羽蟻や羽蟻や巨神兵は卵
金色の女帝熱風に帰還す
暑き日や命のために命を焼く
くちなはくちなは巨神兵は融ける
滴りていずれ優しき蟲の王

【石井一草さん作】
夏風に乗ってユパ様飛んでくる

【一久恵さん作】
夏の昼胞子舞い降る腐海かな
メーヴェの翼旋回に風光る
谷間の青葉よいつも風そよぐ
青葉風受くる風車の回る音
風使ひの姫よ青嵐従へ
地の毒を吐く草の極暑に咲けり
羅のごと覆ふ胞子よウィルスよ
夏雲や野心の鼓動湧き上がる
麦の秋隠しおおせぬ子秘密
五月闇腐海に籠もる瘴気濃し
腐海は薄暑虫達の遊々たり
夏の月王蟲赤き目疾駆跡

【片岡六子さん作】
この風を春の乱れと呼んだひと

【三尺玉子さん作】
黴愛でる少女の古き机かな
風死すや野に青き眼球あまた
腐草蛍となるクマムシは月へ
透き通る砂さらさらと苔の花
虫達の太古の戦ジギタリス
根の国の透明な砂降る白夜

【水蜜桃さん作】
薫風や汚れてるのは人なんです
憎しみに駆り立てられて王蟲泣く

【龍田山門さん作】
炎帝の現れて七日や滅世界
滅亡の球体覆ふ黴の花
薫風や姫姉様の降り立ちぬ
翅ひろげ鉄の臭ひの鳴神来
涼夜かな腐海の底の寂光土
赤潮に万眼ひらき地を呑まん
青き姫天より告げん麦の秋

【ツナ好さん作】
甲殻のはじく涼しき刃のふるへ
火取蟲去ねば肉塊脈打つのみ
驕るほど風は空蝉わすれゆく
連行は明日箱庭の水きよら
銃を捨てよ蠛蠓に戦慄く者よ
樹に水のおと翠蔭に砂のおと
癈目を連れ夕凪を立ち尽くす
体液にまみれ夏服とは神話
蟲の子をかへさう旱星ざうざう
明易の鳥もどりくる風の谷

【鳥田政宗さん作】
薬降る千年前の古代文字
作られし神よ麦熟れ星光れ

【猫髭かほりさん作】
地の神の怒りしづめる青清ら

【ノセミコさん作】
ぼぅぼぅと風の泣きをり夏の谷
サルビアや鎧に隠したる虚ろ
くだら野を行かん殺しすぎる貴方と
人造の神は崩れて青嵐
麦秋や蟲のことばで説く慈愛

【ヒマラヤで平謝りさん作】
アイリスよ安田成美の歌声よ

【広瀬康さん作】
炎帝の死や火の戦ぐ七日間
不時着の熱風幾重にも谷へ
無月なる腐海の底や砂の音
百年をかけて育てし森に春
降伏の勧告の刃の冴返る
手の皺の爽やか谷の風さやか
宵闇に火を生みさうな凪の谷
熔解や極暑を放つ巨神兵
天高し王蟲の怒濤受けとめて
麦秋や不戦の祈りめく翼

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以上です。お読みいただきありがとうございました！
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