序章,大学生活が終わってしまう前に
四年前、十八歳の私が描いていた大学生には、私はなれなかった。大学で同じ目標を持った同志ができても、休日に遊ぶ友人は一人もできなかった。
例えばサークルの飲み会というものには、入ると言ったかどうかも怪しい天文部の新入生歓迎会で品のなさと喧しさにげんなりしてそれ以降行っていないし、
何をするにも一緒がいいという女の子たちと一緒にいても、ブランドのお化粧品のお話、近頃のイケメンのお話に見事ついていけず、一日の終わりには中学生の時に走り切ったフルマラソンよりも疲弊していた。
大学の子たちに誘われた合コンにいけば、満更でもなく、持ち前の愛嬌でそこそこにモテててしまい後日後ろの席から「私、男の前で態度変わる女まじ嫌いなんよな〜」と聞こえてきた。どの口が言うとんねん、と思ったが黙っておいた。
なんやかんやとあって、
入学して3ヶ月もしないまに、一匹狼となった。別段、何も困ったことはなかった。放置主義で自由きままな大学が私は結構好きだった。
私の大学生活は充実していた。それはそれは、宝物のような四年間だった。勉強に、アルバイトに、遊びに、恋に、全てに無我夢中だった。
短編集のように印象的な出来事をもくじにするなら、こうしようかな。
一,素っ裸で土下座された大晦日
二,横断歩道の安全地帯で月9の主人公かと錯覚した話
三,日本の国旗が燃やされていた初めての海外
四,泣きながら食べた広島焼き
五,涙のユーラシア大陸
六,マルジェラの香水
七,ネパール人の男性とデートした話
八,22歳の誕生日はおひとり様のはずだった
最終章,桜が花開く前に梅がこぼれた3月
うん、なかなか素敵な大学生活を送ったということが伝わるかどうか怪しいな。ある人が見ると、大いに情けないかもしれない。またある人が見ると、ふんどしのような長いため息をついてしまうほどくだらないかもしれない。
それでも、言い切れる。私の大学生活は充実していた。かけがえのない四年間だった。これから振り返るどんな情けない話も、くだらない話も、たまらなく愛おしいもう戻ることない時間だと思うと涙がこぼれる。
私のただの四年間の記憶を、のんびり書いていこうかな。あきたらやめちゃお。
大学生活が終わってしまう前に、赤裸々に語る全てを、存分に、馬鹿にしていただきたい所存です(笑)
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