絶対にカレーを食べる女たち
田辺さん「私はこの後、絶対カレーを食べる!決めたよ!あんたたちも来る?」
はるちゃん「行きまーす!」
私「行く!」
ライブ終わりの帰り道。普段ならそこでそれぞれの家へと解散する場所で、私たちは一緒にカレーを食べると決めました。
あんりちゃん『すみません!体調を崩してライブに出演できなくなりました』
私たちはその日、ぼる塾企画ライブ「カレー」がありました。みんなで楽しみにしていたのですが、直前であんりちゃんが体調不良で出演することができなくなり、はるちゃん、田辺さん、私の三人でゲストのドンデコルテを迎えてライブをすることになりました。
田辺さん『あんりがいないどうしよう!』
はるちゃん『どうしましょうか!』
私『どうしたら良いの!』
以前もあんりちゃんが体調不良になり、田辺さんとはるちゃんの二人で舞台を乗り切ったことがありました。今回は私も出演するので三人で挑めます。しかし、人数が増えたはずなのに二人の時より三人の時の方が何故か不安が増すという、逆「三本の矢」のような現象が起こったのです。
田辺さん「今日は頑張ったから、カレーの他にサラダも二種類頼んじゃうよ!」
私たち三人はカレー屋さんに向かって歩いていました。
はるちゃん「田辺さんと酒寄さんおススメのカレー楽しみです!」
私「超美味しいよー!決めた!私はものすごく辛くする!」
田辺さん「あんたそれはいつものことでしょ。あー!もうお腹激減り!」
はるちゃん「田辺さんすごくお腹空いてるんですね」
田辺さん「まぁね~。今日はずっと何にも食べてないから」
私は田辺さんがライブ直前にカステラを食べていたのを見ていましたが、余計なことは言わないでおこうと思いました。
はるちゃん「何とか乗り切りましたね」
私「お疲れ様」
田辺さん「大変な一日だったね」
はるちゃん「最初から大変でしたね」
私「そうだね。勝負はライブ前から始まってたね」
~回想~
私『あんりちゃん不在をどうするか作戦会議をしよう』
私たち三人は早めに集まり、今日のライブをどうするか作戦会議をカラオケですることにしました。
はるちゃん『元気を出すためにまず何か食べましょうか!』
田辺さん『そうね!そうしましょう!』
私たちは腹が減っては戦ができぬと、とりあえずカラオケのフードメニューを開きました。
私『何にしようか?』
はるちゃん『…』
田辺さん『…』
私『…』
はるちゃん『…どうします?』
田辺さん『…』
私『…』
田辺さん『…駄目だ!決められない!あんりがいないと私たちカラオケのメニューの注文すらできないよ!』
なんと私たちはあんりちゃんがいないとカラオケで何を食べるか決めることすらできなかったです。
私『いつもあんりちゃんの『あ、これうまそう』の一言によって、みんな『私も』『私も』『じゃあ私も』ってあんりちゃんの真似して決まるもんね』
はるちゃん『自分たちだけで頑張って決めましょう!ここが勝負所ですよ!』
田辺さん『そうね!』
この注文で今日のライブが決まるような気がして、私たちはなんとかメニューを決めました。
田辺さん『軟骨揚げのシソ風味とたこ唐揚げね!電話するわ!』
はるちゃん『お願いします!』
田辺さん『あ、もしもし、注文良いですか…軟骨揚げの…え?あ、はい…はい…はい…がちゃっ(電話を切った音)』
私『どうしたの?』
田辺さん『今日、揚げ物できないって』
私『もう今日は終わりだっ!!』
~回想終~
田辺さん「やっと決めたと思ったらまさかの揚げ物できないって…」
はるちゃん「びっくりしましたね。私たちって一体って感じでしたね」
私「でも優しい店員さんが『どうしても揚げ物が食べたかったら店外で買った物を持ち込んで大丈夫です!うち持ち込みオッケーなので!』って提案してくれて、そしたらまさかの田辺さんが
田辺さん『私、今、揚げ物持ってる!!』
ってちょうど揚げ物持ってたんだよね」
はるちゃん「なかなかない展開が続きましたよね」
田辺さん「たまたま揚げ物持ってて良かったよ。あのとき、今日のライブも何とかなりそうって思ったよ」
私「でも、ゲストのドンデコルテの渡辺さんと小橋くんにかなり助けられたけど、なんとかなって良かったね」
はるちゃん「はい!今日楽しかったです!」
私「はるちゃんのコーナー面白かったね」
ライブの内容はあんりちゃん不在の為急遽変更し、はるちゃんが王様のメルヘン王国のもとではるちゃん以外のメンバーが美味しいカレー屋さんのトークをして、はるちゃんの決めたメルヘンにそぐわない行動をした人は追放されるというコーナーをしました。
はるちゃん『メルヘンっぽくない人がいたら細かく切り刻んでカレーの具にします!』
と、はるちゃんはスタートからとんでもなく恐ろしい発言で我々をびびらせ、
はるちゃん『渡辺さん!今難しい言葉を使いましたね!追放です!』
ドンデコルテの渡辺さんが発した『日乃屋カレー』という言葉が難しすぎるという理由で、はるちゃんは渡辺さんをメルヘン王国から追放したりしました。
田辺さん「はるちゃん、あんたのコーナー良かったよ。よくわからなかったけど」
はるちゃん「ありがとうございます!でももっとこうすれば良かったなって反省してます!」
