マガジンのカバー画像

ショートストーリー

130
ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
運営しているクリエイター

#創作

140字小説「地獄で見る星」

ここは言葉を粗雑に扱った人間が堕ちる地獄。 ここに来た者は、降り積もる黒い言葉の塊を磨き…

140字小説「因果応報」

多様な生物が絶妙なバランスで共存していた場所に、自分たちの都合で他の生物を管理したがる種…

140字小説「夢の花」

人間が心に夢を描くと常闇の国で種が芽吹きます。 夢が叶った時、真っ白な花が咲くのです。 け…

140字小説「季節外れの雪」

人間に恋をした天使は、守護天使になるか、恋の成就を賭けた堕天か選ばねばなりません。恋が成…

140字小説「ひかりのはしご」

雲間から天や地にのびる光を見たことがあるでしょう。 あれは神さまが架ける光の梯子。毎日地…

140字小説「川原の石」

静かな村の川原で虹色に光る石が見つかりました。 石は高値で売れ、村人の暮らしは楽になりま…

140字小説「お空の天使」

「さあ、お前たち。今日も元気に遊んでおいで。」 神様の一言で天使たちはいっせいに天のお宮を飛び出して、広いお空を駆け回り、飛び回ります。天使の足跡は雲になり、笑い声は光になって雲の隙間から降り注ぎます。時折、虹色の雲が見えるでしょう。あれは遊び疲れた天使が転寝をする姿なのですよ。

140字小説「光る言葉」

言葉で傷つけ合う人間を憂い、神は言葉を結晶化した。すると自分の口から零れ落ちた鋭利な結晶…

ダウンロードファーストクラス #毎週ショートショートnote

『あなたも今日から”一流”の仲間入り! さぁ、匠の技をダウンロードしよう!』 そんな謳い文…

ヘルプ商店街 #毎週ショートショートnote

「ほい、一人暮らしの餞別だ。」 祖父はそう言って『ヘルプ商店街』とだけ書かれた小さな紙き…

140字小説「真夜中の風船」

娘たちは真夜中に風船を飛ばします。零れ落ちた甘い吐息を、眠れぬ夜に流した涙を、焦がれる想…

140字小説「星と双子」

地上を眺める双子の星がありました。 彼らは夜空を見上げる双子の兄弟のお喋りを聴くのが大好…

140字小説「永遠のオペレッタ」

菫の歌声は妖精にとって甘い毒。なかでも満月の歌声は強力だと言われています。菫の歌を聴いた…

名探偵ボディビルディング #毎週ショートショートnote

探偵向きの体ってのがある。 中肉中背で顔立ちは平凡。歩き方や仕草にもこれといった特徴がない方がいいね。あとは長時間の尾行に耐えうる持久力、対象者の急な逃走に対応する瞬発力、そしてどんな些細なことも見逃さない動体視力もあれば最高だ。 とはいえ最初から完璧な奴なんかいない。探偵志望の奴らは特殊なジムで必死に体を作り上げる。俺はそこのトレーナー。いわば名探偵ボディをつくるプロって訳だ。 今日はある卒業生の探偵デビュー。 こっそり尾行して見届けるのも俺の仕事だ。 それにしてもデビ