"エモ"かった川崎戦


※このnoteは戦術レビューではございません。悪しからず。


おはこんばんにちは。

月曜夜なのに隣の部屋からいちゃいちゃしてる声が聞こえてきてとても哀しい気分になっています。悔しいのでTWICEを聴いています。


33節、お疲れさまでした。

優勝の可能性もあった大一番でしたが、他会場の結果だけは自分たちではどうしようもできないことなので、我々はやるべき「やれること」をしっかりやれた一戦だったのではないでしょうか。

優勝に王手をかけ、また得失点差も稼ぐことができたことで優勝が現実的となり、歓喜に沸いた1日となりました。

しかし、個人的にこの勝利にはもう一つの大きな意味があるのではないかと思います。


それは、ここ等々力で喫した屈辱的な敗戦を乗り越える勝ち方ができたように思うことです。


とは言っても、このタイミングで思い浮かぶ等々力で喫した屈辱的な敗戦と言えば2013年の例の試合を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、そうではなく。

2年前の2017年9月9日、J1第25節で川崎相手に同じ等々力で喫した0-3での敗戦

を今日は取り上げたいと思います。


当時のHEAD TO HEADは以下の通りでした。

2位 横浜F・マリノス 14戦負けなし

3位 川崎フロンターレ 6戦負けなし


マリノスは5月からマルちゃんことマルティノス、(点こそ取れなかったけど) 齋藤学さん、スタメンの座を射止めた山中・扇原を中心とした縦に速いダイナミックな攻撃と、中澤を中心とした堅い守備による攻守にバランスのよいサッカーを展開しており、確実に勝ち点を稼いでいました。

一方の川崎は風間大僧正から引き継いだ鬼木体制で戦績が安定し始め、首位鹿島を追い上げていました。


この状況だけ切り取るとお気付きの通り、先日の対戦と試合前のチーム状況が酷似しています。

かつ上位同士で迎える川崎戦はこの日以来でした。(川崎は大抵上位なのでうち次第だけども。。)


この日の結果は言うまでもなく、

0−3での惨敗。


大島を中心に間を破られ、不意に空けたスペースを家長や憲剛に使われまくり、攻撃の糸口すらつかめないまま敗戦。

この試合を機にマリノスは一気にトーンダウンし、初ゴールこそ決めたものの10番は怪我を負い離脱。最終的にはACL圏内に入ることすら叶いませんでした。

一方、川崎はさらに調子を上げ鹿島を追い上げ、ルヴァンカップこそ逃したものの最終戦で見事捲り上げ初戴冠を手にしました。そして、翌年もリーグタイトルを取り、"無冠"と揶揄されることも無くなり言わば"勝者"の仲間入りを果たしました。


この年のマリノスは激動のオフを乗り越えた、いわば「改革初年度」でした。

CFG/モンバエルツ体制は発足から年数を経ていましたが、目に見えた変革が訪れたのはこのシーズンだったと認識しています。


そんな変革のシーズンでしたが、川崎相手に喫した大敗は精神的にとても重いものでした。

14戦無敗かつ5試合(くらい?)無失点を続けていたチームがいきなり0-3で敗れたのだから、無理もありません。


試合後、天野純はこんなコメントを残していました。

「僕たちが今まで14戦無敗だったのは、強いチームと当たっていなかったからなのかなと感じた。それぐらい力の差を見せつけられた。だから『今まで積み上げてきたものが正しくなかったんだ』と皆で反省して、次の柏戦に向けて頑張りたい」


当時は積み上げを始めて間もない頃なので、このようなコメントが出るのは無理もないかなと思います。

それだけ、風間体制から積み上げてきた当時の川崎とは差があったように思うのです。



だからこそ、土曜日の勝利がとても嬉しかった。

奇しくも、今回の無敗街道も上位チームとの試合はほとんどありませんでした。

だからこそ、「絶対的王者」であった川崎とこのタイミングで当たることは、自分たちが積み上げてきたものは正しかったのか、を測る絶好の機会だったように思うのです。


結果は4得点の大勝。


言うまでもなく、得点シーンはマリノスがここ数年で積み上げてきた攻撃そのものでした。

本当に気持ち良かった。

今まで取り組んでいたこと、マリノスの積み上げてきた"戦略"が間違っていなかったんだと心から思える勝ち方が、王者である川崎相手にできたことがとても感慨深かった。

もちろん当時とは選手の顔ぶれも違います。けれども、チームとして方向性は間違っていないとずっと感じていたし、その延長線上に昨日の勝利があると思うと本当に誇らしかった。



誤解を恐れずに言えば川崎は嫌いです。

もっと言ってしまえば僕は川崎を妬んでいました。強くていいなと。上手くいってていいなと。方向性があって進んでいていいなと。

何度か話に出た元10番も、「魅力的な川崎」「ビジョンが見えないマリノス」の二項を対立させ、チームを出て行きました。

他所の生え抜きのキャプテンにすらそう思わせ出て行かせる川崎が心底羨ましいと、そう思っていたし、見返したいと思っていました。


そんなある種「嫉妬」に近い感情を抱いていた川崎相手に、強いマリノスを、ブレない自分たちのスタイルを貫いて勝つことができたのが、個人的には優勝に王手をかけるよりも嬉しかった。

もちろん、隣町からくる意識や煽ってくる一部よくわかんないサポへの対抗意識からくる勝利の気持ち良さもあるんだけど、それよりも、強い相手にこうやって勝てたことが、自分たちが報われた気がして"エモ"かった、そんな日でした。


エモい の意味はよくわかりません。「ポジショナルプレー」「和式・洋式」くらいわかってないと思います。

けれど、土曜日の試合後は「エモい」感情に満ち溢れていました。それだけの勝利でした。



さて、結びになりますが、もちろん川崎に勝つためにリーグを戦っているわけではありません。

ここまできたからには最後東京にもしっかり勝ち、王者たる所以を、「強いマリノス」をまた見せて欲しいなと思う、12月の初旬でした。



それでは。


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