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スペインのジプシー

近藤仁之(こんどうよしゆき)著
1995年5月20日 初版第1刷発行
定価(本体2,400円+税)
ページ数 255ページ

スペインへ移住する前、スペインのことがもっともっと知りたいと思い購入した本です。
20年以上前に読んだ後、ずっと本棚に置かれてましたが、コロナによる自粛の折、ブック・チャレンジのバトンが回ってきたので、紹介するため、再び手に取りました。
スペインで10年過ごした後、再度読んでみると、感慨深いものがありますね。

僕は、カンタオール(フラメンコ歌手)をやっているので、スペイン滞在時、ジプシーとの関係はとても深かったです。
ジプシー、スペイン語ではgitano(ヒターノ)。

僕のカンテ(フラメンコの歌)の師匠は、Esperanza FernándezとEl Lebrijanoです。
Esperanzaには、2008年〜2015年の間、平日は毎日、レッスンを受けました。
彼女はgitanaで、両親も祖父母もカンタオールなんです。
彼女のお父さんCurro Fernándezは、有名なカンタオールで、何度も来日しています。もう、70代後半ですね。
フラメンコのアーティスト(多くはgitano)は、早く亡くなる方が多いのですよ。
僕がスペイン滞在中にも、多くの巨匠が亡くなりました。
やはり、皆さん、不摂生からなのでしょうか。
最近は、フラメンコのライブの開始時間も早くなりましたが、以前は、午前零時からだったり、もっと遅かったりしましたから。
多くの人は、煙草もよく吸うし、酒(ワイン)もよく飲むし。
Curroが元気で長生きしてくれることを祈ります。
2019年にEsperanzaに会って、Curroのことを聞いたら、体調が悪いときもあるけど、なんとかやっていると言ってましたね。

もう一人の師匠El Lebrijanoは、大巨匠であり、1960年代〜1970年代のフラメンコ黄金時代を支えてきたカンタオールです。
彼もgitanoで、アーティスト・ネーム通り、セビージャ県レブリハ出身です。
今も、Youtubeに彼の若い頃の映像がたくさんアップされてます。
教えることは、あまりやってなかったようですが、2014年ごろから教えてくれるようになったので、2014年〜2015年の間、色々とフラメンコについて勉強させてもらいました。
僕が、帰国した翌年(2016年)の夏、亡くなってしまいました。
以前から、心臓がちょっと悪そうでしたから。
本当に偉大なカンタオールでした。

フラメンコは、familia gitana(ジプシー家族)を中心に発展してきたのですね。
フラメンコって、スペインの音楽のように思われていますが、スペインでも南部アンダルシア地方に特出する音楽です。
この本によると、アンダルシアの気候が住みやすかったことと、この地のスペイン人があまり排他的でなかったことにより、移動してきたジプシー達が定住することになったからでしょうか。
アンダルシアの音楽と、ジプシー独特の音楽が、うまく融合してフラメンコとして発展したという説が有力ですね。

1960年くらいまで、フラメンコのアーティストはほぼジプシー(gitano)でしたが、José Meneséあたりから非ジプシー(payo)のアーティストも出てきました。
今は、どのくらいの比率なんでしょうね。

続きは、また、書きます😄

#スペイン #ジプシー #ヒターノ #フラメンコ #アンダルシア #セビリア

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