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ヴァルキリープロファイル2 シルメリアは何がいけなかったのか

noteでVP2のやりこみ記事を書いてて思った。初代の記事はいっぱいあるのに、VP2の記事が私以外で1つもない!
てなわけで、私とVPシリーズの馴れ初めと、VP2の改善案をいまさら語る。
長いよ。


私とゲーム遍歴について

中高時代、私の青春はゲームセンターにあり、アーケードゲームばかりやっていた、いわゆる元格ゲー勢。
なので家でゲームはあんまりせず、FFだったりロックマンだったりシリーズものをとりあえずクリアして、余興でカンストさせるとかその程度。
大学時代にFF6の低レベルクリアのWebサイトを発見し、それからは制限プレイで時間を溶かすことに夢中だった。
興味がないタイトル(例えばドラクエ)には目を向けず、楽しいと思えるタイトルをひたすら深くプレイする性分だ。

ヴァルキリープロファイルについて

出会ったのは大学時代。最初は中古CDを買いに入ったお店の一角にあるゲームコーナーで、ジャケットに魅かれてなんとなく手に取ったことを覚えている。「プロファイル」なんて言葉がついているから「可愛い女の子の画像を集めるような、エッチな側面がもしかしたらあるのかも」と勝手に想像するなど、よこしまな気持ちもハッキリ言ってあった。
で、実際ゲームをしてみたら今までにない観点のゲームでハマった。ハマった理由は皆さんと同じで、エインフェリアの深い人生の物語に感化されたのが大きい。もちろんすべてのエンディングは見たし、今まで体験したことのないセラゲのインフレ環境に脳が焼かれ、夢中になってプレイした。本編も何周もプレイしたが、蓋を開けてみればプレイ時間の大半がセラゲの攻略だった。
ご存じの通り、VPはキャラクターのステータス格差が酷い。なのでレナスフレイブラムスロウファクロスエアレイドゲーになる。こうなるとステータス貧困層は部屋の隅の埃になってしまい、セラゲを周回すればするほど使用キャラは固定化の一途をたどる。そして焼かれた脳は本編ストーリーやエインフェリアのストーリーなんてどうでもよくなって忘れ去る。

ヴァルキリープロファイル2 シルメリアについて

続編が発売したらしい、ということで買った。
初代VPでは深く語られなかったディパンとシルメリアの物語。時系列こそ遡っているが、正統なVPシリーズの続編だと最初は思ってプレイしていた。グラフィックやムービ、明らかに進化していて時代を感じた。まあ、初代VPのドットグラフィックは悪くはないが、正直、「今さらドット、スーファミかよ」とは思ってた。
途中で違和感に気づいたのは、エインフェリアが道端に捨てられたタバコの吸い殻のような扱いになっている事だった。それが確実となった時には、流石に私も眉間にしわを寄せた。
単体RPGとしては、グラフィック、ストーリーの進め方やムービー主体の演出、封印石やスキル、アイテム収集などを筆頭にめちゃくちゃ良い作品だと思う。雰囲気的にはVPを使ってFF10をやってる感じ。
ただ、「VPシリーズの続編」としてはギリギリ赤点だろう。

それ以降のVPシリーズについて

やっていない。DSで出した時点で予算もなくて、ろくなリサーチもしていないことは明らかで、開発陣の中ではオワコンなんだと思った。DSの年齢層がVPに感化されると思ってるのか。
あれだけ綺麗なムービーの後に携帯機で誰がプレイするねん。
未プレイで情報を漁っただけでこんなこというのは何だが、エインフェリアに焦点を当て、暗いストーリー進行が良かったと世論は声を挙げたが、流石に別ゲー過ぎる。
VPは初代で完結していて、上からの命令で続編を出したんかな、と。
そんなことよりアーリィ様を主人公にした作品を出せよ!!!!