私「私、これからはもっとはるちゃんらしさを活かせるように頑張るね!」
はるちゃん「嬉しいです!あ、酒寄さんのプロフィールも今日決まって良かったですね!」
田辺さん「本当に良いのが出来たよね。公式プロフィールに乗せて欲しい」
ぼる塾の公式プロフィールで酒寄さんだけ全くの空欄なので、この機会にみんなに一緒に考えてもらおうというコーナーもしました。沢山の項目を一緒に決めてもらったのですが、その中で会ってみたい芸能人という欄がありました。
田辺さん『酒寄さんはさだまさしだよ。さだまさしにしましょう』
田辺さんが即、決定してしまいました。(私は実際さだまさしが好きですが、恐らく田辺さん自身がさだまさしにとても会いたいからだと思います)こうして私のプロフィールに新たな内容が書き加えられました。
会ってみたい芸能人【さだまさし】
田辺さん『因みにさだまさしは韓国語だと사다 마사시って書くよ』
この項目を考える直前に私のプロフィールを作る参考資料として他のぼる塾三人のプロフィールを見ていたのですが、その中で田辺さんが韓国語ができるという話題で盛り上がっていました。田辺さんはさだまさしの隣にハングルの사다 마사시を書き足し、それならば英語も書いておいた方が世界の人にさだまさしを好きな気持ちを伝えられるのではないかと更に書き足しました。
会ってみたい芸能人【さだまさし 사다 마사시 MASASHISADA】
それを見たゲストのドンデコルテの小橋くんが、
小橋くん『英語を書き足したことで真ん中の韓国語も多分さだまさしって書いてあるんだろうなってわかって親切ですね』
と、的確なコメントをくれました。こうして親切かつ、グローバルにさだまさしが好きなことをアピールするプロフィールが生まれました。他にも苦手な事(NG)の欄を埋めるとき、
はるちゃん『ぼる塾は水着NGや体を張ることNGなど言っているので、酒寄さんもここはちゃんと決めましょう!』
私『苦手な事?NGな事?うーん…なんだろ』
渡辺さん『これはしたくないこととか』
私『うーん…そうですね』
田辺さん『酒寄さんってすごく負けず嫌いよね』
私『確かに負けるのは嫌いかも』
みんな『じゃあ敗北NGにしよう』
苦手な事(NGな事)【敗北NG】
私のプロフィールにバスケットボールの強豪校の壁に貼ってありそうな言葉が付け加えられました。
田辺さん「酒寄さんのプロフィールさだまさしに届いて欲しいね」
私「まず会社があのプロフィールを採用してくれるかが問題だね」
はるちゃん「すごく良いプロフィールでしたよ!」
私「ありがとう。そういえば、田辺さん来年結婚するかもしれないんだね」
田辺さん「そうだよ!大変だよ!」
田辺さんはライブのトーク中に突然、
田辺さん『そうだ!私、昔、先輩芸人のキンボシの有宗さんと、【お互い40歳になって恋人がいなかったら結婚しよう】って約束したんだった!今私39歳ってことは後一年じゃん!どうしよう!』
と、言い出してお客さんの前で大騒ぎしたのです。
はるちゃん「どうするんですかー?」
田辺さん「有宗さんには申し訳ないけどお断りするわ」
田辺さんはカレー屋さんに向かう小走りのまま言いました。田辺さんは本当にお腹が空いていたのか、歩きながら少しずつ小走りになっていったのです。
はるちゃん「え~ロマンチックで素敵なのに~」
田辺さん「本当に有宗さんには申し訳ないけど、私はまだ自由でいたいの」
はるちゃん「勿体ないですよ~」
田辺さん「確かに有宗さんは食の趣味もあうし、優しいし、面白いし、かなり良い人ではあるのよね」
私「じゃあ40歳でお互いもしフリーだったときは、『この話は無かったことに!』って取りやめにするんじゃなくて、『やっぱり45歳で恋人がいなかったらにしましょう』とか年齢を引き上げていったら?」
田辺さん「それは良いわね!採用!そういうシステムにしたら、やっぱりあなたが運命の人だったんだねっていつか結婚することもあるかもしれないね」
はるちゃん「そうですよ!素敵です!」
田辺さん「ありえるわよね。80歳あたりで」
私はちょっと気づくのが遅すぎるのではないかと思いました。そんな感じで今日の思い出を話していたら目的のカレー屋さんにつきました。
田辺さん「ついたよ!カレー屋!」
はるちゃん「楽しみです!」
私「次はあんりちゃんも一緒に来たいね!」
はるちゃん「あんりカレー大好きですもんね!」
色々あったけど、私たちが今日一番感じたことはあんりちゃんがいない寂しさでした。ライブ中に渡辺さんが『あったら少しは心強いんじゃないかと思って』と笑顔のあんりちゃんの写真を持ってきて飾ってくれたのですが、本当にその写真が登場してから私たちは元気になりました。あんりちゃんの写真があるだけで私たち三人は心強くなったのです。
田辺さん「今度、絶対にあんりも連れてみんなでカレー食べましょう!そうしたらまたこの店に来られるし!」
その後、カレー屋さんで田辺さんは「食べ過ぎて苦しい…」と動けなくなり、今日一番はるちゃんと私を心配させました。
おわり
***
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