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建築系、知識の栄養失調

建築の人と話すと、毎度建築の話しか出てこないことが疑問であった。


その度に「他に面白い話はないのか?」と思いながら、学生時代は過ごしていた。


大学院の時に修士論文を書くにあたり、色々な建築書から理論の考察と構築を行った。しかし、行き着いたその先にあったものはただ一つ。

「建築から建築の知識は得られない」

これが辿り着いたものだった。修論を書くうえで、理論を組み立てるには多角的な角度で物事を考え、構築する必要がある。

建築から建築の論文を書く行為は近親相姦と同じことではないかと。そこで、視点を置き換えて建築の人間がよく言う「空間」について考えた。

建築が言う空間とは、あくまで内部空間であること。だが、その中身について触れられた記述は建築書のどこを読んでも「広さ」や「光」「風」などばかり。


とにかく抽象的で、曖昧なことばかりしか書かれていない。

では空間とは何なのか、その答えを教えてくれたのは物理学であった。

特に時間論については空間について欲しかった知識が多く書かれてあった。他にも相対性理論や次元についての話は建築では曖昧にされていたことが見事に書かれていた。

欲しかった知識は建築の外にあり、建築にはなかった。

そこから思った。建築の人間が常に建築の話しかしないことへの疑問とは「知識の栄養失調」であると。建築書ばかりしか読まず、他ジャンルからの角度がない建築はこの先、変化はあるのか。

現代は多角的な角度を持たなければ生き残れない。

建築がこの先、生き残るには他ジャンルからの視覚を持つことが重要である。


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