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柳本史 小版画集「UTOUTO」

Instagramで作品を拝見して、一目でファンになった柳本史さん。
先日発売された画集が届きました。

UTOUTO

どの作品もちいさな祈りのよう。
感じるのは静けさとぬくもり、懐かしさ。

一抹の寂しさと憂いを瞳に宿した少女たちは、
それでも凛として、独りの幸せを楽しんでいるように見える。
傍らに寄り添う犬や猫たち、大切なものをその手に抱きしめて。

耳を澄ますと吐息や寝息が聴こえてきそうで
一緒にうとうと、うたた寝をしたくなる。

***

幼い頃のわたしみたいな「赤い表紙の宝物」。
昔も今も、本の世界に没頭するのがなによりの幸せ。
きっと私もこんな顔をして読んでいるんだろうな。

「赤い表紙の宝物」


明るくて賑やかな始まりの季節「はる」だけど、寂しくて憂鬱な季節でもある。そんな複雑な気持ちが明るい黄色と少女の眼差しに表れていて、そうそう、春ってこんな感じになるよね。って思った作品。

「はる」


BUCK-TICKの「Solaris」みたいだな、って思った作品。

「いつかは帰る場所」

夢を 夢を見せて 幻でもいい
目覚めの朝遥か 夢で会えるね

BUCK-TICK「Solaris」(作詞:櫻井敦司・作曲:今井寿)

***

忘れてしまっていた気持ちや記憶が、ふっと蘇る。
あたたかいのに切なくて、胸がぎゅっとなる。
そんな作品が詰まった版画集でした。

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