今年はスイカを沢山食べようね

某月某日

部屋を掃除するため、息子(4歳)が散らかした秘密基地用の段ボールを高く積みあげて場所をあける。そのてっぺんに息子が作った折り紙のお弁当を乗せて置いたら、夫が、「おお!おべん塔だ!」と言っていた。

某月某日

なんとなくアレクサに、「アレクサばんざーい」と話しかけたら、アレクサが「イエーイ!」と返してくれた。自分と同じノリのひとが近くにいると嬉しいことをアレクサが教えてくれた。

某月某日

息子と公園で遊ぶ。

息子「こんにちはママチャンネルです!今日は、葉っぱを100枚壊そうと思います!」

と言って、落ち葉100枚に穴を開けていた。ママチャンネルなのに私は見守るだけで何もしていなかったので、息子が無事に100枚穴を開け終わった後、「チャンネル登録高評価よろしくね」と言っておいた。

某月某日

化粧コーナーで美容液を見る。色んな肌トラブルにピンポイントで対応していて、同じ名前の美容液でも数種類存在する。素晴らしいことだと思う。しかし、自分が全部の肌トラブルに当てはまっていて一体どれを買えば良いのかわからない。全部塗るのは多分間違っているので全部諦める。ハリと弾力の違いを帰ってから調べた。

某月某日

スパイスのフェンネルが好き過ぎて、「もし必殺技が出せるなら自分の技名はフェンネルにする」、「もしバンドを組んだらバンド名はフェンネルにする」と言っていたら、Tさんが【Fennel】と書かれたトートバッグをプレゼントしてくれた。私は必殺技も出せないし楽器もできないけど【Fennel】のトートバッグを持つことができて幸せだ。

某月某日

「何か質問は?」と聞かれ、自分は一体何がわからないのかがわからないことが問題なのだと知る。それか説明する人が上手過ぎて質問がない場合もある。

某月某日

100%の感情をのせると逆に本当の気持ちから離れていく。不思議。

某月某日

息子がゲームをしている横で夫が機嫌よく渡辺美里の「My Revolution」を歌っていた。ちょうどサビにさしかかるところで突然現れた敵にゲームのキャラクターが倒され、

夫「一人やられた My Revolution!」

と、思わず歌っていて、

夫「すごい!『わかり始めた』と『ひとりやられた』はぴったりだ!」

と大発見していた。本当にぴったりだった。

某月某日

息子とシルバニアファミリーで遊ぶ。息子がひとつの部屋に無理やり全部の人形を入れようとし、その部屋にあった家具などの小物を全部別の部屋に移動していた。人形だけがなんとか入った部屋と荷物だけがパンパンにつまった部屋が完成する。

私(何故、こんなバランスの悪いことを?)

と、一瞬思ったが、人が遊びに来た時に荷物を別室に運んでスペースを確保するのは我が家と同じだった。

某月某日

夜。夫が何か変な言い間違いをして、「間違えた!そうじゃなくて」と言って、さらに新たな言い間違いをしていた。夫は何度も言い間違える自分に対し、

夫「春はあけぼの。夜は、駄目」

と、疲れ切った清少納言みたいなことを言っていた。

某月某日

電車内のテレビを見る。電車内のテレビは必ず上にある。あの存在があるかぎり私は上を向いて生きていける

某月某日

息子、朝起きて泣く。なんで泣いているのかと聞くと、

息子「ママのおひざに早く行きたい」

と言っていた。この子はもう私に一生分の親孝行をしてくれている。

某月某日

息子に「ママ嫌い!」と言われる。人の気持ちはうつろう。息子の秘密基地の壁役(段ボールが足りなかった部分に私が寝転がるだけ)をやって息子の気持ちを取り戻す。

某月某日

人の優しさについて考えさせられる映画を見る。昔のことを思い出す。以前、お世話になっている作家さんに、「私はいても良いんでしょうか?」と変な質問をしたことがあった。

作家さん「あのね、いて良いんじゃないの。酒寄さんはいるの。いるって必要とか必要ないとかじゃないの。存在するの。今オレの目の前にいるの。いる。オレは酒寄さんがいることは当たり前なの。それは誰が決めることじゃないの。あんたはいるんだよ」

私は自分がいることをたまに忘れる。

某月某日

「今年はスイカを沢山食べようね」と息子と約束する。

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