見出し画像

メゾンジブレー(神奈川・中央林間)の新作アントルメグラッセを食べてきました

神奈川県中央林間の「メゾンジブレー」(オーナーシェフ・江森宏之さん)は2017年7月にオープン。フルーツや野菜などの生産者からの産地直送仕入れにこだわり、旬の素材を前面に出した菓子とジェラートが特徴の人気パティスリーだ。パティシエの江森さんはジェラートとアントルメグラッセ(アイスクリームケーキ)の名手として知られ、講習会なども数多く行なう実力派。2015年ミラノ万博で行なわれたアイスクリームとチョコレートのワールドカップにて日本代表のチームキャプテンとして出場し、優勝に導いた。

クリスマスシーズンを控えた10月、今年の江森さんのアントルメグラッセのメディア披露会がメゾンジブレーで開催され、ゲストとして岩手県から「サンファーム」の吉田聡さんが登壇。今回はそのレポートをお送りする。

特注サイズ(50cm)のアントルメグラッセを手にする江森宏之さん、吉田聡さん、スーシェフの阿部純也さん(左から)。

吉田さんはパティスリー向けのフルーツ生産を主軸に手がけている農家。色の鮮やかな品種や酸味の強い品種のリンゴ、国産ではめずらしいラズベリー、サワーチェリーなどを生産する。ラズベリーはアメリカ・カナダから個人輸入した苗木を育て、いまでは18品種を栽培。降雨量の多い日本ではカビがはえやすく難しい作物だが、ハウス栽培によって高い品質を実現している。ラズベリーは熟すると劣化が早いため、当初は形を保てるように早摘みしたホール(実)を販売していたが、最近は農場を訪ねたパティシエからの要望によって、”完熟”の味にこだわり、完熟した実を冷凍したホールとピュレでの出荷を行なっているという。

「最初にラズベリー栽培を始めた時は、どんなふうにお菓子に使ってもらえるのかわからないから、江森さんにジュースにして渡してみたり試作をしてもらったり、たくさんやりとりさせてもらった」と吉田さん。ただフルーツを出荷するだけではなく、どのように菓子に加工され、お客の口に運ばれるのかにまで思いをめぐらせ、パティシエとの厚い信頼関係を築いてきている。

メゾンジブレーの2018年のクリスマス商品では、吉田さんのラズベリーを主題にしたアントルメグラッセ「ルージュプレジール」が登場。くすみのない明るい赤は、吉田さんの完熟ラズベリーならではの発色。適度な酸味と果実の香り、バラの形を絞り出した華やかなフォルムはクリスマスの主役にぴったりだ。

◎アントルメグラッセ オータムリース(秋商品)

【販売期間】2018年9月末〜12月末

【サイズ】各商品5号サイズ(15cm)

「モンブラン」
愛媛県の和栗を使用したアイスクリームモンブラン。クルミのショートブレッドを土台としてバニラのアイスクリーム、クルミのキャラメリゼ、マロングラッセ、しっかり焼き込んだメレンゲ、マスカルポーネのシャーベット、そしてマロンジェラートを絞った構成。前年商品の仕上げは表面にコームで線を描くものだったが、今年はお菓子のモンブランのようにマロンクリームを絞り出すスタイルに変更。「ジェラートなので溶けやすくて時間がかかり、絞り出すのは難しいのですが、絞ることで空気も含んで口どけも良く香りを感じられるようになりました」と江森さん。マロンの濃厚さと洋酒の香り、クルミのショートブレッドの組合せが食べやすく、バランスのよい大人な一品。4500円(税別)

「コルベイユ」
江森さんが訪れた岩手で食べて感動したという山ブドウとキャンベルを使用し、フォルムも大きなブドウ形に仕立てた。たっぷりと果汁を染み込ませた生地を土台にバニラアイスクリーム、山ブドウのコンフィチュール、カシスと山ブドウのジュレ、表面は山ブドウとカシスのシャーベットの構成。山ブドウの酸味を閉じ込めたようなシャーベットで、後味はさっぱり。味の構成はシンプルでお子さまも食べやすそう。5000円(税別)

◎アントルメグラッセ クリスマスリース(クリスマス商品)

【販売期間】2018年11月1日〜12月20日(配送日は12月1日〜25日、各50台限定)

【サイズ】各商品5号サイズ(15cm)

「ルージュプレジール」
岩手県のフルーツ生産者「サンファーム」吉田 聡さんのフレッシュラズベリーをふんだんに使用したアイスクリームケーキ。「製菓用の市販ピュレにはない鮮やかな色と香りをいかしたいと考えました」と江森さん。くすみのない明るい赤の発色が美しく、バラの形を絞り出した華やかなフォルムもクリスマスの主役にぴったり。土台となる生地に自家製のラズベリーシロップを染み込ませ、上にバニラアイスクリーム、ラズベリーの果実を砕いた粒、ラズベリーのジェリー、ヨーグルトのジェラート、トップはラズベリーのピュレと種つきの果実を合わせて使用したジェラートを絞り出す構成。種はジェラートを絞る直前に取り除くが、途中の工程までは加えて種のもつ渋みを残すことで、ラズベリーの特徴を丸ごと感じさせる味わいに仕上げている。5500円(税別)

「フォレノワール」
同じく「サンファーム」吉田さんのサワーチェリーにチョコレートクリームとピスタチオアイスクリームを合わせ、定番菓子「フォレノワール」に見立てている。チョコレート生地にサワーチェリー(品種は「ノーススター」)のシロップを染み込ませ、チョコレートのアイスクリームの間にはシロップ漬けの果実をしのばせた。シシリー産のピスタチオを店舗でペーストに挽いてからつくったジェラート、チューブ状のピスタチオシャーベットを重ねて、立体感のある構成に仕立てた。4500円(税別)

「ショコラショコラ」
コロンビアで活躍する”カカオハンター”小方真弓さんとの親交から生まれたコラボレーション。小方さんが手がけたクーベルチュールチョコレート3種類(エリザベス、トゥマコ、アルアコ)をそれぞれの風味にあったテクスチャに仕上げて、重層的な香りのアイスチョコレートケーキに組み立てた。「小方さんから、アイスクリームケーキに使うならチョコレートは是非ともエリザベスを使うようにとすすめていただきました。エリザベスは香りが華やかでベリー系酸味と長い余韻があります」と江森さん。エリザベスは下段にアイスクリームとして、その上段にトゥマコ(ミルクチョコレート)のガナッシュを一層、トップに花形に絞っているのはアルアコのチョコレート、水、砂糖だけでつくったピュアな口どけのシャーベット。内側にはカカオハンターのチョコレートチップ、カカオニブも使用している。6000円(税別)

「モンブラン」*秋商品のクリスマス仕様。4500円(税別)

ファミリー客にも喜ばれそうなキャラクタータッチのアイスクリームケーキは百貨店向け商品。昨年も人気が高かった。

【店舗情報】
メゾンジブレー
www.givree.tokyo
神奈川県大和市中央林間4-27-18


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?