ヴァルキリープロファイル2 シルメリアの改善点について

あくまでも私ならこういう風にした、という妄想なのでご容赦いただきたい。
①ストーリーについて
レザード、アリューゼ、レナスは完全に不要。初代VPとの関わりは最小限(ディパン史実の深堀り)に留めるべきだった。言うなればルーファスも不要で、メインキャラはシルメリア(アリーシャ)、アーリィ様(レオーネ)、ブラムス(ディラン)の3キャラに絞る。過去のお話をメインにした、ムービー主体のRPGにすべきだった。
②エインフェリア
3キャラだとゲームの進行上、味方が不足するのでここにエインフェリアを充てるべきだった。VP2のエインフェリアは希釈されているとはいえ、各々の関わりは十分に設定さている。
戦乙女のテーマであるエインフェリアの死に様に対する価値観を、アリーシャの人間的解釈とシルメリアの神ならではのドライな扱いで対立させ、その狭間の葛藤をムービーを使い、互いの成長物語として演出すべき。
例えエインフェリアの数を多少減らしてでも、ムービーを使ってエインフェリアを深堀すべきだった。
また、エインフェリア各々の未練などをダンジョンに結び付けそこで離脱させる。これを使えばストーリの進行とエインフェリアの離脱と加入のサイクルを両立で来たのではないか。
③エインフェリアの無個性について
声優(予算?容量?)の問題かエルドを除いて軽戦士と弓闘士は女性、重戦士と魔導士は男性となっている。決め技もクラス内で全く同じとキャラに個性がない。魔導士の大魔法の振り分けは良いと思う。
初代VPの深刻な問題であったキャラ格差の是正という観点では、クラス内での成長ステータスに差異がないのは好感を持てる。
決め技の統一は、キャラ格差縮小の観点でしかメリットがない。愛着が沸かないよね。魔導士と大魔法の関係ように、クラス内で決め技を2~3種類用意するなら使い回しても良いとは思う。モーションキャプチャーの都合かもしれないが、クラス内でキャラの性別は混在すべき。
④エンディングについて
初代VPはマルチエンディングによってゲームの多様性を表現していたが、ディパンの史実という観点で物語が進むなら、シングルエンディングで十分だと思う。
今作の思わせぶりなエンディングは、次回作の伏線になってしまい、正直、その伏線を回収すると、ストーリーが北欧神話から大きく離れてもはやVPではなくなってしまう可能性がある。
⑤セラフィックゲートについて
本編の焼き増しボスは不要。初代VPのディパンの描写で出てきたアリューゼ、メルティーナ、ラウリィ、ロウファあとはレザードでも戦わせて、勝ったら味方にすれば初代VPファンは満足するのではないか。

最後に

私はVP2を神ゲーだと思っている肯定派なのよね。なんだかんだでストーリーもヴァルキリープロファイル(キモいレザードを踏襲)してるし。
これ通りに作ったら往年のVPファンが納得してくれるかどうかはわからんが、もったいない作品だったなとは本当に思う。

ただ、考えれば考えるほど、このゲームには違和感が存在する。
例えば、エインフェリアの中でもミトラ、クラッド、エルド、ザンデのような明らかに造りこみや立ち位置が異質なキャラの存在(下手すりゃルーファスもここに含まれるぞ)。もしかしたら、開発当初のVP2は現在のメインとこれら数名のエインフェリアだけで織りなすFF10のようなムービー主体のストーリーRPGだったのかな。言ったら私の改善案①②③を地で行くような作品。
で、開発中期になって、紆余曲折の路線変更でエインフェリアを急遽追加(予算の都合で声優やモーションの使いまわしで)して着地したと。
だって、エインフェリアのキャラ画も、全てカツラと衣装を変更したようなパーフェクト着せ替えデザイン。イラスト描く人ならわかると思うけど、目って本当にキャラの個性を出す点で重要だから、ここは絶対こだわりが出るポイントなのに、クラスで顔面全員同じ。それこそ特定キャラの髪型、衣装、装飾のボツ案を復活させ、別キャラに仕立てたのかも。
その結果、当初用意していた特定エインフェリアの重めのエピソードはバッサリ削除して、その分薄まったストーリーを補うために、レザード(とレナス)の濃厚なエピソードを無理やり押し込み、着地させたとか。
バッサリ削除した結果、Chapter3に何故かエクストラダンジョンが3つもあるというよくわからない構成になってるんじゃないかな。本当はこれらはエインフェリアのエピソードに結びついていて、マップはもっと大きいダンジョンだったのかも。
考えすぎ?

ああ、そうだ、音楽について。こう見えて真面目に音楽に向き合ってた人間なんだけど、これについては嗜好性のある話題なので、個人としての意見と捉えてね。あなたの感性を否定するものじゃないからね。
初代VPの音楽は確かに耳に残るし、シチュエーションをよく表現してるけど、絶賛するほどではないと思う。上を見たら別作品でもっと良い楽曲はあるしね。個性的な曲が多いので、正直、プレイしてて耳障り(アンマッチ)な楽曲もあると思う。
VP2の音楽は派手さはないし、記憶に薄いね。でも雰囲気は壊さず、『ゲーム作品』としていい塩梅の曲が多く、私は良いと思うよ。少なくとも初代VPよりは。
これも個人の考え方だけど、そもそもBGMの役割に「1曲の楽曲の完成度」は求められていないの。BGMはメインコンテンツを嗜むうえで聴覚を埋めるのが役割なわけで、メインコンテンツの濃度を操作しちゃダメなのよ。
ここは難しいポイントだと思うけど、初代VPのBGMはどちらかというと後者に分類されるんじゃないかな。


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