ICEに3人分払って乗りました。

「あなたのバスはキャンセルされました。振替バスは夜中の4時発です」

こんなメールがフリッカス、もといフリックスバスから出発3時間前に届いた。

私は焦りに焦った。なぜならその日の夜11時のフリックスバスでフランクフルトに向かう予定だったためホテルも何もとっていなかったからだ。

すでにバス停の近くにいた私は急いでホテルを探した。

幸いホテルを見つけたので朝まで一泊することにし、翌日仕方がないのでREでザルツブルクからミュンヘンまで向かい、そこからICEでフランクフルトに向かうことにした。

宿に着いたのは21時過ぎており、これは急いでICEを予約しないとと思いアプリで値段を調べた。

するとミュンヘンからフランクフルトまでどれも300ユーロ近くする。

そんな高かっただろうか。

物価高だし仕方ないのか。

不思議に思ったもののその日はもうとにかく急いでいたし早く予約して寝たかったので仕方なく300ユーロの席を確保した。

翌日、ザルツブルクからミュンヘンに着き、ミュンヘンで2時間電車を待ってICEに乗り込んだ。

発車してしばらくすると向こうから車掌さんが切符を切りに来た。

私はスマホの画面にうつったQRコードを見せた。

車掌さんはそれを読み込み一言こう言った。

「3人ですか?」

私は、「いえ1人ですよ?」と何言ってんだこの人はどう見ても私1人しかいないでしょという顔をしながら答えた。

車掌さんが去っていき、ふと気になった私は自分のオンラインチケットを見た。

そこには「大人:3人」という文字がしっかりと書かれていた。

そう。私はなぜか3人分のチケットを1人で買っていた。

おかしいと思ったのだ。

チケット購入時に座席選択がなぜか3人分になっていたから、何か変だとは思っていたんだ。

なぜ3人分の表示になっていたのかはわからないが、何も知らない私は物価高だのなんだのと勝手に納得して買ってしまっていた。

引き返してきた車掌さんを呼び止め事情を説明した。

「おかしいと思わなかったんですか?あまりにも高くなかったですか?」

「いや、昨今の物価高を鑑みると数年前と比べてこうなっちゃったのかなと思ってしまいまして… ちなみに返金とかって…」

「これは特別価格のやつなので無理ですね。次回から気をつけてくださいね」

このやりとりを見ていた前の席のおじさんからお前やっちまったなと顔を真っ赤にして笑われた。

私は早くその電車を降りたかった。

とても恥ずかしかった。

何が恥ずかしいってあのDBに2人分も多く寄付してしまったことである。寄付した分良い対応をして欲しかったものだ。

そんなこんなで私はとても豪華な旅をしてフランクフルトに到着した。

ちなみに20分遅れて到着したので少し返金して欲しい気もした。

この悲劇のあと私はコロナにかかった。

不運な1日であった。

おしまい。


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