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秋が一番好きだ

四季の中で秋が一番好きだ。
うららかで鬱っぽい春も、夜のジョギングがちょうどいい夏も、お風呂が沁みる冬もそれぞれに好きなところがあるが、秋は格別だ。
暖かい日差しの中でふと冷たい風が頬をかすめていって、また凍てつく冬が遠くからやってくるのを知る。何かに急き立てられるような気持ちはすっかり落ち着いて、ぽっかりと時間が空く。夜長を言い訳にして好きな本を好きなペースで読む。
もともとしめっぽいところがあるから、これといったイベントがなく、ただ存在するだけで許される秋がいいのだ。なにもしなくてもいいと自然がなぐさめてくれる一瞬の時間が。


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