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エッセイ

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林真理子

はじめて林真理子の著書を読んだのは地元の図書館にあった『美女入門』だった。それは色褪せた本たちに挟まれてやけに目についた。赤い背景にレースのブラの表紙は、当時10代のこどもには色っぽく、これから人生に待ち受ける女の楽しみを教えてくれそうな予感がしていた。 10年以上経った今、たまたま書店で手に取った本が『野ばら』で、別の書店で美女シリーズを発見し、たまたまtwitterでフォローしている人が中島ハルコを絶賛するのを見て、たまたま友人も林真理子エッセイを推してきた。運命的なも

「吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる」感想

すごい本に出会ってしまった。 https://amzn.to/3RTeTnR 吉本ばななさん。「キッチン」でしか知らなかったが、新幹線の到着が少し遅れて、旅のお供にと、品川駅構内の小さな書店で何気なく手にとった本だったが、ひとの心理や人間関係に対する洞察が的確で、会ったこともないばななさんに恐れ入るばかりである。 友達の悩みに答えるという形式なのだが、その回答にぎくりとさせられたり、うっすらこうなんじゃないかと感じていたことを言語化されてもやが晴れたり。例えば男性と友達