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デザインレビューの「され方」

そこの色さー、赤にしてみたら?

突然降ってくる具体的な指示レビュー。(((( ;゚д゚))))アワワワワ
皆さんはどんな気持ちになるでしょうか。ハッとしたり、え?なぜ?と思ったり色々なモヤモヤも起こるかもしれません。

まず、前提としてそもそもデザインレビューは何のために行なっているのか、ということを振り返ってみます。(会社や組織によってデザインレビューがなんたるかが異なるので、ここでは下記の定義でお話しします)

デザインレビューとはなにか:
そのデザインで、ターゲットユーザーが、こちらが期待する行動をしてもらえるかどうか確認するもの

ターゲットユーザーが期待する行動をとるか確認をしたら、
「そこの色さー、赤にしてみたら?」というレビューが返ってくる。
ん???????(@_@;) ←ここです、この違和感。

レビューにおいて、得たい情報は「AAAをBBBにして」ではありません。
「想定するターゲットユーザーの思いと行動」です。

どうしたら、ほしい情報をもらえるでしょうか。

レビューで何を知りたいか伝えること

「ターゲットの立場で使ってみたときに、どう思ったか、どう行動するか」
を知りたいと伝える

「デザインレビュー」という漠然とした言葉だと、アートディレクターやクリエイティブディレクターが行う「デザインチェック」みたいなイメージが浮かぶ人もいるでしょう。そうすると、ここのマージンを1pxとかいう話になってきちゃいます。
ですのでまず、レビューで知りたい内容を前もって共有しておく必要があります。説明紙を用意して書いておくのもオススメ。
もう社内版「ユーザーテスト」って言っちゃった方がいいんじゃないの?とか思ったりしてます今日この頃。

ちなみにデザインチェックとデザインレビューは分けてやるべきだと考えています。トンマナやデザインガイドなどのデザインチェックの項目と、デザインレビューがまざってしまうと、目的が混乱してしまいがちです。
個人的には デザインレビュー > デザインチェックの順番が良いと思います。
最初にデザインチェックありきでやってしまうと、可能性が狭まってしまうからです。チェックで調整があればまた再度デザインレビューを行なって、効果も含めて判断します。

前提条件を伝える

「ターゲットの立場で使ってみたとき」という前提条件です。

ターゲットユーザーはどんな人なのか(複数パターンの場合は複数)
どんなとき、どんな状態で、どんな思い(感情)をしているのか

これらが不明のままレビューをされてしまうと、ずれたレビューになってしまう可能性が高くて危険です。ターゲットユーザになりきれる環境を用意してあげることで、よりリアルに近いフィードバックを得ることができます。

わりと忘れがちなのが、「どんなとき」です。
ターゲットがその直前何をしていたのかというところ。同じターゲットだとしても、状態によってだいぶ違います。
例えばWEBサービスなら、様々なページから各々のタイミングでターゲットは対象ページへ訪れます。どこから何をみて来たかによって、ターゲットユーザーの思いや行動は、異なることがあります。「今なら会員登録で抽選で500ポイントプレゼントバナーを見て、飛んできた人」と「初めて買う商品をカートに入れて会員登録ページに遷移してきた人」では同じ会員登録ページでも期待している内容は全然違いますよね。

想定しうる様々なターゲットユーザー、アクセスパターンからのデザインレビューを行うことで、思わぬ落とし穴に気づくことができます。

デザインレビュー本にたまに、「プロセス」や作る側の「目的」を共有すると書かれているときがありますが、個人的にはそこは反対です。

理由はシンプルです。
実際に使うユーザーはそれらのプロセスや目的を知らないからです。
知っている前提で行われたデザインレビューは、思い込みノイズが増えるだけなので、できるだけピュアな状態=ターゲットユーザーに近い状態が理想だと思います。

質問をする

レビューをまとめて返してください、というようなお願いの仕方だとどうしても「まとめる」プロセスで余計なものが混入しがちなので、できれば立会いをしてその場でレビューをしてもらうのが理想です。何もせずに固まってしまったり、視線がキョロキョロしたときは、何か起きてるサインです。
言葉にならないポイントを拾うことができるのも、立会いの利点です。

何か探していますか?
これをみてどう思いましたか?
次に何をしようと考えていますか?
なぜそうしようと思いましたか?

などの質問が効果的です。

え?それでも具体的な指示が降ってきた?社風的に厳しい?
そんなこともあるかもしれません。わかりますよ。。

そこの色さー、赤にしてみたら?

とまた具体的な指示を言われたら、YES or NO と答える前に、
勇気をもって、質問をしてみましょう。

そう思われたきっかけはなんですか?

そう思われた原因=感じた想いを教えてくれると思います。

長くなりましたが、デザインレビューは、本当にそのデザインが効果的なのか判断する非常に大事なプロセスです。誰がやっても良いものです。
貴重な情報を得られるんだ!という意気込みで、デザインレビューに出しまくってください!


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