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竜二

2023年11月23日、横浜にある映画館【シネマ・ジャック&ベティ】で『竜二』を観た。
1983年10月29日から40年の年月が流れ、その間に幾度か再上映もされたしビデオが発売されレンタル店で借りられるようになり、それからDVD〜Blu-rayとなりTVではCSやケーブルTVで観られるようになった。私もビデオを借り、DVDを買いケーブルTVで放映されれば必ずって言っていいほど『竜二』を観た(DVDがあってもついTV放映って観てしまう)

シネマ・ジャック&ベティにて

『竜二』、そして金子正次を初めて知ったのは1984年公開『チ・ン・ピ・ラ』だったか?このへんは曖昧で確実に意識したのは1987年公開『ちょうちん』だった。当時は陣内孝則の演技(『ライスカレー』)が好きで観に行った。その時に買ったパンフレットの記事で観た彼に惹かれたのだ。

〜『ちょうちん』も良く出来た作品で陣内孝則はここからヤクザ映画を牽引して行く事になった〜

『ちょうちん』のパンフレットで金子正次を知り『竜二』をレンタル店で借りて観たのかなぁ…このへんは曖昧なんですが某ミュージシャンがTBS系列で放映した連ドラを観た時に「パクリじゃん!」ってつい口から出てあからさまなパクリに開いた口が塞がらなかったから多分その頃には『竜二』を観ていた筈だ。
その後シナリオ集を読み『チンピラ』もオリジナル版での公開が観たいって思ったり『盆踊り』もいつか観たいって思った(まさか『盆踊り』のプロジェクトが進行していたって事は何十年後のTwitter(X)で知りワクワクした〜今はストップしているのですが頑張って欲しい)
専門学校時代の友人の家で『ちりめん三尺ぱらりと散って』を見つけ慌てて購入しました。
『獅子王たちの夏』は映画も脚本も何かしっくりと来なかったけどやはり金子正次って名前があるだけで…嬉しいよね。
『竜二』、そして金子正次は何故40年経っても色褪せずむしろより輝きを放っているのだろうか?
『竜二』が公開されてから40年の間に沢山の作品が誕生し公開された。大ヒットし社会現象になった作品もいつしか時代に埋もれてしまい皆の口からタイトル名が出なくなったり、流行に迎合した作品はダサくて観るに耐えなくなったりした。『竜二』は本当に小さな作品で誰でもが知っている作品じゃない。ヤクザ映画の冠はついているが殺しやドラッグ、銃もでない(ベンツもでない)
高級クラブや綺麗なお姉ちゃんもいない。
ヤクザ者も我々と同じ人間である事を痛感させられる。そのリアリティが絵空事でない重みがあるのだ。
金子正次は自分が主役を演じる為に脚本を書いたとインタビューで言っているが彼の脚本は5作品ともレベルが高い(『獅子王たちの夏』は依頼され書いたから他の4作品と比べると雰囲気が違う)
ようやく劇場で観られた『竜二』
パンフレットにも書いてあったがこの作品は劇場で観るとまた雰囲気が違うというかスクリーンで観るべき作品だと痛感した。勿論、家のTV画面でも十分良い作品なんだが竜二、金子正次の躍動感や繊細な表情はスクリーンで観ると金子正次の良さがより分かります(セリフ回しは今まで観てやや一本調子に感じていたが劇場で観た今回は前より違和感なく観られた)
『竜二』公開直後に金子正次がいなくなり40年の間に洋の東西問わず沢山の役者がこの世から去っていった。その度に出演映画の特集を放映したり公開したりしたがたった一つの作品がずっと観られ続いている奇跡!…これってカルト映画?
そんな作品は『竜二』しかありません。
たった一つの主演作と5本の脚本を遺した金子正次。
彼は凄いです。

シネマ・ジャック&ベティにて


今日は本当に良い日になりました。

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